霧島から朝焼けの桜島を望む
コース: ・ホテル出発10:00~自然探勝路入口10:10~照葉樹林を散策~11:30目の湯~川湯を探して?12::20~探勝路~13:00千畳敷~13:30ホテル帰着 |
丸尾自然探勝路地図2023.9 |
霧島丸尾温泉にある丸尾自然探勝路を散策、地元民もめったに行ったことないというびっくりスポットを巡りました。
霧島の温泉でゆっくり過ごし翌日、ホテルの近くにあるという丸尾自然探勝路へ行ってみた。フロントで支配人さんに探勝路の様子を尋ねると、「えっ あんな恐ろしいところに行くのですか?階段が狭くて急で危ないですよー、わたしは行きません」と恐ろしそうな顔でいう。「まあ 山登りと一緒ですからね、急な階段でも行けますよね~」支配人は物好きな人は勝手にすればという表情。そーんなに怖い所ってわくわくじゃない。
ホテルからの眺め |
自然探勝路は環境省が策定しているそうで、薄暗い森の中へと苔むした階段が続く。管理が行き届いているので倒木も藪もないし、階段で足を踏み外す心配もない。要所要所に森の説明板が立ち、木々には銘板もありとても参考になった。巨木に触ってみよう、とか 葉っぱを比べようとか 私も案内板のおっしゃるように木々の幹を見比べ抱きつき 楽しんだ。木の肌の特徴がよくわかり、少しは見分けられるようになったかな。北山の薄暗い森に比べ、照葉樹の森はなにより明るい感じがした。
丸尾自然探勝路へ | 森の中へ |
蝶の説明板 | つる性植物説明板 |
⑥見慣れない木が生える |
木々に銘板がある | くろばいの木 |
マタタビじゃないよね? | スダジイ |
アカガシ | 巨樹の幹をなでてみよう |
シロダモ | イスノキ |
そして今日の最大目的の露天風呂に向かう。霧島最古の露天風呂目の湯、知らなかった。この冬泊まったホテルのすぐ目の前にあったなんて。
えびのスカイラインの直ぐ横から 山道を少し進むと、川の中に巨岩が現れ、その足元に温泉があるらしい。人声がするので近づくと、中年男性が二人岩の上に立っている。こんにちわー そこが露天風呂ですかーと声を掛けると、振り向いた男性たち。入れるのですか?と聞くと、「今日は温度が70℃あるからどうしようかと。。」「えっすごい高温ですね。よく来られるのですか?」年に数回立ち寄るというバイクツーリングの2人組。
川を渡り | おや? 人がいる |
思案しながらも、1人のほうはもうズボンを脱ぎシャツを脱ぎスタンバイ。「わたしも入りたいけどそんなに熱かったら無理ですねー」というと、「このあたりは川が温泉だから、よさそうなところを探すと川の水に薄まって丁度よい温度の場所がいくらでもあるよ」とのこと。それならば探してみますーとお礼を言って早々にその場を去った。川底から土手を登って林道へ向かう。背後から「ひゃー」とも「うー」ともわからない叫び声がして、男性が70℃という温泉に飛び込んだようだ。
スカイラインの横に脇道の林道があり、先ほど2台車が走っていたが、その後は全然往来がない。多分地元民が使う道路なのだろう。さきほどの露天風呂を足元に見ながら、川を上から眺めて良さそうな場所を探す。川は林道から覗くと丸見えで、川湯を楽しむにはちょっとなあ という条件。少し上流に遡り、小さな橋を渡ると、白濁した流れが右側になり、道路から少し土手を下ればすぐに水辺だ。
川は白濁している | 硫黄泉が流れている! |
大きな岩がごろごろしていて、その間に手ごろな淵がある。川べりに下って手を浸けてみる。少しぬるめの良い温度。硫黄の匂いが立ち込め、川岸にはねっとりと灰色の泥が溜まっている。泥はぬるぬると滑らかで、泥パックやん!土手から少し下流へ、大きな岩に囲まれたまさに湯舟という淵がある。
しかもそこは橋の陰に隠れて道路からは死角。ここだ!と憧れの川湯決行。こういうこともあろうかと、こういうことをしたいと、薄手のワンピースを持ってきたのだが、さっきからまったく人が通らないので、シャツとズボンを脱いでドボンした。深さは家の湯舟くらい、広さはゆったり目の天然風呂。底に泥が溜まっているけれど足は埋まらない。
泥パックに良さそう | 湯船発見 |
湯加減グッド | 最古の岩風呂目の湯で遊ぶ若者 |
水面には木の葉が浮いているけれど、汚れているわけじゃない。灰色の湯は硫黄の匂いがしてそれだけでも癒される。川辺の泥を顔に塗って泥パック。森の中の露天風呂、あこがれだったのです。霧島の野湯レポというのをNHKが放映した。倒木の森を分け入り、ぼこぼこと源泉の川を掘って湯船にする。こんな楽しそうなところがあるんや と、霧島住民の友だちに尋ねたら、「あれは普通の場所じゃなく 山の中の道のないところだよ。恐ろしいよ」という。テレビ番組の場所は私有地で、持ち主は毎日来るという。いいなあ。。と指を銜えていたのです。
木々を風が抜け、時折小鳥のさえずり。夢や! ぬるめだけれどしっかり身体がぬくもってほかほか。川湯を上がり、先ほどの目の湯に行くと、若者が2人、楽しそうに水遊び中。
森の探勝路のコースを先へと進み、一旦車道に出て千畳敷へ向かう。支配人さんがあんな怖い所!という場所は、確かに苔むして急な細い階段が川底へと続いていた。足を滑らしたら怪我必至。
糞に夢中な虫たち | 霧島の温泉群 |
照葉樹林案内 | カゴノキ |
花の案内 | ミミズバイ |
小鳥も住む | 樹木の説明 |
森は明るい |
探勝路を一周 |
千畳敷へ向かう | 苔むした階段を下る |
千畳敷案内 | 河原へ下る |
森の間を流れる大きな川は、一面平たい岩に覆われ、その上を川上からものすごいスピードで水が流れ下ってくる。しかも水は青っぽく湯気が立っていて、ここも温泉水やん。バシャバシャ、ドシャドシャと流れていく先を見ると緩い勾配で下がっていて、その先からはドドドドドドドドドと大きな水音が聞こえる。
滝や。そっか ここは丸尾の滝のすぐ上になるんやなあ。丸尾の滝は有名で、落差25mの豪快さと共に、お湯が流れ落ちるという珍しさ。下から眺めることはあっても、上流のこんな岩場に来たのは初めて。白浜の千畳敷のような風景だけれど、ここは岩の上を歩いて滑って流されたら、滝つぼへ落ちるんやろうかとちょっとこわごわ。一見苔むしてそうだけれど、岩は意外と滑らなかった。硫黄成分で苔も生えないかも。
岩盤の上をお湯が走っていく | 流れは速い |
この先は滝です | 足元には滝の落ち口 |
谷底から岸へ上がり、遊歩道を滝へと向かう。階段を登ったところで、がーん。その先の道がない。崖の下は見事に崩落していて、通行止めになっていた。こっちから滝の正面に回れるはずだったのに残念。仕方ないので、すぐ横の車道に登ったが、車道からは滝は見えず、滝の正面に行くには20分ほど歩いかねばならない。
残念ながらがけ崩れ | 丸尾の滝 (霧島観光協会データより) |
予定では14時のバスに乗るので、もうホテルに戻らないと。滝見物を諦めて、ホテルフロントに戻り預けたザックを受け取った。客のいないがらんとしたロビーを占領して、軽い昼食タイムとした。待っている間に次々に宿泊客が到着、常連らしい年配者のグループが数組。霧島の宿はどこもいいよなあ、また来たいなあ。
川湯のほかほかはずっと続き、ほんと最高の温泉でした。ところで、霧島の野湯は知る人ぞ知るらしく、いくつかの秘湯が紹介されていた。次回はそこへ行ってみよう。
霧島住民に探勝路の報告をしたら、地元民も行かないような場所によく行ったねーとあきれられてしまった。皆さん もっと行ってください。森林浴に、温泉に、最高の休息でした。
吹き出す丸尾の源泉 |