コケの庭園と御在所岳と鎌ヶ岳
日程:
2023年6月17日(土) 快晴 森の旅人M
コース:
・滋賀県東近江市甲津畑:登山口~避難小屋~ツルベ出合~蓮如上人御旧跡~杉峠~杉峠ノ頭~イブネ~イブネ北端~クラシ
・復路は甲津畑駐車場へ戻る
梅雨の中休みで晴れ予報が続くので,今回は初めての鈴鹿山脈イブネを目指しました。長い林道を歩いた末にたどり着いた杉峠からの山頂尾根にはコケの庭園が続き,展望が素晴らしいこと。
歩行距離が長いことを考えて6時に出発,名神八日市で下りて,現地に7時過ぎに到着。登山用の駐車場はないが通行止めの橋近くに駐車確保。既に5台駐車している,ナンバーを見ると浜松,なにわ,神戸そして地元滋賀である。思ったより少ない車でよかった。
7時半に出発,杉峠まで長い林道歩きが始まる。坂道が続き大きく右へカーブ,その先からは平坦道となった。渋川を左下に見て歩く林道の途中に散策行程標識が立っている。
杉峠登山口 | 杉林の林道が続く |
散策行程によると杉峠まで6.2Km,約3時間の道のりだ。林道には由緒ある名称標識が多数立っており初めて歩く者にとっては次のポイントまでの時間も記載されているので目標ができる。流石に見慣れてきた杉林の道が続くと飽きてくる。鉄橋を渡るとタイジョウ分岐が出てきた。すぐに避難小屋を見るトイレもあり川も近い。
千草街道散策行程標識 |
避難小屋 |
先に行くと木橋が次々と現れる。この林道は木陰道が続き日差しは入ってこないので暑さは気にならない。ツルベ谷出合を通過,しばらく行くと五本目の木橋。この先から本格的な山道になる。
ツルベ谷出合(古屋敷跡) |
五つ目の木橋 |
雑木で見通しの悪い坂道となり目に付くピンクテープ頼りに上がって行く。蓮如上人御旧跡の石碑と小屋が現れた。二軒の背の低い小屋だ。谷渡渉もありどんどん山深く入って行く。道が谷で切れて崖を下って対岸に渡る。倒木も多く道を迂回して歩く。
蓮如上人御旧跡の説明文と石碑 |
道が切れて谷へ |
渡渉も終わり「一反ぼうぼう」の標識を過ぎると急坂が待ち受け,登っていると汗が出てくる。標高1000mを超えると左が大きくえぐれた谷を見てロープの掛かる道を上る。また雑木になり抜けるとようやく杉峠に着いた。木陰道を進んできて真っ青な光注ぐ峠は眩しい。
渡渉も続く |
一反ぼうぼう |
ロープ道 |
眩しい杉峠到着 |
甲津畑から3時間,時刻は10時半と早いが昼食を摂る。木陰の下で今日は助六寿司をいただく。気持ち良い風が汗をかいた体を通り過ぎていく。若い男性が根の平峠方面から登って来たが,すぐにイブネ方面へ向かって行く。昼食後には甲津畑から年配男性が登って来た。ここからは初めてだと言って挨拶して雨乞岳へ。
イブネへ向かう |
御在所岳が一望 |
雨乞岳 |
イブネへは杉峠ノ頭のピークを通り緩やかな下りの雑木の中でタイジョウ分岐を右へ,ピンクテープは無く古いテープと踏み跡を見ながら鞍部へ。登り返した坂道から御在所岳,雨乞岳が目に入ってきた。今日一番の急坂にはコケが現れた。登につれて見えなかった鎌ヶ岳も小さく見える。写真を撮っていると7~8人のグループが下りて来た。
タイジョウ-イブネ分岐を右へ |
鎌ヶ岳が現れる |
東雨乞岳と雨乞岳が一つに収まった |
雑木を抜けた先に現れた風景は広々している。コケの庭園が続き右側(南東側)は目を遮るものが無く,雲一つない青空の下に御在所岳,右手に鎌ヶ岳,その右手手前に東雨乞岳と雨乞岳が一望できる。
イブネ手前 |
イブネ |
イブネに到着,梅雨時期のコケの緑と山岳風景は一見する価値ありです。ほんま晴れた日に来られてよかった。西側はアセビで展望は無いが,東側は遮るものが無い展望が広がる。
イブネから御在所岳,鎌ヶ岳 |
イブネから雨乞岳 |
クラシへ寄って行こうとロープで張られた道を北へ進むと今度は見えていなかった西側の山岳風景が目に入る。イブネの北端に着くと中年男性が休息中だった。朝明キャンプ場から登って来たそうで,名古屋から何度もここに来ているそうでお気に入りだと言う。釈迦ヶ岳が北東に見える,遠く霞んだ先に御池岳,藤原岳らしきも目に入る。
イブネの尾根 |
イブネ北端 |
釈迦ヶ岳 |
コケが分厚い |
クラシへ向かうと言うと真正面に見える方向を教えてもう。一旦下り鞍部へ,この辺りのコケは分厚い,その分道も深くなっている。鞍部から銚子ヶ口分岐へ,右の尾根道を行くとクラシに到着,展望は全く無くわざわざ来る値打ちの無い山だったなと思いすぐに離れる。ちなみにここまで8.5Km。
クラシに到着,展望なし |
イブネ北端に戻ると先ほどの男性はまだ座っており,声を掛けて別れた。南に向かう尾根から御在所岳,鎌ヶ岳,雨乞岳を目にしながらの復路。いつまでもこの風景の中に浸っていたい。順調に戻っていると杉峠ノ頭から急坂を下っているとスリップ,同時に両足太腿に痙攣が襲い,あっという間に後傾から道横の樹木の隙間に倒れ込む。
同時の痙攣は経験なく唸ってしまう。動くに動けずその場に座り込む。右ひじと右足膝に土がついている。夢の中からどん底へ落ちてしまったようになる。痛みは残っているが5分程で何とか立つと,不思議なことに何事もなかったように歩きだせた。
杉峠まで戻り休息を取り,おにぎりを一つ食す。人気コースと思っていたが復路でも全く人に会わない。杉峠からの下山も問題なく来たが,例の谷に下りて渡渉後に3~4mの崖を上がる所で,石の足場に右足を大きく上げて踏み込んだ時に強烈な痙攣が走る。全く力が入らないので上がれない,2~3回試みても右足太腿の痙攣は収まらない。これはダメだと登る位置を探す。左足から上れる場所に移動して木の根を掴み何とか崖を上がる。
復路,崖を上がる時右足太腿が攣る |
その後は,来た道を登山口まで戻ることができました。往復7時間半の山行で,体の痛いこともありましたが,イブネからの山の風景はよかった。