元箱根の大鳥居
日程:
・2023年7月27日(木)~29日(土) 森の旅人Mと嫁さん
コース:
・1日目:
神奈川県小田原市JR国府津駅~小田原市御幸の浜
・2日目
小田原市御幸の浜~三枚橋~畑宿~甘酒茶屋~箱根大鳥居~元箱根
・3日目
元箱根~箱根峠~静岡県三島市山中新田~箱根路の石碑~三島大社~JR三島駅
東海道五十三次の小田原宿から箱根峠を越えて三島宿までの旧東海道を歩いてきました。事の始まりは,嫁さんが今春急に何を思ったのか旧東海道を歩くと言い出し実行。
3月21日(火)に嫁さん単独で東京日本橋を出発して京都三条へ歩き出しました。ただ,そのまま一気に京都まで歩き通すのではなく,年齢も考慮して2泊3日程度の距離を歩き,一旦自宅へ戻り体調を整えて,前回歩き終えた所から再出発することを繰り返します。
また交通はJR青春18切符の使用期間で歩くとの条件を付けるので完歩の予定は定かでない。・・・日本橋出発の姿をカメラに収めるため私も日本橋へ同行,8時半に半分心配で見送りました。
■ 1日目:7月27日(木)
今回は3回目の遠征で何故同行することになったかと言うと,やはり箱根峠越えは山中を長く歩くため,一緒に来てほしいと言われて行くことになったしだい。
朝一番の電車で地元の駅を発ち,京都駅5時48分発米原行きに乗車,米原,豊橋,浜松,静岡(静岡駅食堂街で昼食タイム),熱海と乗り換えて14時03分に国府津に到着。
1日目は午後出発となり小田原宿手前のJR国府津(こうづ)駅から出発。小田原宿へ向かいます。残念ながらこの辺りの東海道は,現在国道1号線となっているため歩く楽しみは少なく,初めての街を眺めながら歩を進める。
JR国府津駅 | 国道1号線は車が多い |
明日以降の足慣らしのつもりで歩いていたら大波乱が待っていた。真夏の日中はとても暑い。国府津駅から1時間も歩いていないのにバッタと音がするので振り返ると嫁さんが歩道で座り込んでいた。写真を撮ろうとした時,傾いた歩道にバランスを崩し同時に右足が痙攣し倒れた次第だった。
スポーツ飲料と日傘は車道に飛んで行っている,丁度赤信号で停車中だったので急いで回収。この暑い盛りの日中足が痛くてその場に座り込んだ状態が続いたが,木陰に何とか移動する。
足の痛みが無くなるのを待っていると,中年の女性が来てくれて熱中症ではないかと案じてきてくれた。その後若い女性も来てくれ迷惑をかける。二人は引き上げてもらったが。中年の女性は再度来てくれて車に乗せて上げると言っていただく。五十三次歩きなので遠慮させていただいた。優しい方がいてありがたいと感じた次第です。
大型スーパーが近いのでたどり着いた後は大休憩。筋肉痛スプレーが効果あったのか歩ける状態になり,酒匂(さかわ)川を渡り小田原市街に入る。
前方に一際高いタワーマンションが目に入ってきた。信号新宿で左折してR1から外れて旧東海道かまぼこ通りを西へ小田原宿界隈へと入って行く。少し情緒が僅かに残る小田原宿本陣跡など見ることができる。
小田原宿なりわい交流館で接待を受け,冷たいお茶をいただく。再び先の本町でR1に合流,一つ西の信号御幸の浜で初日は旅を終える。今日の宿舎は小田原駅前のホテルのため賑やかな市街を駅へ向かいました。
小田原宿 かまぼこ通り | 小田原本陣説明標識 |
なりわい交流館 | 信号 御幸の浜 |
■ 1日目:7月28日(金)
今日が箱根越えの初日,箱根宿で一泊する。駅前のコンビニでお茶,スポーツ飲料を購入。小田原城を右に見て,御幸の浜まで戻り2日目出発。
天気は今日も真っ青で朝から暑い,こんな日に歩く人はいないだろう。嫁さんの足は問題なく良かった。箱根まで約16KmであるがR1に沿ってしばらく西へ向かう。市街地で交通量も多く前日同様に国道沿い歩きが続きます。
板橋見附からようやくR1から離れて北側の旧東海道を進むものの15分程でR1へ合流,車の流れとともに西へ。しばらく行くと再びR1から離れて旧東海道に入ります。市街地を抜けて落ち着いた街並みなる。地元の人しか歩かない道となりマイペースで歩ける。
小田原城を右に見て | R1沿いを歩く |
箱根峠の入り口になる三枚橋でR1と別れて南下して畑宿へ向かいます。旧東海道ではあるが県道のアスファルト道路を歩く。気温も上がり照り付ける陽は厳しい。
昼食はそば店を予定していたが旧道を外れてまで行きたくないと言われ,先ほどコンビニで冷麺,おにぎりを買ったばかり,しかしお腹の空腹感もないし人目のない場所がないので手荷物になっている。この界隈は箱根湯本で旅館ホテルが立ち並んでいる。畑宿へ緩い勾配が続き,木陰で人目のない場所で昼食を済ませました。
三枚橋を渡る | ホテル旅館街が連なる |
箱根大天狗山神社前の急坂を登り終えると,初めて山道のような旧道割石坂が現れ江戸時代の石畳み道が残ると言う道を歩く。歩きやすいように整備されている。一旦県道に出てすぐに旧道へ入る,稼いだ高度を帳消しするように谷へ下り,上り返した先に畑宿へ到着した。
畑宿から五十三次最難関と言われる七曲りが始まる,旧道は急坂から石段となり12Km以上歩いて来た体にはキツイ。それでもその先にある甘酒茶屋で休めることを楽しみに急坂や石段を上る。
第7の折返しから第9の折返しのショートカットでは83段の石段がありゆっくり上がる,途中で初めて五十三次をしている老年男性に出会う,ベンチで休息中だった。小田原から歩いて来たとのこと。長いショートカットの石段が現れ疲れが増す。県道に久しぶりに出て横断歩道を渡るが,ここでも車は止まってくれた。ありがたい。
江戸時代の石畳道 | 七曲りが始まる |
第7折り返しから第9折り返しへの石段 | 県道の横断 車は手を上げなくても止まってくれた |
ようやくの甘酒茶屋。お客さんが多い,皆さんドライブがてらに寄っているようで徒歩で来ている人はいない。冷やし甘酒と安倍川もちを,嫁さんは冷やし甘酒に甘酒アイスを注文。
女将らしい女性が軒先を案内してくれる,徒歩の人のみへ渡される道中安全のお札と徒歩観光記念御芳名帳なるノートを持ってくれて名前を記入。こんな暑い日でも歩く人はおり私たちを入れて3組目,京都市東山区の人も寄っている。外人の観光客が目に付く,本当に多い。甘酒と安倍川もちをいただき,元気が戻って来た。
甘酒茶屋 | 冷やし甘酒 |
安倍川もち | 道中安全のお札と徒歩芳名帳 |
甘酒茶屋の後ろを通る旧道を再出発,道は荒れ気味で歩きにくい,左足ハムストリングに違和感発生,痙攣の前兆で筋肉痛スプレーを処置してもらう。県道に出て横断,この先の石畳道は整備され歩きやすくなっていた。
その途中で出会ったのが菅笠と帯刀した武士姿の若い男性。三条から歩いていて今日は箱根湯元まで歩くと言う。先の無事を言って別れる。高度を上げて今日の最高地点805m付近を通過。元箱根へ下って行く。大鳥居前にでて二日目完了。17Km以上の距離と800m近い高度を越えてきました。近くの宿屋へ向かいます。
甘酒茶屋からの旧道は荒れていた | 歩きやすかった石畳 |
出会った武士 | 元箱根に到着 |
■ 3日目:7月29日(土)
三日目の今日は箱根峠を越えて三島へ下ります。出発時は朝から真っ青な天気,雨よりましで良かった。元箱根は標高728m,暑さはあるが湿気を感じない。富士山が樹木の上に少し頭を出しているのが見える。元箱根の杉並木を通り,箱根の関所を通過,市街地を抜けR1と別れて旧道に入って行きます。
元箱根の杉並木 |
元箱根から富士山 |
箱根の関所を通過 | 旧道へ入ります |
すぐに石畳が現れ,坂道となる,少し鬱蒼としており杉並木が残っている。石畳の道は続いているのに,坂の名称がやたらと出て来るのが不思議。とか考えているとR1の分岐へ出る。この先は国道の分岐が続くので気をつけて歩く。
次の分岐では横断歩道がないので,流石に車は止まってくれない。見計らって無事横断。一旦R1から離れて坂を登り右へ下ると箱根峠の交差点が出てきました。信号機付きの横断歩道を渡るので安心だ。五十三次最高地点(853m)は交通の要衝となっている。
赤石坂 | 箱根峠に出る |
箱根エコパーキングでトイレ休憩,本来旧道が続いているはずの旧道が途中で封鎖されているためR1沿いの大きな急カーブ道を下って行く。上りの車はすごいスピードで駆け上って行く。三島側への出口はフレコンパックの大きな土嚢が積まれて行くことを阻んでいる。
再びR1から離れて旧道へ入った途端,石畳道の坂道が続く。三島側へ下る旧道も石畳道は続いているようだ。木洩れ日の旧道を下って行くと何と民家前を通り,R1へ出る。ここも横断,我々の姿を見るとやはり停車して横断させてくれる。五十三次者への気持ちを分かってくれている。
R1沿いの急坂下る | 石畳道は続く |
民家を通る | 静岡県三島市へ入る |
少し行くと国道沿いに三島の標識が立っている。ついに静岡県三島に入る。旧道を整備する集団に遭遇,小中学生も頑張っているらしい。すぐに山中新田,山中城跡へ下るが石畳道は整備され歩きやすくなっている。昼食は途中のドライブインの食堂に入った,そばとラーメンを注文するが何と30分経過してようやく出てきた。文句も言いたいくらい遅い!。
三島で有名なスカイウォーク駐車場横も石畳道は続く。笹原新田に入るとついに石畳道がアスファルト道路になった。三島塚原インター手前に箱根路の大きな石碑が鎮座,インターの信号を通過すると完全に市街地に入る。気温が上がっている気がする。
山中城跡 | 箱根路石碑 |
信号五本松からR1から離れる。JR東海道線の踏切の名称は,旧東海道踏切とそのまま。その先は,残念なことは石畳道になっているがコンクリで固めた石畳となりとても歩きにくい,価値も見いだせないのでは。
三島大社前を通り三島宿にようやく到着しました。真夏の旅のご褒美に三島で有名なうな重をいただきました。少しはパワーが戻ったかな。
JR東海道線の旧東海道踏切 | うな重をいただきました |
三島大社 |
都会では残っていない旧道が小田原畑宿から三島にかけて残っていました。無事に歩き通せたことに感謝。
私は三島駅から新幹線で帰宅しましたが,奥さんは三島で泊まり更に次の沼津に向けて翌日歩きます。