京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

奥劔 (2)
2023.10/02-05

仙人池に映る劔八峰


日程:
・2023.10.2~5    洛西オヤジ  親父の山歩き報告NO376_2

アクセス:
・前日10月1日夕方5時頃から毎度おなじみ湖西で北陸道敦賀ICー立山ICー立山街道ー立山駅前登山者用駐車場(車中泊)

コース:
・10月2日:立山駅前ーケーブルー美女平ーバスー室堂ー雷鳥沢ー別山乗越ー雷鳥沢ー劔沢小屋(宿泊)
・10月3日:劔沢小屋ー雷鳥沢ー真砂沢ロッジー二股ー仙人新道ー仙人峠ー仙人池ヒュッテー仙人峠ー池の平小屋(宿泊)
・10月4日:池ノ平小屋から前日と同じコースで劔沢小屋(宿泊)
・10月5日:劔沢小屋から初日と同じコースで室堂同じく立山駅前登山者用駐車場。

注意:
・親父が下山した日から積雪が始まり8日現在の劔沢小屋の状況です。今年度の営業終了されました。劔沢小屋ホームページより 。

今年度の営業終了 劔沢小屋ホームページより

 ■ 初心者オヤジ 今回はいろいろな出会いあり予報外れ?の天候に翻弄されオヤジの衝撃の(?)ショットありと3泊4日の山旅報告長丁場ですがお付き合いいただければ幸いです。




 ■ 10月3日。

 山小屋時間朝食5時。以前の5月のように3時頃から出発の登山者はいませんでした。朝食を食べて皆さん目的地に出発です。新平さんに明日(4日)また戻ってくる可能性もありますのでその時はなるべく早い段階で連絡しますのでとお願いします。そしてオヤジもヨタヨタと出発します。

出発目に名古屋のグループさんと
えらい別嬪さんでしょう(フンにやけすぎやあ!)

ピーカン劔岳遠望

さ~下るぞ~

反対側の上部別山朝焼け

 オヤジは、今日の目的地は池の平小屋です。雪渓が全く見られない劔沢をチンタラ下っていきます。やがて平蔵谷の出会いの大岩が前方に見えてきました。ここからは長次郎の出合いまでの悪名高き(?)高巻となります。

 ロープにつかまりヨタヨタこのポイントは斜面上部から湧水が常に落ちていますので滑りやすく緊張を強いられます。雪渓を下るときは全く関係のないポイントになります。

初めて目にする案内標識(それがどないしたんや)

チンタラチンタラ、もう秋やあ~

以前はこの滝の上を歩いていたのですね~

ようやくちょっとだけ雪渓が現れました

 雪渓を下るときは長次郎の出合いまで強者は30~40分、オヤジでも1時間ぐらいで下ってきたのでしょうかね~、それが2時間ほどかかっての長次郎の出合いでございます。長次郎出合いで何とか対岸に渡れました。これが雪渓の上を通過できる唯一のポイントです

 初めて、かろうじて残っている雪渓の上を通過して左岸側に渡ります。なが~いなが~い真砂沢ロッジの給水ホースが引かれていますが、以前からなぜ周りにたくさんの水が流れているのにこれほどの距離を真砂沢のロッジは引いているのか不思議に思っていました。

 長次郎出合い上部の湧水にこだわって(いや衛生保険上の問題かな?)わかりませんがなが~い距離を登山道に沿ってホ-スが引かれています。そんなホースに導かれてヨタヨタと真砂沢ロッジに到着、劔沢小屋を一緒に出てきた名古屋のおばちゃん(失礼)たちが休んでおられます。(この女性二人組とは相前後して池の平小屋まで向かうことになります)。

平蔵谷出合い
大岩がその全貌をみせています

前方長次郎の出合いですが
雪渓の上を歩くのは危険すぎます

結局恐怖の(大層にゆうなあ!)高巻です

長次郎出合いで何とか対岸に渡れました

左岸側をヨタヨタ前方真砂沢ヒュッテが見えてきました

真砂沢ヒュッテとうちゃこ~

 オヤジもしばし休憩してまたヨタヨタと二股に向かいます。途中内蔵助平への分岐を過ぎてこのコースの難関、岸にしがみつくように設置された桟道をへ吊り、ヨタモタ、何とか二股への吊り橋を渡り大きく左にルートを変えると巨岩の向こうに八峰と北方の稜線が目に入ってきます。ここから今日の正念場仙人新道の急登が始まります。

内蔵助平への橋です。明日ひょっとして行くかも

二股の吊り橋にとうちゃこ~

 反対側仙人谷からの雲切新道ほどではありませんが仙人峠までの急登は皆さんにその厳しさはよく知られるところではあります。もちろんオヤジはヘロヨタがヘロヘロになって仙人峠に息も絶え絶えに(いつものヘタレ言やなあ~)とうちゃこ~周りはもう秋全開、仙人峠の分岐で池の小屋とは反対になりますが仙人池に向かいます。

二股です。バックに上部の稜線が

仙人新道から小窓の雪渓(その少なさにアゼン!)

仙人新道から八峰を見上げます。アルパインの聖地です

後方の稜線後ろ立山連峰、一番左端に白馬がみえます

 このあたりが今回の山旅で一番のハイライト(食堂か!)(ハア?)でした。ゆっくり木道を進んで約15分から20分で仙人ヒュッテとうちゃこ~もう13時前、お腹減りましたあ~。

仙人峠とうちゃこ~です

秋の秋の(なんや)
うまく表現できません正面白馬岳

 今日は劔沢小屋でお弁当を作ってもらってきています。秋の行楽シーズン~ハイキングだ~。仙人池に映る劔八峰を見ながらいただきま~す。先行の女性お二人さんも同じく休んでおられましたが一足先に池の平小屋に向かわれました。

もう老いぼれは来られないと思います
最後の仙人池ショット

仙人池ヒュッテを後にして

仙人峠に戻ります。キヤー(なんや)(秋やあ!)

 この仙人池に来るのにはどのルートからでも時間がかかります奥劔の別天地と呼ばれる所以です。ましてこれほどのロケを見せてもらえるとは引退した身にはまさに冥途の土産、感謝感謝。さてオヤジもまたヨタヨタと仙人峠に戻り池の平小屋に向かいます。14時半ごろ池の平小屋にとうちゃこ~。

池の平小屋が見えてきました。先に続くのが鉱山道です

池の平小屋とうちゃこ~

 受付を済ませて、小窓の雪渓の状況などを聞きます。実は9月29日オーナーが雪渓の上部まで確認しに行かれたのをユウチューブ及びインスタに載せられています、内容はほぼ変わらない説明を受けました、オヤジはもちろんアルパインを八峰や池ノ谷でするわけではないので雪渓さえクリアーできれば問題ないと思うのですが、小屋からもアイゼンの有無だけ確認されました。

正面針ノ木岳です。また行きたいなあ~

 そのあと小屋でのお風呂をどうするか、屋根付きのお風呂か露天のゴエモン風呂か、もちろんオヤジは露店のゴエモン風呂で予約をしました。それと携帯の充電を聞くと¥300でできますとのこと、今日もヤレヤレです、そうこうしていると先行したはずの愛知の女性二人組到着、どうやら受付の前に下の平の池を見にいっておられたみたいです。

 リュックを解いてしばらくするとゴエモン風呂の順番が回ってきて声がかかりました。小屋の横でまさに小屋掛けの脱衣所、小屋の従業員?中年の女性が吹き竹でお風呂沸かしています、熱ければ冷ましてくださいとバケツに水が汲んであります。

 おばちゃん(失礼)曰く「写真撮りましょか、皆さんよく依頼されますよ」露天入浴で写真撮りましょかは、(どんな会話やねん、)ですがまったく違和感なく携帯を入る前に渡しておきました。(あとから入る人たちも一様に依頼されていました)。

 湯舟はコンクリートですが底はもちろん鉄ですので、以前どこかの小屋で入ったように下駄をはくのかと思いましたが木の蓋のようなものが浮いていてそれに乗って入ります。

 イチビッテポーズなんぞつけて気色悪いショット撮ってからに(撮ってもらったんや!)(お前なあ~調子こいて気持ち悪いのやまさか載せるんやないやろなあ!)(載せてもらうよ、ええやんか冥途の土産やんか出来たら葬式の時の遺影写真にしてもらうよ)(あ~あ知らんで師匠におこられるわ)。

ゴエモン風呂ショット

 さて無事ゴエモン風呂撮影会も終わり小屋の前でくつろいでいると何やらテン場の方があわただしい雰囲気、小屋の従業員さんが全員でテントの撤収を手伝っておられます、どうやら急にヘリが荷揚げの為に到着するみたいです。え~こんな時間帯に?もう4時回っているで~しかも少しガスも出てきているしー。

お風呂から上がりくつろいでいると

 さてさてここまで今回のオヤジの山旅も順調に予定通り進んできたのですがここから歯車が狂ってきます、(なんやねん大層に、ウクライナでなんかあったんかい)(いやそおゆう問題ではなく)なぜ急にヘリが来たかとゆうと本来明日荷揚げの予定のヘリが天候不順で飛べない可能性があるとのことなんです。

 (なんで~明日は午前中晴れ昼頃から曇りで15時過ぎから雨が降りだす予定)ところがそれは下の上市や黒部の話で上部、特にこの小屋の標高2500m付近は朝から雨で大荒れになる可能性があるとのこと、あらあ~えらい話がちやうやんか~もちろんほかの登山者にも動揺が広まります。

 みんなが情報を求めて(携帯は全くつながらず有料のWi-Fiもどうやらイマイチみたいで)小屋の方から詳しい事情が説明されました、今夜から降り出し明日は午前中は小雨ないし雨、昼前から本格的に降り出しそのまま止まずに翌5日は大荒れになるとのことです、ヘリを急遽依頼したのは食料がギリギリで2日も伸ばせないとのことでした。

 ヘリは夕闇迫る17時前にライトをつけて到着、小屋の人総出で荷下ろしをして(なぜか全員女性でオーナーは留守でした)あわただしく離陸していきました。オヤジは何度もヘリの荷揚げには遭遇していますがこんな時間帯に到着したヘリは初めての体験で緊張感が半端ではなかったです。ヘリの荷揚げの為に夕食は相当遅れて18時を回ってしまいました。

 気の毒なのはテン泊していた方たちでおよそ5張ぐらいでしょうか、再度の設営、もちろん小屋の人たちも平身低頭まあこれが山小屋の現実なんですね~実は夕食、朝食、ご飯のお変わりは厳しい状況だったみたいですが、炊き立てのご飯が御櫃事食事の終了近くに出てきました。



 さて食事も終わり小屋では明日のそれぞれの行動に話の輪ができます。問題はどの程度の雨が午前中から降るかですが、オヤジは上部稜線は諦めざるを得ない状況です。愛知の女性は明日別山乗越の御前小屋まで戻る予定です、とのことですが例の真砂ロッジ手前の桟道、長次郎出合いから平蔵出会いの高巻が自信ないとのことです。

 「どう思われます」とオヤジも相談を受けましたが「ここまでご一緒してきた感じでは大丈夫だと思います」と言いましたが、どうも自信がないみたいで小屋に「阿曽原の小屋に泊まれるか?」を聞いてもらって、幸いOKがでたので明日阿曽原温泉小屋、翌日水平道でけやき平、宇奈月温泉から立山に電車で戻ることにしました、とのことです。

 オヤジは実は大反対でしたとゆうのももし本当に雨が降るのなら雲切新道を降りるのは劔沢を戻る、桟道や高巻よりももっとヤバイと思ったからです。オヤジは2年前ですか劔沢小屋から同じルートで阿曽原に向かいましたが雲切新道の激下りで時間を消耗途中ビバークした苦い経験があります、まして雨中あの激下りは厳しいものがあります。

 (実は後日になって判明したのですがこのオヤジのいやな予感は当たってしまうことに)しかしそうゆう決断をされたのですから山での鉄則(自己の判断に責任をもって行動する)オヤジがとやかくゆうことはできません。

 そのほかにもう一人ご高齢(もちろんオヤジよりはお若いですが)の単独の男性が同じく明日阿曽原に向かうとのこと。別に東京から来られているご夫婦は明日はオヤジと同じく小窓の雪渓の上部まで行ってまた戻ってきて仙人ヒュッテに泊まって翌日阿曽原に向かうとのことです。実に優雅なご夫婦でゆっくりと山旅を楽しんでおられます。山小屋を細かく渡って時間は心配ないとのことなのでうらやましい限りです。

 あと一人単の男性がおられましたが明日の行動はわかりませんでした。ただこの時点でご夫婦は雪渓に行くのは無理と判断されていました、とゆうのも劔沢を下ってくるときに平蔵の出合いの手前で高巻に備えてリュックをおろして準備した時に10本アイゼンを置き忘れてしまったそうです。小屋でアイゼン確認を言われて気が付いたそうですが、完全に氷状態なので無理ですと言われてあきらめていたそうで、明日はゆっくりと仙人池で過ごしますとのことでした。

 (実はその判断もよかったかどうかですがそれはまた後程)やはりこのあたりまでくる登山者は経験も豊富で初心者はオヤジだけとゆう感じですが、いろいろな山行の話をして盛り上がりました。(明日大丈夫なんかい)(そんな事今更心配してもしょうがないやんか)うれしかったのはオヤジも皆さんの話の山行がわかった事でしょうか本当に北、南、中央、楽しい山談議に明日の気がかりな天候も忘れて盛り上がって消灯となりました。 (夜中ものすごい雨音に、こりゃ予報は本物やあ~)。

 ⇒ ⇒ ⇒ (3)へ続く。

【 記:洛西オヤジ 】










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