京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

大文字山七廻り谷
2024.02.12

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火床から愛宕を望む

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日程:
・2024.2.12(月) 晴れ  10℃  ikomochi、M

コース:
銀閣寺道バス停~12:00 銀閣寺~登山口12:25~太閤岩~七廻り谷~昼食13:00=13:40~竜王尾根13:50~西三又14:00~火床14:10~善気山14:40~法然院15:20~浄土寺バス停

■青空の下、大文字へ向かいました。のんびりしたいので行先は未定。



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 連休の一日、のんびり歩きたいというMのお供で定番大文字へ向かった。日本海側は雪予報ながら大文字上空には青空が広がり、日差しがほのかに暖かい。

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青空の大文字へ 疎水の桜も春を待つ


 銀閣寺から登山道を進む。家族連れやグループなど三々五々歩いている。銀閣寺からずーっと緩やかな上り坂で、銀鈴水のあたりから汗が出てあーしんど。へほへほ歩いていると、下ってきた女性に声を掛けられた。「どこまで行くのですか?」「さあ特に決めてないけど裏から山頂かなあ?」「ええつ しんどいのに上まで行くんですか?」そこから話が弾んで聞くと、彼女は三井寺から如意が岳を越えてきたという。そのコースをもう40回くらい来ていて大文字は私の庭です という。裏に行ったことをあるかと聞くと、「そんな 山ログに載ってない道は怖くていけません、さっきも火床から下った千人塚で迷ってどう行けばよいか困って道案内してもらったんです」 とのこと。

 庭という割にはねー。大文字はいっぱい道があって面白いから、山ログの軌跡などあてにせず ぜひ地形図を持参で歩いてみてねーと別れた。表登山道の入り口で欧米人の親子がこれから登り始めるようで、お母さんがこどもたちに歩き方や注意事項を説明していた。えらいなあ。普通こどもたちはここから勝手に走っていくけど。

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登山の注意を受けるこどもたち 七廻り谷の古道を見下ろして


 賑やかな声が響く登山道を横目に、わたしたちは太閤岩から七廻り谷へと向かう。Mはだいぶこの道に慣れてきて、先へどんどん進んでいく。昼ご飯をどこか陽だまりで食べようということになり場所を物色していると、Mが谷の斜面の中間くらいに大きな倒木があるからあそこがいい という。分厚く落ち葉が堆積した斜面をよじ登って、小さなこぶの上に横たわる倒木に腰かけた。

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枝先が色づき始めている 尾根によじ登る


 この谷間は落葉樹の雑木林で、いまはすっかり葉が落ちた大きな樹が連なり、上から谷底に伸びる山道が見える。枝先は少し赤みを帯び、もうすぐ新芽の季節だ。小鳥の声がかすかに聞こえる静かな谷間。

 2月の初旬に102歳の義母が亡くなった。大腿骨を骨折して自由に歩けなくなり台所仕事が困難になった10年前から、Mとその弟妹3人がローテーションを組んで一人暮らしの義母を介護してきた。それでも義母は寝たきりにならず、車いすになってもデイサービスに通い続け、家での介護は朝晩と、土日だけだった。

 1月末食欲がガクッと落ちデイサービスに行けなくなり寝付いてしまったが、入院しなくてはいけないだろうかと心配したものの10日目に眠るように天寿を全うした。苦労の人生を送った人だったが、亡くなる前は子どもたちに見守られとても幸せそうな優しい顔だった。

 介護の10年の間、周囲は次々に大病をしていずれは共倒れになるのではと心配し老人ホームを探しもしたが、義弟が断固家で看ると言い張り、しかし正直義弟もみんなも限界ぎりぎりだった。孫やひ孫も集まり笑顔で見送った。102歳生きる、とてつもなく長い時間のように思える。わたしにはとても無理。

 静寂に包まれた森に座っていると、気持ちがほっこりしてたまっていた疲れが出てきた。風もなくほのかに暖かい。2人でぼんやりしていたら、谷道を下ってきた女性が私たちに気づいて見上げ、やおら落ち葉の斜面をよじ登り始めた。どこにいくのかなと眺めていると、「こんなところを上るのが好きなんです」と言いながら尾根へと向かっていった。しばらくして、上の尾根道で足音が聞こえたから無事にたどり着いたようだ。

 じゃあ と私たちも行けそうなところを探してそれぞれ尾根に登った。わたしはルートを読み間違って、最後は木の根につかまりぶら下がりながらたどり着いた。ずり落ちなくてよかった。アドレナリン放出でやれやれ。

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比叡山を望む 竜王尾根に出て


 出たところは竜王尾根の大きなこぶになったところで、すぐに山道が横を走っていた。上によじ登って立っていたら、山道を下ってきた男性が「ここでなにか探しているのですか?」と声を掛けてきた。聞くとこのあたりに百人一首の札が下がっているそうな。一度来たけれど場所を忘れたとのこと。「わたしは山鉾や百人一首や山の銘板に興味がないので知らないです」というと、山鉾は全部廻ったとのこと。百人一首を2回も制覇した方もいるとのこと。まあ みなさん好き好きですからねえ 楽しみましょうね と別れた。

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裏道を山頂へ向かう 注意書きのある西三又


 竜王尾根から火床の北側を回り込んで、上り坂を山頂へ向かった。いくつか脇道があり、この辺りは最近歩いていないので様子を忘れている。またゆっくり道探しに来ようと考えながら、表登山道の分岐点、西三又に到着。

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金輪から右のはらいを下る 冬枯れの火床を見上げる


 Mは歩いている間に体調が下り坂で、今日はもう山頂はやめて火床に下ろうか となった。火床から雪雲に覆われた愛宕を眺め、またぼっーっと座っていた。下山は善気山から法然院への道を歩いた。

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善気山 法然院へ下る


 台風で通行止め以来の法然院、きれいに片づけられた森の木々には銘板がつけられ、樹の名前を楽しみながらくだった。いつもながら楚々とした佇まいの法然院の門を眺めて心が落ち着いた。その時々の状況に応じてルートを作れる大文字山は、やっぱりいいところやなあ。

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法然院の森 樹木名を楽しめる


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法然院墓地が取付き 静かな佇まいの法然院


 最後は百万遍の銭湯&王将の餃子とビールの山の定番コースに行き、Mも体調が戻ったのか元気が出たと喜んだ。癒しの山旅でした。

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定番餃子で乾杯




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