圓通寺借景の前庭 比叡山を眺める
日程:
・2024.7.20(土)晴れ 38℃ ikomochi
久々に大文字にでも行こうかと出町柳に来たが、丁度昼前で、駅前のかねてより気にしていた蕎麦屋を覗いた。小さな店で少し待って入店。おいしい手打ちそばをいただき満足して、外に出たが、真昼のぎらぎら照りつく太陽にくらくらっとめまいがした。これはあかん、山に行っている場合じゃないかも と、涼しさを探しにとりあえず目の前の叡電に飛び乗った。
路地の奥に | 3段重ね手打ちそば |
観光客でいっぱいの車内で思案、貴船鞍馬も人が多そう。窓外を眺めていて、そうだ!こんな時は圓通寺から比叡山を眺めるのもいいかも。急遽最寄り駅で電車を降りる。
叡電精華大学前 | 古道鞍馬街道を歩く |
洛北岩倉の気温は市内より低め。なによりもわっとした熱気がない。目の前のこんもりした小山を目指して川沿いの道を歩く。古い民家が立ち並ぶ鞍馬街道の古道は静かで、のんびりぶらぶら歩く。
愛宕信仰のお地蔵さん | 圓通寺ご門 |
圓通寺は20年前に来たくらいで久しぶり。よく手入れされた門前から鮮やかな百日紅が咲く玄関へと向かう。目当ての借景のお庭を眺める本堂には、数人の先客が座っていた。いましも住職のアナウンスによるお寺の説明がされていた。
百日紅 |
由緒 |
窓 |
広い畳の間に座り、目の前にそびえる比叡山を眺める。後水尾上皇はいたく気に入り、このお庭をもとに、さらなる修学院離宮を造営したという。丁度本堂に座った視線の先に、生垣と立ち木とが絶妙に配置され、さながら額縁の中に納まる比叡山の姿にはほれぼれする。
比叡山 |
額縁 |
人も去り一人になったので、吹き抜けの縁側に寝そべってごろごろ過ごした。すこうし汗ばむくらいの温度だが、時折風が流れてくる。住職の説明アナウンスを最初から聞きたいものだと待っていたら、1時間後にテープが回り始めた。
広い縁側でのんびり |
お寺の由緒はさることながら、 周囲の土地開発や高層建築物建築からこの雄大な景色を守るための奮闘は、頭下るお話だった。 かつてこの近く一条山が違法開発で削られモヒカン山として京都の乱開発、景観破壊で大騒動になった。削られた部分はもとには戻らなかったが、裁判での結果開発は取り下げられた話は有名である。しかし18年もかかった。
開発の嵐は圓通寺もほってはおかれず、京都市の眺望景観創成条例が2007年に制定され、圓通寺の「庭園からの眺め」は規制することになった。だが、周囲にはひたひたと開発の波は押し寄せていて、なかなか気を許せない状況にはあるようだ。
石組 | 東司の手水鉢 |
圓通寺のような壮大な景色を取り込んでの借景は、類をみないであろう。大切にまもり続けたいものである。https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000281/281297/34.pdf
お庭でごろごろ過ごして気持ちもほっこり。丁度やってきたバスに飛び乗って上賀茂へと廻り、御園橋の「サカイ」で名物冷麺に舌鼓。猛烈な暑さからしばし逃れたよい1日でした。
圓通寺前バス停 |
御園橋から北山 | サカイの冷麺 |