京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

寂光院道~百井峠
2024.04.6

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山にはタムシバの白い雲

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日程:
・2024.4.6(土) 曇 20℃ ikomochi

コース:
国際会館駅前バス10:17発→大原10:39着=10:45~11:10出発~寂光院11:30~寂光院道分岐11:50~翠黛山分岐12:30~焼杉山分岐13:00~シャクナゲ尾根分岐~天ケ岳分岐15:00~百井峠16:00~百井別れバス停16:45~古道橋バス停17:40=出町柳行きバス18:36


MAP


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 御所や木屋町のお花見が終わると、今度は里の山桜、そして大見尾根のタムシバの花の開花が楽しみだ。そろそろ時期やなあ と計画を立てようとバス時刻を調べたら、なんちゅうことや!広河原行きバス出町柳発10時が廃止されて一日2便の往復になっている。

 出町柳7時50分発に乗るにはちと朝の時間が厳しい。でも大見尾根には行きたい。地図を眺めて、そうやん 大原から花脊峠に向かえばいいやん と決めて出発。

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1_2比叡山に山桜咲く 1 菜の花畑がのどか


 観光シーズン前の大原は人が少ない。満開の山桜が山を飾り、春が来たなあ。寂光院道へと川沿いの菜の花畑を歩く。春や!と写真を撮っていると、道端に黄色い袋がポツンと置き忘れてある。子どもの持ち物のようだがと、拾い上げて中を見ると、なんじゃこりゃ 大人用の分厚い財布に鍵が。びっくりして持ち主特定できるものがないかと財布をあけたが、いまいち見当たらず。バス乗車券やいろいろ入っていて、きっと探してるやろうなあ。

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大原川の桜 クサノオウ


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すみれ 紅梅

 急いでバス案内所に引き返し相談したら、窓口の女性がさっき問い合わせ電話があったとこです。バス案内所で、近くの交番に届けてもらうようにお願いして、先を急ぐ。この顛末をokaokaの道子さんに話したら、前日この道を下ってきた道子さん、そういえば昨日も黄色い袋があったわ とのことだった。無事に持ち主の手に戻ればよいのだが。

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かわいい道標 柴漬け作業所

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柴漬け桶の倉庫 翠黛山のとりつき

 思わぬ時間をとったが、あとはのんびりと里山の春を愛でる。寂光院の近くの柴漬け製造屋さんを覗いたり、寂光院の苔のお庭を覗いたりと山の中に入っていく。林道が広げられ沢にはコンクリートの頑丈なダムの擁壁が建設中で、この古道も様変わりしていく。

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寂光院の庭園 巨大な擁壁建設中

 しばらくして沢沿いに古い林道が現れ少しホッとする。そのまま石ころだらけの林道を直進してしまい、天ケ岳への古道分岐を通り過ぎそうになった。沢沿いの直進する林道の方がはっきりしているので、ここは間違いやすいかも。

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涼やかな沢が始まる ネコノメソウや苔

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よく歩かれた古道 百井峠へ 分岐

 急斜面をじぐざぐに登る山道はよく掘り込まれていて歩きやすい。途中で下ってくる人に出会う。1組は翠黛山から、もう一人の単独行はミチバタ谷から焼杉山周回とのこと。焼杉山への直登の道はいかがでしたか?と尋ねると、途中道が無くなって迷いそうになったけれどなんとか登れました、でも急登りでたいへんやった とのこと。わたしもまたチャレンジしてみますねーと別れた。

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斜面をジグザグに急登りしていく 翠黛山との分岐

 そしてまたまた今度は男子高校生、そのあとから女子高校生のグループ、鞍馬から天ケ岳を経て焼杉に回って来たと元気に下っていった。若い人たちはすごいパワーやなあ と見送った。分岐からは天ケ岳の東俣の谷を見下ろしながら、狭い尾根をトラバースしていく。

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天ケ岳を望む 東俣の谷を巻いて

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袋茸 すみれ


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シハイスミレ ヒサカキの花

 対岸の天ケ岳東面には白い塊が点々と見える。あれはタムシバの花や!!翠黛山金毘羅山の谷側にも白い塊が点々と続く。山桜もきれいけど、満開のタムシバは素朴で好きやなあとしばし見とれていた。水平道の寂光院道、谷側にネットが張ってあり無粋ではある。しばらくするとネット地帯脱出。

 山道には山つつじのトンネルができている。まだ若葉色のつつじには蕾の姿が見られず。もうすぐ開花やのにどうなっているのやろ?きょろきょろしながら歩いていくと、花の姿はやっと樒の黄色い花を見つけただけ。

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焼杉山分岐 水平なユリ道が続く

 谷側の道端に薄いピンク色のイワウチワが群れて咲く。花は日当たりの良い谷の急斜面に向かって花びらを広げているので、写真を撮るのに一苦労した。こんなにたくさんの花を見たのは久しぶり、嬉しくて道端から身体を乗り出してパチリパチリ。もう少し先の岩尾谷源頭の尾根にもイワウチワの群落があり、こちらも花弁を覗き込んで堪能。

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イワウチワ 小出石分岐

 この源頭部の急斜面、うっすらとふみ跡がある。okaokaさんが久々歩いてみたら途中で道が消えていて、急斜面の藪を苦労してよじ登ったばっかりだ。上から見たらけもの道はあるけど、途中でどうなっているかは不明。

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岩場の道 水平道から一気に登ると

 イワウチワにタムシバと、期待していなかった花たちに出会えてルンルンだが、大原を出てからひたすらに登る一方で、おまけに気温も上がって暑くてしんどい。大原標高229mからじわじわ登ってシャクナゲ尾根分岐で604m、この400m弱差は結構きつい。地図を作成して改めて知ったが、大原から花脊峠って思ったよりもロングコースだ。

 シャクナゲ尾根分岐のあたりから東の谷は一面シャクナゲの森になるのだが、枝先に花芽がほとんどなく、つつじといいシャクナゲといい、今年は不作なのだろうか。

 岩場の道は危なっかしく崩れ、ロープを使ってよじ登る。狭く崩れた山道の雪時分は、きっと恐ろしいかも。ここらで、鞍馬から天ケ岳を回ってきたという男性に会った。ずっと登りで疲れました と下って行った。やっとこさ大見尾根を見渡す尾根にたどり着いた。吹く風が一変してひんやり冷たい。

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大見尾根を見渡す尾根に登る 尾根を越えると温度が違う

 眼下に広がる百井集落の周囲には点々とタムシバの木々が広がるが、目線を遠く上にやると、北の大見尾根はまだ冬枯れの木々がふわっと白く続く。その中に真っ白の塊はないかと探すが、開花したタムシバは見えない。天ケ岳の尾根を南北にはさんでこうも気候が違うとは。分水嶺の花脊峠を越えると別世界、とはよう言うたものだ。

 大見尾根の白く輝くタムシバロードを眺めたい一心でここまで登ってきたが、まだ冬枯れの峰をみて気持ちがくじけた。花脊峠までは百井峠からもうひと登り頑張らなければいけないけど、まだまだ200mほど続く登りはしんどい。やーめた!撤退決定は速攻。

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タムシバは大見尾根は咲いていない 百井峠のお地蔵さん

 百井峠までの下りのユリ道は日陰で薄寒く、ここにあるイワウチワの群落は小さな蕾が縮こまってついている。百井の車道に出て、百井峠のお地蔵さんに挨拶して、すごすごと車道を下った。ふと見ると、山のへりにイワナシのピンクの花が見えた。わーい、イワナシ。

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イワナシ 百井峠地蔵堂


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南の尾根はタムシバ満開 鞍馬川源流

 急坂が続く百井峠、下りを踏ん張って歩いていると膝がいたくなる。車道歩きは苦手やわ。なんとか百井別れのバス停にたどり着き、バスの時間まで2時間はあるので車道をとぼとぼ下る。

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百井別れバス停 花脊峠道の改修工事は進む

 2017年18年の台風倒木で被害甚大だった花脊の道は、着々と復旧工事が進み、狭い道は拡幅され崩れたのり面にはがっちりとした擁壁が築かれてきた。道路わきの沢を覗いていたらクリンソウの葉が見えた。確かめに水辺に立つ。おおー 白い花弁のハナネコノメソウやヤマネコノメソウも咲いている。そして杉の落ち葉に混ざってミヤマカタバミの白い花も見える。土砂崩れで一時はどうなるかと心配したが、自然の回復力は微々たるものでも確実だなあと、暖かな気持ちになった。

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ハナネコノメ ヤマネコノメ


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ミヤマカタバミ マメザクラ

 古道橋のバス停近くでマメザクラの花が満開だった。刻々と夕闇に包まれていく白い花たちを見上げながら、コーヒーを飲んで一服。

 バスの時間まで1時間ほどあるが、もうここらで歩くのは中止しよう。6時36分杉木立の向こうにアニーローリーのメロディが響き、ヘッドライトがまぶしいバスが近づいてきた。待ってたよー と手を挙げて、停まってもらった。やーれやれ 今日もよう歩きました。

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待ってたよー




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