京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

鏡山新道
2024.06.22

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大雨の後で増水     鳴谷池

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日程:
・2024.6.22(土)晴れのち曇り雷雨  ikomochi

コース:
・京都駅11:37発→野洲駅12:09着=12:40発アウトレットモール行きバス→希望ヶ丘リッチランド12:59着=13:15鳴谷コースへ~鳴谷池14:00=14:30~善光寺川源流域へ~S120分岐 14:55~S110鏡山新道コースへ15:10~S70 15:50~S60 ~S50 16:20~希望ヶ丘青年の城 16:50=17:10~東ゲート(タクシーを呼ぶ)→野洲駅18:01→京都駅18:36

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 お天気が良いので少し足を延ばして鏡山方面に出かけた。平日はせわしないが土曜なので朝の老老介護は少しゆっくり時間を取り、老母の話を聞いたり老犬を日向ぼっこさせたり。出発の時間は昼前になったが。はてさて いかが相成りましたでしょうか?

 琵琶湖線に乗り、瀬田の陸橋を渡るころびわ湖と比叡比良の山波が広がる。ちょっとした旅気分でうきうきする。野洲駅のバス乗り場は行列で、アウトレットモールに行く人たちだろうか。リッチランドバス停で下車、住宅地の横に広がる芝生公園の片隅に、まだ新しい青竹としめ縄で結界が張ってあり覗きに行く。その奥には祭祀場らしき祭壇もある。すぐ隣にある石部神社(いそべじんじゃ)の神様なのだろうか?滋賀県は古代史からの古い土地で、地域ごとの祭神が各所にあり今も大切に守られている。なになのだろうか??

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瀬田川を渡る小旅行 野洲川も渡る

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結界が張ってあるので なにやら 斎場(薬師の山の神様だそう)

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勧請縄のある石部神社鳥居 広い湿地の一隅に社がある

 後日ネット検索したら、石部神社の由来はすぐに見つかったが、祭祀場の由来がなかなか見つからず。しかし、ひょっこりと検索に引っ掛かったのはWocchan's Websiteによる山の神と野神というものだった。https://myagi.jp/ja/html/travel/travel_index.html#shiga

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七里の山の神(Wocchan's Websiteによる) くさっぱら

 リッチランドの公園にある祭場は、薬師(くずし)の山の神を祭ってあり、石部神社から鏡山に向かって笹の道を行った先の広い湿地の一角にある小さな社は、七里の山の神の祠という。ちなみに石部神社は969年に鎮座された古い地元の神社で、いつも境内は清々しく掃き清められ建物もよく手入れされて大切にされているなあと感心する社である。鳥居に束ねて吊るしてあるのは勧請縄(かんじょうなわ)といい、村境(地域・地区の域内・外のさかい)に、呪物を付した注連縄を張る習慣だという。神社の近くには砂山古墳群があり、古からの地でもある。

 広い芝生を眺めていると、なにやらピンク色。あっ モジズリだ。家の近辺は草刈り清掃でめっきり姿が減ったけどここにはたくさん咲いている。地面にはいつくばってレンズを合わせ。そうやって眺めていると、ニワゼキショウの群れも。

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ヘクソカズラ 沢沿いの道を歩く

 住宅地の端を通り、鳴谷コースへと向かう。小さな沢を伝っていく道で雨の後などは水たまりが多い。ネットで手に入れた田んぼ用の長靴持参。折りたためて軽い。履き替えて、水濡れも気にせずずかずかとぬかるんだ沢道を進む。雨上がりで蒸し暑いけれど緑いっぱいの道は気持ちよい。今日はハイカーは少なくすれ違うグループはまばら。というか 私が時間に出遅れているのですね。

 2時に鳴谷池畔のあずまやに着き、お弁当を広げる。先週の大雨で池の北側にある小池が増水で繋がっている。増水時用のう回路を使わなくてもよさそうだが、橋を渡る。

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水辺を歩くので長靴持参 六甲縦走弁当で腹ごしらえ

 池の北側を回り込んで善光寺川源流域に入る。山道は幾度も沢を渡渉するので、長靴は便利だ。去年はこの源流域から鏡山新道をよじ登り山頂に行ったのだが、今日は反対側が気になる。希望ヶ丘文化公園に抜けられるらしい。S120の標識に東ゲートとあるから行ってみる。

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渡渉を繰り返す 長靴で正解の小道

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S120の分岐 気になっていた古い標識

 すぐに斜面の登りになり、岩だらけの道をよじ登ると尾根道に出た。S110標識と鏡山新道の道しるべがぶら下がる。ここから道を左に取り、よく開けた小道を快適に歩く。ミツバツツジの茂みが多く春先は美しいかも。道はSのナンバー標識が続き、番号順に追っていく。道の傍らには時々大きく茶色の岩の塊が現れる。地図によれば「だんご岩」というものがあるらしい。きょろきょろしながら歩くものの探し出せず。

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尾根へと登っていく ここは鏡山新道という  S110分岐

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←東ゲートへ  S110分岐  鏡山へ→

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明るい尾根道を進む なにやら大岩が

 いつしか尾根の北側向こうに建物群が見え、あれが希望ヶ丘の施設かな。しかし思いがけずに谷と尾根が襞状につながった山域で、簡単にささっと越えていけそうもない。歩いているコースは尾根をぐるっと回り込んでいる。見晴らし台の標識があったが、立ち寄らずそのまま道なりに進む。

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向こうの尾根には建物群が見える またも大岩

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S90 おだんご岩ってどこだ?

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地下足袋に履き替え 木立の間から西の山波を眺める

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展望地との分岐 S60

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三上山を望む 道は次第に怪しげになってきた

 ここらで道は少し怪しくなり、ふみ跡も右往左往して谷へ下ってみたりし始めている。とりあえずは本道と思われる道を下り、谷間の上部に出た。古めかしく字も消えかかった標識に「松谷」と読めるので、そうかここを下ればいいのかなあ と眺めるが、この谷がとっても怪しい。

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ふみ跡は羊歯の中に続いているが 背丈の羊歯を泳いでいく

 巨大な羊歯に覆われていて道なのかなになのか判別つかない。思案して眺めていると、かすかに羊歯をかき分けてけもの道の跡があるので、ままよと羊歯の海に突入。背丈ほどの羊歯の足元に、かすかな流れがあり、どうもその流れに沿ってふみ跡がある。足元を探っていると確かにふみ跡と思われるので、探り探り進む。蛇とかいたらいややなあ。

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古いテープだ 羊歯海脱出

 ところどころ古く色あせたテープもあるので、迷いながらも緑の中をかき分け泳ぐ。ほんと、泳ぐって感じです。こんな羊歯群は北山にはない。ジェラシックパークや。いったん山道に出てほっと一息、また羊歯海に突入。やっと脱出したときには、汗びっしょりだった。

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普通の道に出てほっ S40

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ウオークラリーAコースに出た

 雨の時とか雨の後とかだとずぶぬれで、ここは最悪だろうな。谷から流れる小さな沢沿いに渡渉して下ると、ウォークラリーコースの標識があり、きちんと作られた橋があり、ちゃんとコースに出たようです。

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橋を渡り 車道に出た

 すぐに林道に出て、左右どっちか迷ったけれど左に歩いて行ったら、ひろーくて平らな芝生公園に出た。16:50向こう側に建物が見え、あーやれやれここまでくれば帰れると安堵。

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草地の向こうに建物が

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青年の城に到着

 巨大な建物群は青年の城といい、バスもありそう。広い建物の中に入っていくと受付があり、「あのう 野洲駅に行くバスはどこでしょうか」と指導員らしき男性たちに声を掛けた。「バス??あー もうゲート前出発はないよね、最終バスは17時過ぎだけど、ゲートまで4キロあるよね。4キロ歩いてそこから駅まで歩くか」「これから野洲駅だと、アウトレットモールに行くしかないね」「ええええーやっと鳴谷池から山越えで来たのにまた戻るんですかああ」「いや 車道があるから。。。」困り果てる私に「このおばさん なんだこりゃ」の表情で眺める男性たち。

 諦めてとぼとぼと、ゲートを目指し、さあて 車道を1時間歩くかなあ。。。と思案。天気予報では滋賀方面は6時以降降雨だったのに、4時過ぎから雷が鳴り空模様が怪しい。ぽつぽつと大きな雨粒も落ちてくる。どうしようかなあ? はっとひらめいたのはタクシー。すぐに野洲駅のタクシー会社に連絡をした。

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晴れてたらいいとこだけど 雷雨

 いまタクシーは出はらってるんですよねえ とつれなかったが、「希望ヶ丘の青年の城で困ってるんですーー」と哀願したのがよかったのか、すぐにタクシーを手配してくれることになった。携帯ってありがたい。雨脚がきつくなったころタクシーが迎えにきてくれた。駅まで30分弱、運賃の高い滋賀県ではいくらかかるだろうと腹をくくったが、5200円だった。あれからてくてくアウトレットモールまで歩き、バスで駅に出てたら何時に帰れただろうか。

 18時過ぎの快速に飛び乗って京都は18時半。5000円は非常に有益な金額でした。が、遅い時間から思いついて知らないコースは歩くものではないと、つくづく反省もしたのです。でも、北山の迷い道で鍛えられた嗅覚はなかなかの経験ではあるな と、いつもの反省会のビールが喉にしみたのでした。

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ビールで喉を潤す ほっ

 今年の芥川賞に松永K三蔵さんの「バリ山行」があり、六甲山を縦横に駆け回る男性たちの物語とあるので、さっそく読んだ。作者自身が六甲のバリエーションルートを歩き回っている山好きといい、歩いている人の気持ちがびしびし伝わった。高揚し共感した。ただし、作中の男性のような無茶ぶりは絶対にしないし、そもそもできないけれど。キャッチコピーは、「空前絶後の純文藪漕ぎ小説」。お薦め。

 *あの巨大羊歯の名前は 調べるけれど まだ特定できてません。



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