京見峠から市街遠望
日程:
・2024.5.11(土) 晴れ 28℃ ikomochi
コース: 出町柳発鞍馬行き→貴船口→貴船行きバス→貴船11:56着~奥貴船神社~滝谷峠口14:00=14:20~芹生地蔵堂15:10~芹生峠15:25~芹生16:10~旧花脊峠17:10~旧道別れバス停出町柳行き18:00発→出町柳着19:30 |
五月晴れの空が続く。ぶらりと叡電に乗り、貴船に行った。GWよりは少ないのだろうが、外国人や日本人の観光客で賑わっている。貴船口から貴船までのマイクロバスはピストンで運行しているようで便利になっている。
貴船神社への道 | あまご釣り人 |
貴船神社 |
とりあえず奥貴船神社まで行ってその先を決めようと、料理屋が立ち並ぶ貴船川沿いを歩き始めた。夏の名物、川床がもう設置されて床料理を始めている店、鉄パイプを組んで設置準備中の店、貴船の賑わいはまだ本格的ではないが、そぞろ歩きの人波が続く。
川床の準備が始まっている | 営業開始の店も |
去年だったか、やはり同じころにぶらりと貴船に歩きに来て、昼過ぎで川床の客ががらがらになっていたのでこんなチャンスはないかもと一軒の店に降りたのはいいけれど、あまりの心地よさに鮎の塩焼きをあてに一合やっちゃったもので、すっかりふらふらになって目的地の芹生峠まで歩いていけず。途中の川原で昼寝してヒルに食われて、リターンの過去あり。
今日は途中で引っ掛からないぞと固く決めて歩く。が、その前に、川床の料金は目をむくほどの高騰。去年は高くてもランチ3000円だったけど、今年は1万円が普通、5000円越えでも安いほうなので出来心では寄れません。 14:00奥貴船神社を越えた川原で休憩して、さてとどこに行こうかな?
川床はいいお値段(最安値これ) | 風情あるけど |
オダマキ | ミヤコワスレ |
ヒメヨツバムグラ | ウワバミソウ(ユッキーさん調べ) |
先ほどすれ違った男性2人の登山者は滝谷峠から下ってきたといい、もう怖くて怖くてやっとの思いで谷を下って来たと言う。滝を眺めるどころではなかったそうな。滝谷の荒れ様は噂に聞くけどそんなにすごいのか?ちょっとそこまでの気軽さでは無理やな と、滝谷峠は×。
今日はお酒も入っていないので芹生峠には登れるだろう、久々行ってみるかと、急坂の峠道を歩き始めた。この峠道も台風の被害で倒木が激しく、伐採した跡地がむき出しのままになっている。
滝谷峠分岐 | 芹生峠への道 |
それでも杉木立の中に入ると涼しくて、汗をかきかき歩いていく。後ろからはっはっはと荒い息が聞こえ、自転車マンが坂道を漕ぎ上って行った。貴船川の源流域にはクリンソウが咲いている。ぶらぶらと山裾の草むらを眺めながら峠の地蔵堂までやっとたどり着く。
ノミノフスマ | 貴船川源流へ |
上から足早に下ってくる外人さんは、芹生峠で折り返してきたという。地蔵堂で一息入れて、峠までの急坂をあとひと踏ん張り。また上から中年のグループが下ってきて、聞けば滝谷山から縦走して下ってきたそうな。これから花脊峠に行こうかなと思案中というと、これからですかあ!と驚いていたが、みなさん賑やかに下っていった。
ムラサキサギゴケ | 芹生峠地蔵堂 |
峠のお地蔵さん | テンナンショウ |
15:30芹生峠から芹生の里へ。住む人も減って静かだが、風情は変わらず。庭先で働いていたおじさんが、どこから来たのか?と声を掛けた。「貴船から花脊峠に行くつもりです」というと、「ご苦労さんやなあ。ここから花脊峠は1時間半で行けるで」と教えてくれた。
芹生の里入り口のお地蔵さん | 芹生へ |
花脊から下ってきたことはあるが、逆に登ったのは今回初めてなので、所要時間がどれほどか頭に入っていない。1時間半でいけるなら最終出町行きバスに乗れるな。それならば、貴船に帰らず花脊峠を目指そう。
灰屋川沿いの細い林道は程よく荒れていて山里の道らしい。今も残る黒田小学校元芹生分校は、ザ昭和の小学校の懐かしさが溢れている。いつまでも大事に残してほしい。
芹生分校跡地 | まだ開花なし クリンソウ群生地 |
進むほどに小鳥のさえずりが谷間に響く。去年の夏はアカショウビンの鳴き声を聞いた。今年はまだ時期が早いか。クリンソウ群生地の横を通ったが、ピンクの花はひとかけらもなく、谷あいはまだ冷えるとみえる。
少しづつ道は勾配が上がり、陽がさして明るい沢筋にやっとクリンソウが10株ほどピンクの花を開いていた。初々しい乙女のような花たち。登るほどに、花開くクリンソウが増えいつしか沢は消えた。
クリンソウ姉妹たち | 若葉がいい |
荒れた花脊小屋を眺めながら石ころ道を登ると、もうすぐ分水嶺尾根分岐に着く。いつも思うけれど、この花脊小屋を足場に皆さんどんな山行きを楽しまれたのだろうか?とってもマニアックだったのでは。話を聞いてみたいものだ。
花脊峠への道 | 花脊小屋 |
分水嶺尾根のとりつきが京見峠で、京都の市街地が一望できる。かつて、NHKドラマの芹生の里を舞台にした「花ぐるま」で、バスを降りてから峠道を登っていくと京都の町が見えるというシーンがあり、なぜかそこははっきりと覚えている。すごい山の中なんだなあと思ったものだ。わたしも主人公親子と同じように、京の町を足元に眺めた。
分水嶺尾根へのとりつき | 寺山峠への古道 |
花脊峠の地蔵堂にお参りして、天狗杉から花脊峠に登るのはやめて分岐を旧道別れに出た。山水が流れ出る沢には、一本のクリンソウが花をつけていた。コーヒーを淹れてのんびりとバスを待った。ゆったりと時が流れる穏やかな山歩きだった。
旧花脊峠の地蔵堂 | ひっそりと咲いている |