京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

堂満岳
古崎川源流の旧道を辿って
2025.5.3

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ヤッホー 待っててや

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日程:
・2025.5.3(土)晴天 22℃ ikomochi

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・京都駅9:48発湖西線快速→堅田乗り換え→比良駅10:23着~ニンフの池11:40=12:05~桜のコバ12:15~イン谷橋12:25~古崎川源流旧道へ12:30~渡渉地点13:10~13:45ノタノホリ=14:00~東稜道~古崎川源流出合14:30~東稜ノ頭15:00=15:10~東稜道~ノタノホリ16:45=16:50~桜のコバ17:25~イン谷橋17:35→車に乗せてもらい比良駅へ17:50=17:56発→京都駅18:33着
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 爽やかなGW、気温も高すぎずからっとした五月晴れの日々。正月以来ゆっくりと山歩きの時間が取れなかったが、やっと比良へ行くことに。今年はシャクナゲが当たり年と聞くので、堂満に行こうかな?

 この間、毎週末金曜日の夜は残業後お疲れさん会をやって、帰宅は11時過ぎ。早朝出発のバスにはとても起床する自信なく、ついつい遅がけの出発となってしまう。比良ならばコース取りはいろいろやし、下山さえすれば、JRの時間を気にする必要もない。問題は、近場でうろついてばかりで急斜面をよじ登ったり下ったりがほとんどなかったこと。足腰がどこまで耐えられるものか。

 朝目覚めて、気分も体調も山登りモードなので、どこかまでは行けるやろ。(前夜寝る前とか当日起床時に、全身行こう!モードじゃない時はさっさと予定変更します。これが単独行の一番良い点かな)

 大混雑の京都駅から、湖西線で比良駅へ。サンダーバード号が増発で、発着時間に遅れが出る。蓬莱や志賀駅でハイカー、観光客そして帰省客が次々に下車し、比良駅は成蹊スポーツ大学の学生たちが乗降すると車内はがらがら。比良駅は無人化されて窓口にシャッターが閉まり寂しいかぎり。イン谷行のバスもついに運行終了となった。駅前の大きなロータリー広場が完成したが、風景はさほど変わっていずにほっとした。

 毎年駅や高架下で巣作りする燕たちだけが今年も変わらずやってきて、せわしなく啼きかわし飛び回っている。今日は黄砂の影響が少ないとみえて、琵琶湖の対岸の近江富士や長命寺山、遠く鈴鹿の山並みも望める。比良連山の山々もくっきりと青空に峰々を突きあげて、新緑できらきら光る。

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対岸の山並みもくっきり

 駅前の田圃ではレンゲ畑の蜜を吸いに来た雀たちや、耕作地を高く飛び回るひばりたちで賑やかだ。道端の花を探したり春の野の景色を楽しみながら、イン谷への道をたどる。

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駅前にロータリー完成 レンゲ畑 蜜を吸う雀たち

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珍しい麦畑 もうすぐ麦秋 畝が曲がってるけど。田植えの季節

 後方からザッツザッツと靴音が響き振り向くとザックの男性が急ぎ足でやってくる。八雲でテン泊だろうか、シートやら背負っている。今日は登山者多いやろうね。わたしは急がないのでぶらりぶらり。住宅地を抜け北比良地区財産管理林の森の近くに来ると、日当たりのよい草地はわらびがにょきにょき。

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お地蔵さん 行ってきます 樹下神社

 これは素通りできぬ。せっせと摘んでいると、前方から男性3人が大きな袋を重そうに抱えてやってくる。わらびが顔をのぞかせている。「ゆうべの雨でわらびがよく出た」とニコニコ顔の男性たち。「わたしも山に行かなあかんのに、ここで引っかかってるんですよ」とあいさつしながら別れた。

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比良駅の道 袋いっぱいのわらびを抱えて

 そして最後に立ち寄る場所は、桜のコバへの道の途中にある水路の池(自称ニンフの池)です。晩秋の紅葉に囲まれた池もよかったけれど、若葉に囲まれた透明な池も澄み切った空気がいい。弁当を広げ、水路にドドドッと流れる大きな水音に包まれながらのんびり休憩。

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湖西道路をくぐり 若葉のニンフの泉

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六甲弁当 桜のこば

 さあてと、今日は初めて歩いてみるコース、古崎川源流の旧道に行きますか。「倒木が多くてたいへんやった」とユッキーさんに聞いているけれど、古い道は大好きなのでわくわくします。石ころで歩きにくいイン谷への道を桜のコバ、イン谷橋へと向かう。

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イン谷橋から正面谷方面 適当に尾根によじ登る

 旧道へのとりつきははっきりしないけれど、とりあえずはイン谷橋の南詰め横に伸びる支尾根の先に取り付けばよさそう。登りやすそうな場所を探して、結局最後は木の根を捕まえて腕力でよじ登る。おー、尾根の上には細いけれどはっきりと山道が続いている。倒木もあるがいうほどのことはなく、山仕事の人がよく通っているのではと思う気持ち良い道だ。

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尾根には道が走る 倒木もあるけど

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なんと 快適や 保安林標識がある

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この下に車道・駐車場がある 分岐だろうか?

 辿っていくと木の根元にイワカガミの群生があり、花はまだ2株しかつけていない。ピンク色がなんとも優しい。尾根のあちこちにふみ跡があり辿っていくのも面白そうだが、まずは様子を確かめないことには。道なりに進んでいくと、大きな岩の下に車道が見えた。正面橋を越えたあたりか、下りやすそうなところもあったので、ここも取り付きか?

 高い木々に囲まれた道は下草もなく広々と明るい。保安林と書かれた標識や、鋼鉄製のタンクのようなものもある。いい場所やんかとルンルンで歩いていくと、道は左右に分かれる。右は尾根上に伸びており、左はよく歩かれている山道で緩やかに下り坂。4本の大木が立つ。分岐の下り道は川沿いを巻いて延びているので、そのまま進んだ。

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テープの方へ進む この道へと進む

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分岐 左側は沢へ下る いい山道やん

 しかし、道はどんどん尾根を離れ、向かおうとしている堂満岳ははるか彼方へと去っていく。もしかしたらこれって?ノタノホリの山を登るってこと?次第に水音が聞こえ、最後は沢に出た。渡渉していると、対岸の山道を下ってきたご夫婦に会う。二人は出会ったことに驚かれ、ほっとした顔になった。

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道の左下に沢が現れ 渡渉する

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渡渉地点の奥には堰堤がある 植林地の山道を登っていく

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だいぶんと登ってきた 登り詰めて登山道に出合う

 「ノタノホリの登山道から来られたんですか?」と尋ねると「??? 多分そうだと思います」と奥さんが自信なさそうに言った。「この先の道はちゃんとした道でしょうか?」と尋ねるので、危ないところはなくいい道ですよ。川沿いに右側へ行くようにすれば迷わないですよ。ただ最後の降り口がわかりにくいので、上からのぞき込みながら車道を探してくださいね」と伝えた。あーよかったと、二人は沢を渡っていった。

 対岸の植林地の中をジグザグに登る細道。手入れされた大きな杉の木、養生の紐が巻いてあり、ピンクのテープがひらひら下がる。人の手がよく入っていそうで、日当たりのよい山道も歩きやすい。時折道は分岐を繰り返すが、どこかでまた出合っている。

 最後は急な道をよいしょと登ると、目の前の広場に寝そべる人影があった。近寄ると中年のご夫婦だ。広場の向こうには、ノタノホリの水面が広がっていた。やっぱりなあ、ノタノホリの直登の道に来てしまったようだ。

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ジュンサイが芽吹くノタノホリ ジュンサイ

 いきなり現れた私に驚くご夫婦、「下から登ってきたけれどどこから来たのですか?」と聞くので、「下にある源流の川から上ってきたのです」といってもぴんときてない風。話を聞けば初めて比良に来たそうで、青ガレから堂満山頂を経ての下山途中とのこと。

 奥さんは携帯を一所懸命眺めているし、旦那さんはハイキングブックにかじりついている。よく歩いているわけではなく、比良も初めて。奥さんはヤマップを見ながらここまで歩いてきたという。「ヤマップは歩いた人の軌跡なので、むしろ昭文社の比良という地図を見ながら登った方がいいですよ」というと、ふたりとも怪訝そうな顔をしている。

 しばらく話していたが、「さあ 行こうか」と旦那さんが立ち上がり、山道へとすたすたと去っていった。ところで、そっちの道は登山道だっけ??あまりにも自信たっぷりに二人が歩いていったので、わたしもそっちでよかったけ??? と戸惑い、声をかけなかった。

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東稜道を登る 源流域と東稜道の出合い

 さて、標高差200mあまりの急斜面をよじ登ってきたので疲れた。堂満山頂への登りと同じやん 、今日はとりあえず山頂はパスして、東稜ノ頭までは行こう。その先は時間と体力が許せば。14時にノタノホリを出発、掘れた道をちょっと尾根に登るとその先はほぼ水平道を辿る。

 次第に下り坂になり、右側に石ころに覆われた広い沢の源頭域が現れ、旧道との出合に着いた。尾根道ですれ違う人たちと話しをした。一人歩きで比良は慣れていそうなおじさんたちに声をかける。源頭部から旧道の入り口はどこか知りたかったからだが、3人聞いたけれど、神璽谷、釈迦、ルンゼを登ってきたどの方も知らなかった。マイナーコースなんやな。

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ロープが張られた古崎川源流の道 源頭部を詰めていく

 下ってくるグループも多く、シャクナゲの様子を尋ねると、どの方もきれいやった、最高やった、人は多かったと口々に教えてくれた。今から登るの?と出会う人たちに心配そうに声を掛けられた。「いえいえ、この時間ですしとりあえずコルまで行くつもりです」というと安心された。

 苔むした大岩が転がる源頭部を登り、斜面の下に着いた。さあてと、ここからが正念場。この急坂を登るのは何年ぶりだろうか?休憩して気合を入れなおして歩を進める。つづら折れの山道は、足を進めればなんとか上まで行けるとわかっているものの、大きくカーブする先の大岩で「あーもうしんどいなあ」、そしてしばらく登った大木の下では「あーもう帰ろうかなあ」心が折れそうになる。

 この道を登っていた時に、毎回のように「もうこの先は進めへん。ここで待っとくわ」とへとへとになった登山者に出会ったよなあ。わたしももうダメと何回も言ったよな。。。と走馬灯のようにその光景が脳裏に浮かぶ。いやいや、もう少し、あの先まで我慢我慢。そう言い聞かせながら重い足を引きずり上げて、やっと頭上の木々の向こうに青空が見えた時はうれしかった。

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源頭部最上部 気合を入れてよじ登るも..

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くじけポイント1 くじけポイント2
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もうへろへろの斜面 東稜ノ頭到着

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750m 植生が変わる ふみ跡はあるけれど
ロープが張ってある750mの支尾根


 下山者にイワウチワはどこで咲いているか尋ねたが、やはり山頂近くとのことだった。頭のすぐ下にはイワカガミの群落があったが、まだ1輪しか咲いていず。今回はイワウチワもシャクナゲも諦めた。

 15:00に頭に着き、小鳥のさえずりに癒されながら北比良峠方面を眺めた。若葉に覆われた山々。今日はこれで満足満足。山頂から下ってくるグループも少なくなり、わたしも下ろう。あえぎあえぎよじ登った九十九折れの道は難なく下り、大岩の源頭部も無事に通過。

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小鳥が鳴き 東稜ノ頭 北比良峠方面を望む

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東稜道を下る 深谷分岐に戻った

 名残惜しいけれど古崎川源流の旧道は今回は諦めて、おとなしく登山道を辿った。2組のハイカーに先に行ってもらいゆっくり歩いていたが、いきなり右太ももが攣って歩けない。木の下で座り込んで休憩。水分と塩分補給とマッサージ。5分ほどで歩けるようになったので進むと、今度は左ももがストライキ。休憩。なだめなだめノタノホリに着いた。へたり込んで休憩。

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ノタノホリの登山道は沼沿いに

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ノタノホリの迷い地点

 後ろから来たカップルと疲れたよねとおしゃべり。久々に山にきたというお二人、奥さんは山頂までで旦那さんは途中でリタイアだったそう。話すともなく、わたしはJRできたから下山して駅まで1時間歩くんですよね。。。というと、「それならば車で駅まで送りますよ」と奥さん。「ええー いいんですか?わたし足が遅いので、先に行っていいですよ」と遠慮したのだが、いいですよ 待ってますよ と快く返事される奥さん。うれしい。

 ノタノホリから登山道を先に下っていった二人を追って、わたしも頑張って下った。足もつらずに無事にイン谷橋に到着。登山の後片付け中のお二人が、車で待っていた。意外に早く下ってきましたね と奥さん。いやいや この先歩かんとよいとわかって頑張りましたがな。。。

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滑りる道を下り 金糞峠、北比良峠方面


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別荘地を抜け 丸木橋を渡り


 イン谷から車に乗せてもらうってほんとうに嬉しい。この先とぼとぼ比良駅まで歩かずによいという安堵感。このお礼にはなんもないなあ。そうだ!ワラビだ! 道々採ってきたわらびをおすそ分けした。お礼などとそんなつもりはない と言いながら、貴重なものをととっても喜んでいただいた。乗せてくださったお二人に感謝です。

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桜のこばへ一周 イン谷橋の向こうにお迎え!

 心配した足腰の痛みは、銭湯でよくマッサージと冷水、帰宅後アイスノンでぎんぎんに冷やした。翌朝階段の上り下りがさっさとできなかったもののゆるゆる歩けた。GWの残りの日々はさすがに再度の山歩きはできなかったが、家庭菜園を耕し夏野菜の植え付け準備に精を出し。考えていたよりは体調もそこそこに回復しているようで、ほっとしている。道々採取したわらびで、わらびご飯を炊いたらおいしかった。これでわたしのGWはおしまいでした。

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夕闇の堂満岳

 ところで、古崎川源流の旧道をあれこれ考えてみた。地形図の太線の道、桜ノコバから尾根に伸びる道が旧道だろう。そして、ノタノホリでの道迷い。沢の渡渉地で会ったご夫婦はノタノホリの地名もピンとこなかった。ノタノホリで休憩中だった夫婦はなおさら。

 結局2組とも植林地の山道を間違って下ったのではないか と合点した。昨秋にノタノホリに来たときは、あの植林地の斜面にはピンクテープがバリアーのように張り巡らされていた。今回はピンクテープの残骸はあったが、むしろ道案内のテープのようにも見えた。

 そして、ネットで見て気軽に登ってくるハイカーが多くここで登山道との分岐を間違ってしまうのだろう。旧道は危なくないから良いもの、イン谷への脱出には苦労するだろうな。わたしはいずれ登山道との合流点まで旧道を探りに行くつもりです。あのあたりの地形がわかってきて、楽しいです。

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マツバウンラン コバンソウ


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サルトリイバラ ヤマフジ


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咲き始めのイワカガミ がんばれ カンアオイ


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ヤマハコベ しがみつくアザミ
誰かがバリアー棒置いたか?


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スミレサイシン とっても小さなテンナンショウ15センチ


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ショウジョウバカマ ヤマジノホトトギス




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