京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

比良 ノタノホリをぶらり
2024.11.30

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ノタノホリ 草紅葉は終わっている

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日程:
11月30日(土) 晴れ 11℃ ikomochi

コース:
・京都駅10:27発湖西線→比良11:07着~比良登山口~湖西道路12:00~イン谷口道水路12:10=12:50~桜のコバ13:05~ノタノホリ14:05~池周遊14:55~別荘地入り口15:50~樹下神社16:30~比良駅17:00→京都駅


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 今年はもみじの色づきが2週間遅れている、叡山電車やお寺の夜間ライトアップも2週間延期すると毎日のように紅葉狩りの色付き報道が流れる。京都駅も地下鉄もバスも、いずこも人波が続く。今週末もえらい人出かなあとうんざりしていると、いきなりの寒波襲来で、こんどは雪が降るかもよ騒ぎ。

 冷たい強風に冷たいしぐれで震える金曜日を迎え、この調子じゃ土曜日は山に行けないなあと諦めていた。しかし、土曜朝起きてみると空は青空でなんとなく温かいじゃないか。そっか、じゃあどこかへ行こうか?でもこの天気じゃ京都市内の観光地なんか交通渋滞してたいへんやろうな というわけで、観光客も少なく電車も不通にならなさそうな比良へ行くことに。

 ごった返す京都駅のコンコースは人ごみを縫うように歩き、あーよかった 湖西線にして と、のんびり座席に座ったのです。車窓から眺める琵琶湖は遠くまで見渡せて、比良駅からは対岸の近江八幡や遠く先日登った荒神山の姿も確認できた。一度歩いてみると、その場所がよくわかり愛着もわきますね。

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比良駅 駅で登山者カードを出します

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対岸の山々

 比良連山も山頂付近は冬枯れだが中腹以降はまだ色づきがあって、初秋を感じる。駅前の銀杏並木の向こうにそびえる三角錐の堂満山、落葉してすっかりヌードでますます鋭角にそびえたつ。かっこいい山やなあ とほれぼれ眺め、シャッターを切る。

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ほれぼれの一言

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比良連山

 ほんまは堂満の黄葉の東稜斜面を歩きたかったのだが、来るのが1か月は遅かったかな。最近は樹下神社の横から登山道コースの案内があるが、わたしは昔ながらの登山道口から財産区共有林の中を歩く道が好き。湖西道路手前の住宅地では、真っ赤な紅葉が日に映えて美しい。

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イン谷への道 道しるべ

 女性がなにやらしているので見ると、火ばさみで道路わきのプラごみなどを拾っておられた。挨拶して湖西道路橋脚を潜り抜け、イン谷口への石ころ道を進む。ざーっざーと激しく流れる水音が、林の中から聞こえてくる。しばらく進むと、広葉樹が黄色く色づき堂満の黄葉林もかくやと思うわれる一画を見つけた。

 道路を逸れて林へと分け入ると、すぐに緑色の水をたたえた小さな池があった。この池から大きな音を立てながら水が用水路へと落下している。一度立ち寄ったことはあったがその時はしっかり見ていなかったので、池の周囲からその先の川べりへと下りてみた。青ガレを源流とする比良川沿いの草むらには細いふみ跡が伸びている。その先に行きたい誘惑もあったが、今日の目的は堂満。水路の池には比良川から取水した沢水がどんどん流れ込んでいて、澄み切った水面が美しい。ニンフがいるんじゃないか と覗き込んでみた。

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イン谷へ

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鮮やか ニンフがいそう

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これぞ比良の晩秋 黄葉に囲まれて

 周りの黄葉の林の中は日差しが柔らかく、倒木に腰かけてお弁当を食べた。のんびりしていたら、後ろから声がしてハイキング姿の老夫婦が覗きに来られた。汗をかいたシャツやら脱ぎ捨てて木の枝にひらひら干しといたのだが。アワワ。せっかくの良い風景をお邪魔してしまったなあ。ご夫婦は急ぎ立ち去られた。

 イン谷への山道はごろごろ石が歩きにくく好きじゃないが、ここしかないから仕方がない。桜のコバの分岐に着くと、道はやっと草を分けて進む。小さな沢を渡渉するための丸木橋が架かるが、苔むしているので、沢の飛び石伝いに対岸へ。

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あき 桜のこば

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ノタノホリヘ 沢を渡渉

 細い道を登ると、そこはかつて賑わった別荘地だ。数十軒はあろうか。今はもう朽ち果て崩れた山小屋が立ち並ぶ。かつてはここも人でにぎわった。バーベキューしたりギター片手に歌ったり、週末は大勢が楽しそうに過ごしていた。こんなところに山小屋があってうらやましいなあ と横目で眺めながら、通り過ぎたものだ。

 一軒の小屋に今もよく男性が来ていて、今日も焚火をしてなにやら作業していた。少しこぎれいな山小屋には、売り物件の札が下がる。幾らするんだろか。ひところ仲間とシェアして信州に山小屋を持ったという人が多かったけど、今はどうしているのだろか。

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別荘地

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売家あり 花崗岩の道を登る

 東稜への登山道を進む。花崗岩がごろごろして歩きにくいが、ジグザグと高度を上げる。北側のイン谷からワンゲル道の尾根、カラ岳釈迦岳を眺める。北比良峠を境に赤黄茶と色づいた尾根が広がる。全景を眺めたいので、細い支尾根の先端に立つ。南に目をやると、琵琶湖の湖面が木々の間から輝いて見える。雪や雨風もまったくなく、着ていたパーカーも脱いだ。

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北比良峠を望む カラ岳を眺める

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かわいい実を発見 沢沿いに登る

 東稜名物の深くえぐれた花崗岩の道を越える。もう一度トンネルのようにえぐれた道を過ぎると、土道になる。細い沢が薄暗い谷間を流れ出て下っている。この沢沿いには割とはっきりしたふみ跡があるので、いつか辿ってみたい。谷に支尾根がカーブして入りこんでいる場所を登ると明るい道になり、すぐに山の中の池に出た。枯れた水草や倒木が浮かび、少し暗い水面だ。今日はノタノホリを楽しもうと決めて、池の周囲を取り囲む林の中に入る。

 場所を変えると、水面がキラキラと輝き、真っ青な空に浮かぶ白い雲が鏡のように映っている。風もなくさざ波も立たず、ガラス面のような水面に周囲の黄葉の木々が湖面に写りこみ、素晴らしい光景だ。ノタノホリは薄暗いところやと思っていたので、こんな明るい表情に出会って小躍りする。畔でぼーっと座って飽きず楽しんだ。

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深く掘れた道 山道っぽくなる

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静かなノタノホリ 鏡の水面

 登山道を少し進んで、東稜道と深谷への分岐の峠に出た。深谷へも下りたいがそれは又にして、今回は池の周囲をぐるりと巡ることした。細い道が続いている。池の南側の岸辺に下る。水草がびっしり浮いている。もしやこれが名物のジュンサイだろうか。確かめようと堆積した落ち葉を踏むと、ずぶずぶずぶと泥に沈んだ。慌てて脱出。

 ゆっくりと池を周り、また登山道近くに着くと、西へと傾いた太陽が木の間越しにキラ、キラっと輝く。光の光線が射す。ノタノホリは登りも下りも、登山道近くで眺めるだけで、いつも急いで通り過ぎるばかりだった。今日はいいものを見せてもらった。よかったなあ

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深谷、堂満の分岐 池の周りを辿る

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水生植物(ジュンサイ?)で覆われた水面

 日差しが西へと傾き始めた山中を下った。先ほどから何やら話声のようなグループの声が聞こえるなあと耳を澄ましていたら、上から男性が一人走り下ってきた。えっほえっほか えい か なにやらわからないが、叫び声をあげている。先にどうぞと下ってもらい、のんびりと歩く。

 向かいのワンゲル道の尾根に夕日が当たり、紅葉が朱く染まる。あーきのゆうひに と歌いながら下っていると、さきほど先に行ったはずの男性が後ろから追いかけてきた。あれ どこに行ってはったんですか?と聞くと、天神山に寄ってました と、また声をあげながら走っていった。きっとああやってブナあたりから下ってきたんかなあ、すごい馬力やけど、この景色を楽しんでいるんかなあ??。

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夕陽を浴びて

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堂満山頂が覗く 落ち葉の道を下る

 ごろごろ石の道をよちよち下り、下の別荘地を抜けた。まだ男性は小屋で焚火をしていたので、泊まるのかな。別荘地の中の道をまっすぐに下り、沢への分岐で「コッチガオトク」と書いた標識があったので、桜のコバには寄らずに舗装道を下った。

 途中には数か所新しい建物ができていて、それぞれキャンプができるとか バーベキューができるとか看板があった。最後のキャンプ場では大勢が集まってなにやらイベントのようだった。

 うら寂しい古い別荘地の外に、今時の若い人たちが集まる場所ができていて、ちょっとほっとした。湖西道路を潜り抜け、砕石置き場を通り過ぎ、樹下神社のこんもりした森が見えたので、途中の道路を曲がって神社の森を目指した。

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夕陽に燃える

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別荘地からコチラガトクの道を下る 車道で歩きやすい

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キャンプ施設とかできている 樹下神社

 前から首輪をつけた犬がぶらぶら歩いてきた、なわばりの見回り確認中らしく、ちょっと挨拶を交わすとまたぶらぶらと去っていった。放し飼いの犬っていいなあと見送った。街中じゃもう無理だけれど。うちの老犬も猟犬の一種で、若いころはあちこちをくんくん探し回るのが好きで、庭中走り回ってはては柵を飛び越えて脱走して騒動をよく起こしていた。

 樹下神社の周囲をぐるっと巡って、よくわからない道やなあと歩いていたら、前方をリュック姿のグループが横切った。結局、イン谷からの登山道に出て、比良駅前の車道を下った。近道のつもりが大回りやった。夕暮れのびわ湖が残照に映えていた。田んぼの道を散歩中のワンコグループと出逢い、立ち話。比良はいいところやねえ とみなさんとわいわい楽しくおしゃべりして 今日ものんびりしました。

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美しい夕方

 最後に、比良駅のホームで、めえええ と声が聞こえるので、どこにいる?と探したら、駅前の草地で2頭の山羊がせっせと草を食んでいた。

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除草作業中の山羊たち

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堂満さまとノタノホリの位置 千両

  天気予報が外れて好天に恵まれ、温かい晩秋の一日を満喫しました。


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