芦生 トロッコ道(七瀬まで)


七瀬



2008年9月28日(日) くもり  森の旅人M



コース:
須後(青年の家駐車場)〜研究林入口〜灰野〜赤崎谷〜小モヨギ作業所跡〜カヅラ小屋跡〜七瀬〜カヅラ小屋跡〜小モヨギ作業所跡〜赤崎谷〜灰野〜研究林入口〜青年の家駐車場





 残業続きで厳しいコースは避けて気楽に出かけた先が標高差ほとんどない芦生のトロッコ道。以前にカヅラ小屋まで行ったことがあるが,天気が悪くこの小屋から引き返しており,初めての七瀬になる。しかし,気楽に歩く気持ちは途中から気を引き締めることになりました。

 駐車場に到着すると大阪・神戸そして奈良ナンバーの車もあり10台ほど駐車しています。準備をしていると10数人の団体が先行していきます。相変わらず人が多く入って行くようです。天気は思ったより悪く曇り空,下り坂なのでゆっくりできずに駐車場を出発します。鉄橋を渡り由良川源流の右岸を本流に沿って上流へ向います。トロッコ道の脇を見るとミズヒキにアキチョウジが目に付く程度で目立つ花は見当たらない。灰野の手前から団体の一部を追いつき,その後10人ほどのハイカーを次々と抜いていく。傍らのキノコもお気に入りのようで楽しんでいるようだ。

 赤崎谷ではトロッコ道が通行止めとなるが,ショートカットの橋を渡り,急坂を登ると再びトロッコ道に出会う。本流との高さは15mから20m近くありそうだ。小モヨギ作業所に着くとそこには既に取り壊された残骸の板くずが一山に片付けられて,小モヨギ作業所跡に変わっていた。その先の木橋は以前歩いて渡れたが,既に完全に朽ち果て壊れた状態になっていた。沢に下りて対岸に渡る。道を塞ぐ大岩を通り過ぎるとシダで道が覆われ線路が見えない部分に出会う。結構トロッコ道全体の崩壊が進んでいるように思われる。

灰野 赤崎谷の仮橋
小ヨモギ作業所跡 小ヨモギ作業所跡付近

 フタゴ谷の標識を見て次に現れるのが,10mほどの丸太橋である。少し傾いて,濡れて滑りやすくなっている。下は急なガケになっており転落すると危ない,手摺とかロープも無いので慎重に進むが揺れで,途中で止まってしまい腰も引けるし本当に危ないと思ってしまった。なんとか橋を渡ったが二度と渡りたくはないと強く思った。トロッコ道一番の危険な場所である。刑部谷手前の線路を覆う大きな倒木は健在であった。刑部谷では以前渡れた橋が完全にここでも崩壊無残な姿になっており,一旦沢に降りて対岸に渡る。その後も線路上の大木の倒木を見ながらようやくカヅラ小屋に着く。が,ここの小屋も整理され小屋の廃材が一塊においてあり,一つの時代が終わったような光景である。

大岩 崩壊した刑部谷の橋
カズラ小屋跡 カズラ谷

 カヅラ小屋跡でが,由良川本流に降りられる,今日は涼しく汗もほとんどないため顔を洗うこともない。カヅラ谷に架かる崩壊した橋を横目に谷を渡り,七瀬方面に踏み出す。線路跡はまだある,どこまで続いているのだろうか。しかし,途中に倒木もあり次第に土砂で埋まった箇所も多くなり,やがて気づいた頃には線路も見かけかけなくなった。終わりに近い紫色のキタヤマブシ,白いノギクなどが目に入る。本流を見ると川釣り人の姿があり,カウベルの音で気づいたのかアイコンタクトを交わす。出発前に駐車場で会った男性である。スギ林が現れると七瀬に近い。

由良川本流 キタヤマブシ
アケボノソウ 七瀬対岸

 ようやく七瀬に到着,ただし,標識はなく対岸の七瀬谷と思われる流れ込みと地形を地図で確認する。一株のアケボノソウが咲き誇っている。目立つものは,対岸に石で積上げられた苔むした台座である。ここがトロッコ線路の終着駅なのだろうか。昼食を摂った後に対岸に渡る,このためわざわざ持ってきた長クツに履き替える。浅瀬を選んで進むがそれでも30cmはありそうだ。トレッキングシューズでは無理な深さである。上流の上谷や下谷と違い水量も多く幅もある。台座はしっかりしたもので,近くに碍子が一塊においてあった。辺りを探索すると広くはないが平坦な場所になっている,また薄いが本流に沿って道が続いているようです。

七瀬谷 七瀬上流

 再び,左岸に戻り帰る準備をしていると,男性が一人やってきた。結構,このあたりのことを知っているので話していたが,谷のことは良く知っているが尾根のことは知らない。途中から話がかみ合わず,それもそのはず男性は釣りのための入山者であった。

 七瀬からそのままのピストンの戻りであるが,フタゴ谷近くの傾いた丸太橋は渡らず,急な沢に下りて通過しました。安全優先で道が出来ていた。フタゴ谷標識より七瀬間の橋は全て崩壊または腐食のため橋は渡れず沢に下りて過ごしました。

 小モヨギ作業所跡では,地元の方の集まりかトロッコ道の両側いっぱいに場所をとり70〜80人近い人がいてビックリ,今までほとんど人に会わなかった者がこれだけの多人数の中を歩くのが少し苦痛である。

 駐車場に戻ると,小雨が降り出したものの何とか天気も持ってくれました。駐車場はほぼ満車の20台,大型バスも1台止まっていました。