ブナノ木峠から傘峠尾根


ブナノ木峠



2008年9月13日(土) 雨のち晴れ  森の旅人M



コース:
青年の家駐車場〜研究林入口〜落合橋〜幽仙橋〜ケヤキ坂〜ブナノ木峠・傘峠分岐〜ブナノ木峠〜ブナノ木峠・傘峠分岐〜P892〜傘峠〜八宙山〜中山〜トチノ木平〜ケヤキ坂〜幽仙橋〜落合橋〜研究林入口〜青年の家駐車場





 この7月に若丹国境尾根から見たブナノ木峠ですが,今回はこの芦生の主峰から続く傘峠尾根を歩きました。尾根に乗るとブナノ木峠と傘峠の2山以外アップダウンも思いのほか小さく歩き易い尾根道でした。

 朝5時,家を出る頃から降り出し,やがて本降りの中を車で芦生に向かう。ネットの雲の動きから,たぶん2時間後の現地に着く頃には雨雲も通り過ぎるだろうと予想して出かけたのですが。佐々里峠を走る頃には雨も上がり,予想どおりと喜ぶ,しかし峠を下ると雨は残り上がりそうになかった。7時15分に須後の青年の家駐車場に到着,しっかり小雨は降っている。さすがに雨で車は少なく,それでも大阪ナンバーの1台が駐車していた。カッパとバックにザックカバーをして7時30分出発,ケヤキ坂までの長い林道歩きが始まった。

 小雨は森の木々の下を歩くので気にならない。いつも見られる林道脇のオレンジのフシグロセンノウを見ることが出来たが,今回は1株しか確認出来なかった,昨年は3株あったのに。落合橋で櫃倉林道と別れ内杉林道を進む,ゲートから緩い坂道が始まる。りっぱなメタセコイヤの並木道を過ぎると内杉谷も狭くなり幽仙橋に着く。この橋からケヤキ坂までが本格的な地道の坂道が続く。雨雲で視界が悪く林道もガスで煙りすっきりしない天候が続く。途中,山の家のマイクロバスが追い越していく,乗客の姿も見える,多分上谷散策のツアーだろう。ケヤキ坂手前でようやく雨も上がり青空が北側に見えた。ケヤキ保存林を過ぎて次の坂道を登るとケヤキ坂に到着した。(9時30分)

煙る林道 ツルニンジン

 この先中山から傘峠までピストンで道は経験済みだが,ブナノ木峠分岐から傘峠までが初めての道になる。雨も上がりザックカバーを取りカウベルを鳴らしながら登っていく。ブナノ木峠取り付きから斜度のある山道が続く,途中で林道に出合うが横切ってそのままブナノ木峠に続く道を進む。秋の森には白,赤そして茶など色多数のキノコを目にすることが出来る。ブナノ木峠・傘峠分岐を通りさらに,尾根道を歩いてようやく山頂手前の急斜道を登りブナノ木峠に到着(10時5分)。以前から見るとりっぱな標識は無くなり粗末な書き物が貼ってあるだけ,それに周りのクリの木が成長したためか山頂広場が狭く感じた。小休止してすぐに分岐に戻る。

ブナノ木峠山頂 林道

 分岐から傘峠方面に下ると鞍部に着く。その先がシダで覆われて道がはっきりしない。ひと山越すことになっているのだが。左手下すぐに先程横断した林道が延びているのが見える。事前に調べていたP892への林道と思われるため,この林道を進むことにした。ところが,すぐに東から南に道が転向する所で林道が分岐しており進む道の選択に迷う。林道終点のP892は東に見えている。分岐の脇道を少し見に行くがはっきりしたことは判らないので戻り,本道と思われる道を進むことにした。大きく谷を巻いて再び東方向へ続いている。

 途中で倒木が重ねてあり,ここが終点なのかと思い次の道らしいものを探すがない,倒木を越えて行くと,不鮮明ながら道がつながっているらしい。先を進むと谷を巻いて今度は北西の坂道になりはっきりとした道になった。しばらく行くとこれまた倒木で道が塞いであるがここも乗り越えて行くとようやく本当の林道終点にたどり着いた。右手に入ると,この山中に「傘峠・中山方面歩道入口」のりっぱなポールの標識が立っていた。安心感を覚えたのですが,少し不自然さも感じました。ポール標識から少し行ったところが「P892」のピークのようです。見出杭M−6があります。

 P892から南東へ下ると,はっきりした尾根道になります。次のピークからは北東へ下りますが問題ないでしょう。ここでは見出杭M−8が目印になります。尾根歩きは続き,ようやく途中で樹木の間からはっきりと傘峠が見えるところまで来ました。

林道終点 傘峠・中山方面歩道入口
傘峠 七瀬中尾根分岐

 七瀬中尾根分岐から北東へ向い,傘峠手前の鞍部から今日一番の急斜面を登っていきます。登りきった位置から少しの所に傘峠の標識がありました(11時50分)。広い山頂部は木々に覆われている。

傘峠山頂 八宙山山頂

 傘峠から中山までは,以前歩いて身に覚えのある道,一旦下って登り返すとすぐに八宙山(12時15分),しばらくして北の尾根を下っていくと中山に出ることになるのだが,八宙山を下った鞍部で道が薄くなりそのまま東へ進んでしまい道がなくなった。結局ルートから外れていることに気づく。一度来ている事ということで変に自信があるせいか適当に歩いたことが問題であった。鞍部に戻り地図で北東へ下っていく道を確認する。尾根最後のピークを越して真北の急斜面を下っていく。傘峠の斜面より急で長い下りが続く。ギンリョウソウモドキが登山道の真ん中に咲いている,そしていままで見なかった黄色の大型キノコがありカメラを向ける。ようやく,余裕が出てきたため中山で食べようと予定していた昼食を下り斜面途中で食べる。ミンミンゼミの声が遠くでする。食事後は一気に下り中山へ渡河して林道に上がる(13時10分)。

 左に下谷を見ながら林道をケヤキ坂へ登っていく。途中下谷へ下りてカツラ保存林を見る。林道に戻り咲いている花はないものかと探しながら歩いていると,林道のがけに壷らしいものを見つける,ではなくスズメバチの巣であった。まだ盛んにハチは動いている,2mまで近づいて2枚カメラに収めてすぐに立ち去る。一匹が頭の近くを飛んできた,危ない危ない。

スズメバチの巣 ヤマジノホトトギス

 ケヤキ坂手前にあった小屋が壊してあり,すっきりしていた。ケヤキ坂に到着(14時00分)。また長い林道を2時間若下り,研究林入口へ戻る。花が少ないので林道脇を目を凝らして歩いていると,見落としていたのかヤマジノホトトギス。次々と目にすることが出来た。 結局,山中では人に会いませんでした。駐車場に戻ると車は2台で,これでは広い研究林で人に会うはずはないと思いました。(16時00分)

 雨中の山行でしたが,天候も回復し快調な尾根歩きが出来ました。季節の端境期で花が少なく,物足りない気がしました。やはり深山の芦生はこれからの秋本番を迎えたこれからが似合うでしょう。