廃村八丁(八丁川遡上)


2008年6月1日(日) 晴れ   森の旅人M



コース:
京北町小塩〜西谷林道駐車地〜奥付谷分岐〜コシキ峠〜八丁川コシキ峠口〜八丁川遡上〜ババ谷口〜廃村八丁〜ババ谷口〜ババ谷〜ソトバ峠〜馬場谷林道 〜小塩〜西谷林道駐車地





 コシキ峠を北へ下ると八丁川に当たる,廃村八丁への道としてガイドには点線の八丁川ルートがある。水もぬるんだ緑の季節,豊かな森のなか八丁川を遡りました。

 京北町小塩から西谷林道に入り,いつもの広場に車を停めてコシキ峠を目指します。天気は良好,暑くもなく山歩きにはもってこい,軽やかに歩を進めます。林道の川沿いには,この梅雨時期前半のシンボルの花,タニウツギがピンクの花を咲かせています。他にもノリウツギの白い花。秋に花を咲かせるミカエリソウにマツカゼソウ・マムシグサも新葉をつけています。奥付谷分岐を過ぎて,林道コシキ峠取付からコシキ峠への山道に入って行きます。

タニウツギ ノリウツギ

 途中,ハクウンボクの白い花が落下して周りがきれいに化粧しています。急斜道のスギ林を行くと倒木が増えて,来るたびに荒れた道になっているようです。丹波広域基幹林道へ出ると道を挟んで目の前の一段高い所がコシキ峠,りっぱな標識が立っている。小休止後に,八丁川へ谷を下って行きます。

ハクウンボク落花模様 コシキ峠

 八丁川に着く手前で,大木が数本倒れて完全に道を塞いでいる。昨年秋には何事もなかったのに,土砂崩れのため青い葉をつけたままなので倒れてまだ時間がたっていないようだ。乗越えて進むと八丁川に着く,コシキ峠登り口の標識も立っている。

八丁川手前の山道崩壊 大岩の踏台

 川を遡上するため渡渉が多いことだろうと,ここで持参した長クツに履き替える。浅瀬に見えるが,登山クツでは少し深い水位である。渡渉場所を探しながら進むと相当な時間が掛かると思う。左岸から右岸へ渡り,八丁川の遡上を始める。すぐに左岸へ右岸へと渡渉を繰り返す。選んで歩くが30cmの水位の所もあり,登山クツでは渡渉は難しい。川の中に大岩があり踏台にして左岸へ行く。川沿いに歩いて行くと薄いが道は付いているようだ。何度も渡渉を繰り返していると同じような光景もあり,どの辺りを歩いているのか詳しい地図が必携である。川は深みもあるが,全体的に浅瀬の川である。浅瀬で緩やかな流れになってきた。これという野草木のない中で小さなタツナミソウの紫が目についた。

八丁川−1 八丁川−2
ノコギリ谷合流部 アカハライモリ

 左岸のスギ林に沿ってしばらく歩くとノコギリ谷合流部に着く。気をつけないとノコギリ谷へ入ってしまいそうな道筋になっている。少し歩いた先にアカハライモリがいたので,腹の赤と黒の斑点をカメラに撮ろうとひっくり返すがすぐに背中を上にする,数回やったが結局,腹は写せなかった。相変わらず川沿いには目立った野草はないが,ギンリョウソウが目に入った。ババ谷口までの半分少しで,予定時間を過ぎてしまった,思いのほか時間が掛かる。前方の川べりに人影があり二人の男性が昼食のようだ,よほどでないと人に会わないと思っていたので逆に人を見てドッキリである。先方も同じだろう。

ギンリョウソウ 倒木堰

 ババ谷手前で倒木堰を見かける,かなりの倒木の量で川を堰き止めており深みもあり魚も見える。倒木だけでこれだけの水量を貯めているのは,珍しい。八丁川を遡上始めて1時間半かかりようやく無事ババ谷口に到着。渡渉回数は30回近くになりました。難しい場所はないがルート的に人気はないので少し緊張感はありました。浅瀬の続く川は,深山のなかでゆっくり時間を感じることが出来ます。

ババ谷口 倒壊した山林巡視小屋

 ババ谷口から廃村八丁の山林巡視小屋へ向います。この道もスギの倒木が目立ち歩きにくくなっています。着いた巡視小屋は残念ながらほぼ全壊の状態で安全な状態にありません。小屋の前に置いてあるベンチとテーブルで昼食を摂る。誰かやってくるかと思ったものの結局だれも来なかった。

 昼食後は,ババ谷からソトバ峠を抜けて,馬場谷林道へ下って行きます。途中で男性一人に会いました。丹波広域基幹林道によるソトバ峠口の姿は大きく変わり,不似合いなりっぱな林道が整備されています。以前の森の中の面影はなく,菅原へ戻る取り付きもすぐに場所がわからない。ソトバ峠から小塩への急斜道を下っていく。一気の下りで雑木林からスギ林へ変わる,九十九折の道になり,次第に沢の音が聞こえるようになる。水飲み場を通り,最後のロープ付の急斜面を下ると砂防ダム前に着く。沢に沿って下っていくと馬場谷林道に出た。

ソトバ峠口 馬場谷林道ソトバ峠取付

 馬場谷林道は,西谷林道のように荒れておらず,平坦で歩きやすく小塩までの長い道も余り苦にならなかった。さらに小塩から西谷林道に戻り,駐車地まで30分歩きようやく今日の周回コースを終えました。

 八丁川の清流は,深山の森の川という感じがしました。川幅はないものの渡渉が多く時間が掛かったため,少し余裕のない山歩きになりました,ゆとりを持てば珍しい野草も目に入ったかもしれません。少し,行きにくい場所ですが秋もいいのではと思いました。