三国岳(岩谷峠ルート)


2008年7月5日(土) 晴れたり曇ったり  森の旅人M



コース:
朽木古屋〜モチノキ谷出合〜倉ヶ谷出合〜岩谷峠〜経ヶ岳・三国岳分岐〜三国岳〜経ヶ岳・三国岳分岐〜岩谷峠〜倉ヶ谷分出合〜モチノキ谷出合〜朽木古屋





 芦生に入る峠として東側からは地蔵峠以外,その南に岩谷峠があるが,今まで行く機会がなかった。今回,岩谷峠から三国岳に登ることにしました。岩谷峠から三国岳までは「高島トレイル」として尾根筋は整備されて迷うことはないでしょう。

 岩谷峠には朽木古屋から入って行く。古屋の郵便局を過ぎた針畑川に架かる橋の近くに駐車して外に出ると,丁度地元のおばさんがこちらにやってくるところだった。適当に車を駐車させてもらいたいが良いかを尋ねると,橋の近くに空き地があり,自分の土地だからそちらに駐車してもよいとありがたい言葉をいただく。行き先を話すと今より春か秋がいいのにと言われる。橋のすぐ近くの空き地に車を停め直して出発する。

三国岳登山口 倉ヶ谷出合

 橋を渡り針畑川右岸に沿って林道を歩き始めるのだが,いきなり林道入り口にはチェーンがあり車両通行止めとなっており保谷林道へは足で進むしか方法はない。地道で水溜りも多く足元が悪いことから早めにスパッツを装着する。保谷林道はスギの植林地沿いを進む,歩きやすい平坦な道が続く。

 最初の橋が「おみなし橋」ですぐ,林道先にはモチノキ谷分岐がある。続いて「もちの木橋」があり林道オミナシ線が北へ延びている。スギ植林地の中では花の姿が全くない。途中,川の中に男性二人が渓流釣りを楽しんでいるのを見かける。ようやく,ウツギ・コアジサイ・ヤマサクラなど雑木が入り組んできた。花から緑の季節に変わっている。

 倉ヶ谷出合には標識が立っている。左手の岩谷峠方面の谷に入って行くと,すぐにネットフェンスで囲われた水道施設が見える。林道が続くが谷川の流れる沢の部分だけコンクリート敷きになった道を4箇所通り過ぎて林道終点に着く。

水道施設 林道川を渡る
保谷林道終点 タツナミソウ

 標識が立っており,左手の谷へ進み2箇所続けてコンクリート敷きの沢の林道を渡り,ようやく山道に入って行く。山深い谷沿いの道には小さなタツナミソウが目に付いたものの,相変わらず花は見当たらない。渡渉を繰り返した後,標識が立っているところから道は沢筋を離れて尾根道へ変わる。今まで楽にやってきたが,尾根道を歩くとかなりきつく感じる。何度も折り返して尾根端に着く。スギ,クヌギ,コナラ,ブナ,シャクナゲなど自然林になってきた。イワウチワの群生が続く。少し行ったところに,変形した木を目にすることが出来る。「Ω(オーム)」の木型と思える目印になる倒木である。倒木の木の上にはブナの木が育っている。うまい具合に形が出来たものだ。

尾根道へ Ω(オーム)の木

 急坂の尾根道は続き,汗も吹き出てくる。途中休憩を入れながら登っていく。高度を上げるに従い,なぜかハエが増えてくる。周囲は樹木で全く視界は取れない。岩谷峠にたどり着く直前に,道端に「一石一字塔」と書いた石塔がある。岩谷峠は少し登った所にあった。木陰に隠れた峠である,「高島トレイル」の標識が立っている。そして以前立っていたと思われる標識は倒れていた。

一石一字塔 岩谷峠

 三国岳に向うため,南側の坂を上がり尾根筋を南下する。道は良く踏まれて間違うことはないだろう。尾根の両側が急峻な谷になっている場所もあり,またロープ場所が2箇所あるが余り問題ではない。全体に歩きやすい。長い上り道を歩くと,後はもう一段の上りが待っているがその後は平坦路になり,ササ道に変わる。二つ目のロープ場を過ぎると標識がありこの先はゆるいアップダウンが続く。地図で確認しようとすると持参した地図がない!探しに行くが,帰りにまたこの道を通るので諦めて先を行く。桑原からの分岐標識があり,その先には見たことのある経ヶ岳と三国岳の分岐に到着。標識も立っているが新しくなっている。ここから三国岳には最後のひと登りで着く。

桑原分岐 経ヶ岳・三国岳分岐
三国岳山頂 三国岳

 山頂は変わっていた。以前の時,山頂周辺は雑木で狭く感じたが,周囲が大きく樹木が伐採されて広くなっている。天候が良くなく少し厚みのある雲で覆われてきた。東から南の一部が見えるが,他の方位は樹木で見えない。昼食を摂るが,小バエが多くゆっくり味わっては食べてられない。

 食べ終わる頃に複数の声が遠くで聞こえる。その声が時々聞こえる度にこちらに近づいているようだ。昼食後は,山頂を下りて岩谷峠へ戻る予定である。下山を始めて経ヶ岳分岐手前で今日初めて男性二人に出会う。先程の声の主かもしれない。手には見たことのある紙を持っていられたので「地図が落ちていませんでしたか。」と聞くと「これですか。」と,手に持っていた地図を渡してくれた。今日のルート上の目標など書き込んだ自分が持ってきた地図であった。礼を言って別れる,歩いて行くと今度は10人近い男女の団体さんがやってきた,先程の男性の同行者らしい。

 岩谷峠へはアップダウンがあるものの下りになるので,比較的に楽に着く。時間に余裕がないものの休憩後,岩谷へ下り始める。倒木の道を通り過ぎて岩谷へ下っていくと,途中までしっかりあった踏跡が急に薄くなり,怪しくなってきた。道と思えば道だし,そうでないと思えば道でないし,一旦戻り改めて確認する。どうも急斜面を下っているようだが,残念ながらテープ等は全くない。急斜面を下り始めるが,道筋がはっきりしない。もう少し楽に下りられると思っていたが,無理はやめて今回は諦める。

コアジサイ ガクアジサイ

 再び,岩谷峠に戻ってからは,登ってきた尾根道を下る。「オームの木」を過ぎて尾根から外れて,10分ほどで沢に下りる。顔だけ洗うつもりが,暑くなった足も冷やそうとクツを脱ぐ。川に入ると冷たい水が気持ちよい。一雨きてもおかしくない感じで,急に暗くなってきた。 保谷林道終点からは,天気も回復したので,ゆっくりと林道を古屋へ戻りました。少し物足りない山歩きになりましたが,無事に帰ることが出来ました。岩谷へは改めて機会を作って,行って見たいと思います。

 今回のルートは,標識もあり,道も整備されているので歩きやすく問題なく岩谷峠から三国岳へは辿りつけるでしょう。三国岳のもう一つのルートである京都側の岩屋からは,反対に入山者も少ないため踏跡も薄いのですが,深山を楽しむなら岩屋からの登りを薦めます。