小てつのよも山話(NO.17)
「小父さん、派手な服を着る」


2008年10月26日 (日)        小てつ








「小てつさん、私の山の服は派手やから、すぐ見つけられる。」

ほんまかいな?山、広いんやけど・・・。
小てつの到着が、少し遅れると言うと、先に入っているから見つけろと言う
のである。
最近、小てつの足と方向感覚が「最低限使える」と言うことをわかったから
か、だんだんと扱いが変わってくる。

「不安やったら、おーいでもホーィでも叫んで歩いとったらよろし。」

 いや不安はないし、知らん人に聞かれたら、それこそ不信人物や。そちらの
 方を不安にさせてしまう。

「はずかしいことはあらへんのやで。特にこれからの季節、11月からは
 派手に目立たなアカン。猟が始まるしな。」

 なるほど、これからはそんなことも気をつけなアカンのか。

「私ら、山に入っているときは、登山道をはずれていることが多いやろ、
 気をつけてんと、アワテん坊もおるからな。
 ガサゴソしとって、猪と間違われてズドンは、かなん。
 登山道を歩いとっても、怪しいもんや。」

 そうですね、いきなりズドンはかないません。

「何色がええんですかね?」

「そら、赤かカーキ色とか黄色やろなぁ。
 とにかく、目立つ色がよろし。」




「小父さん、見っけ。」

 小父さんの言うように、一発で見つかった。
 よく目立つ赤い合羽を着ていた。

「これええやろ。婦人モンや。
 堀川の店が閉店の時に、仕入れたんやけど。サイズがピッタリやったしな。」

なるほど、婦人物のほうが、派手な色のが多いもんね。
さすが小父さん、実利主義。


季節の変わり目が近づくころの話



                        【 記: 小てつ 】