小てつのよも山話(NO.13)
小父さん「最近のひとこと」


2008年9月29日 (月)        小てつ








「小てつさん。昔は、村まで、五時間はかかったんやがな。」

と、小父さん。
今では考えられない。二時間もあれば行ける。
それほど、笹薮こぎの難儀な道だったそうな。

「ここ数年の話や。どこの山もこんなになったんわ。歩きやすなって。
 昔は、服もドロドロになってなぁ。夏でも、半そでなんかでは歩けんかった。」

熊笹が枯れてしまい、鹿も猪も減ってしまったという。

「笹が枯れて、替わりに変なワラビの親戚が増えとるやろう。
 あんなんは、昔はなかった。」

小父さんによれば、何でも天山山脈にあったワラビの親戚という。
出てきた最初から緑のやつがいる。

「黄砂に乗ってきよったんや。中国でよく見た。」

小父さんの見解である。

小父さんは、海外の山にも招待されて登ってきた人である。おいそれ、山
超初心者の小てつが、山談議など気軽に話せる人ではないのだが、小父さんは、
おかまい無い。それどころか、小てつにでも、「さん付け」である。
これは、仕事場でも同じである。
子供どころか、孫ほど年のはなれたものにでも「さん付け」である。
媚を売っているわけではなく、根っからの人柄だろう。だから、顔は恐ろしく
広い。でも、「来るもの拒まず、去るもの追わず」的なところもある。
(一部、追っかけすぎているものもあるが・・・)
元来の人の良さと、そんなところが、驚異的な顔の広さにつながるのだろうか?

しかしながら、小父さんは「聖人君子」では無い。「仙人」のようではあるが、
「エコ人間」では無い。良識のある方が見れば、眉をしかめそうなこともする。
でもそれを憎めないのが、小父さんならでは。

「わしは、ヒルにやられすぎて、直りが悪い。」

小父さんは言うが、もしかして、70になっても元気なのは、たくさん山ヒル
にかまれて、ヒルジンが体に残り、血液をサラサラにしているからちゃうか?
と、本気で考えてしまう。

「登山者の事故が、過去最高とか言うとるが、それなら無事に帰ってきた
もんも、過去最高ちゅうこっちゃ。
 誰でも、事故はしたくない。でも起こるときは起こる。
 何人に一人とか関係ないわな。当人にとったら一分の一、100%や。
 富士山でも、アルプスでも関係無い。北山でも同じ。
そやから準備はちゃんと、しとかなあかん。」

なんか大人気漫画の「岳」みたいなこと言うとるなぁ。


秋になりシーズン真っ盛り、でも皆さん気をつけましょう と言う話



                        【 記: 小てつ 】