小てつのよも山話(NO.8)
小父さん流「けもの道歩き」の奨め


2008年8月13日 (水)        小てつ








「小てつさん、山にはけもの道ちゅうのがあってな。」

またまた、やばそうな話になってきた。

「そもそも、けものちゅうもんは、4本足や。木なんかつかめへん。」

(この場合、けものは鹿、猪をさしている。)

「悲しいかな、けものは、水を飲みに谷に降りてこなならん。
 エサを採りに、餌場をまわらなならん。
 毎日、毎日なぁ。」

小父さんによれば、けものとはいえ、楽もし、安全も考えているそうな。

「そんな道をつかわんで、どないする。」

と言うのが、小父さんの持論だ。

雪道ならすぐわかる。
小てつは、雪の「トンボユリ」を歩いたことがあるが、ユリ道に、一頭の鹿の
踏み跡があった。
踏み跡が、曲がっているのに無視して進むと、「ズッボッ」である。
何度か、股までの洗礼を受けた。
後で思い出したが、鹿の足跡は、完全につぼ足だった。
鹿も、恐る恐る歩んでいた跡だったのである。
鹿は、腹がつかえれば、スタックしてしまい身動き出来なくなる。生死をかけ
た動きの跡である。
見える道なりに進んだ小てつの浅はかさである。

雪道はちょっと・・・
と言う方には、愛宕の「スキー場跡」が、判りやすいか?
枯れた熊笹の草原に、縦横無尽にある細い道。
鹿達の踏み跡である。
踏み跡をたどり降りていっても、滝谷である。
また登り返せば、竜ケ岳か地蔵山であるし、たどってみるのも面白いかも?

「山道は、もとを正せば、けもの道や。人間が、使えそうなけもの道を、よく
踏んで広なっていっただけや。」

なるほど、そのとおりかも知れん。その証拠に、けもの道をたどって行けば、
かならず山道に合流する。
(でもまあ、京都北山の場合、尾根に上がれば、どこの山でも、踏み跡がある
が・・・)

そう考えれば、いかに林道の危ういことか。「タカノス」近くのP635展望台
から、下を見れば、迷うなと言うほうがむずかしいほど、地図に無い林道が
張りめぐっている。

その林道も、大雪が降れば崩れ、大雨が降れば崩れ。



「小てつさん、お盆の休みには、由良川の源流をテン泊で、探索してきますわ。」

はいはい。暑い中、きばって仕事してきはった御褒美ですわ。
どちらにでも行っておいで。

「道中話、また聞かせてや。」

「まかしといて。」

まだまだ、暑い中、もうひとがんばり休み前。



                        【 記: 小てつ 】

イワタバコ