小てつのよも山話(NO.6)
小父さん曰く


2008年7月20日 (日)        小てつ








「骨折で、動けんようになって、一週間ぶりに発見なんてのは、聞くがな。」

と、小父さん。骨折、捻挫は命とりには、ならないと言う。
やはり、一番怖いのは、「寒さ」だそうだ。体温を奪われると、人間は一瞬で、
あの世行きだそうだ。
要は、濡れないこと。濡れたら乾かす。乾きやすいものを着用するに限る。
少々高くついても、シャツ、肌着は「山屋さん」で仕入れたほうが良いそうな。

「小てつさんは、新聞紙か何か持っとるんか?
 わしは、これ。ダンボール紙や。
 2枚ほどな、リュックの形に切って、背中にあたるとこに入れておくんや。
 そしたら、背中も具合よろし。
新聞紙は、火持ちが悪い。ダンボールなら、薪に火が移るまで持ちよる。」

そうである。

「薪は、そこらの生木で十分やが、ナタはアカン。役にたたん。
ノコギリに限る。
 それにな、オイルライターか、濡れんようにライターを持っとかなあかん。」

いざという時に、ナタで薪をつくるのは大変だそうだ。
そりゃそうだ。キャンプに行って、薪を調達するのとは訳が違う。
山中、さまよい疲労コンパイでの行動である。

「たとえ日帰りの山歩きとはいえ、ツェルトは持っておいたほうがよい。
 今は、小ぶりになって、リュックのすみっこにでも入るやろう。
 それに、細引き。何かと便利や。」  (細引きは、細いロープです。)

雨風をしのぐためである。
小てつはバッチリ。雨具は、合羽ではなく、ツェルトに早変わりのポンチョ派である。
(愛宕では、白い目で見られますが・・・)

「食料はな、必ず一食分は、余計に持つんや。
 わしは、タッパに入れてから、リュックに入れる。」

どうやら小父さん、リュックの中で、食料をにぎやかなことにした経験ありと
見た。
ちなみに、小父さんの非常食は、6Pチーズである。
(結局、後で酒のさかなとなるのだが・・・)

「まあでも、小てつさん。
 一番肝心なことは、歩きなれた山でも、いつも初めて登る気持ちでいなさい
ちゅうこっちゃ。ガハハ。」

「ハイッ。」

いつも、誰にでも、小父さんは、こう言う。
しかし、何度聞いても、新鮮に聞こえる。不思議だ。


「夕立」で、雨宿りの一服でのはなし



                        【 記: 小てつ 】

ツェルト