小てつのよも山話(NO.9)
「小父さん、山頂まで標高差50m手前、撤退話」


2008年9月1日 (月)        小てつ








「あれは2回目のキリマンジャロの時やったな。」

と、小父さん。
小父さんは、海外の山にも「招待」を受けて登りに行くほどの、結構有名な、
「登山家」らしい・・・?
(小てつは、そのへんまだ詳しくない。)

しかし、小父さん実物を見ると、余計に信じられなくなるかも知れない。
山で、ばったり出会っても、ただの小汚い爺ィやないか?と思うであろう。

「7人のパーティーで、行ったんやが、途中で風邪ひいてしもてなぁ。」

なんせ、登るにも一週間かけてだそうで、途中で体調を崩したらしい。

「キリマンジャロはな、阿蘇と一緒で、山頂は噴火跡のカルデラになっとるん
や。
標高差は50mやけれども、ぐるっと回り込んで、最高点にあと2時間は、
かかるという地点でな。熱が出て、もうどうにもならんでなぁ。」

小父さんは、そこで6人に先に行ってもらい、自分は一人、ベースに地点に 
降りたそうな。

「撤退も勇気がいるんやで。」

そりゃそうだ。5,895mの5,845mまで一週間かけて登っての撤退である。
もちろん、現地まで旅も含め。
それも一人だけ。
そりゃすごい勇気がいったと思う。

でも、今こうして、いろいろな話が聞けるのも、その勇気のおかげ。


「小てつさん、何で、マタタビ言うか知っとるか?」

何でも、「旅」に疲れた旅人が、マタタビを食べたら生気が戻り、「また旅」が
できるから「マタタビ」と言うそうな。
今頃の、まだ青い実が「マタタビ酒」には良いそうな。

なんでもよく知っている。

「マタタビもな、ナツメ型のはあんまりや。カボチャ型のがいいんやで。」
(理由は、聞いたが、ここでは内緒。)

キリマンジャロの山頂付近には、「マタタビ」は、無かったやろなぁ。


セミに変わり、コオロギが鳴きはじめた頃の話



                        【 記: 小てつ 】

かぼちゃ型のマタタビ