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小てつのよも山話(NO.7)
小父さんの山歩き


2008年7月21日 (月)        小てつ









「しばらくしっかり歩いてなんだで、昨日は、ちょっと歩いてきた。」

小父さんが言う。
何でも、暑いのと仕事疲れで、前夜8時頃からうたた寝してしまい、午前3時
頃に、目が覚めてしまったそうだ。
そうなると、もう寝られない。丁度、ゴルフの中継をしていたので、少し見て
いたが、白々してきたので、出かけることに。

「今年は、一度も訪ねてなかったからな。」

小父さんは、廃村のことを言っていた。

「南の尾根の山から、峠までの間の尾根に、直接、村に下りるルートがあって
な。村に下りたら、また、勝手に「神社」とか言うて、大きな木の根元に、
賽銭箱置いてるところから、尾根に登って、一周してくるルートがあるんや。」

小父さんは、まだ薄暗い、暑くなる前に出て、一周してきたそうである。

「わしらにしたら、散歩や。」

と小父さんは言うが、しっかり一日分はある。
歩いてから、小屋に戻り、ビールを一本空けて、昼寝したそうな。

「よう寝れたで。」

三時頃まで、寝ていたそうな。

「小てつさん、わしは、歩いているときは、休憩はとらんのや。」

と小父さんは言う。
長時間の休憩を取ると、体の調子が狂うそうだ。

「山歩きはな、どれだけ、同じ調子で行くかや。」

どこかで聞いた言葉である。よく考えた。

(そうか、歩京さんや・・・。)

小てつ、一人で納得する。
そういえば、歩京さんの「北山の道」の欄外に、よく似た言葉が載っていた。
最初は、あまりにも歩京さんの歩みが遅いので、幻滅したが、山道に入っても
その歩様が変わらず、結局、ついていけないほどであり、恐れ入った旨の話。
小父さんは、その話、実践しているのである。

確かに、小父さんと一緒に歩くと、息切れしない。しかし、目的地には、丁度、
測ったように、いい時間に到着するのである。
もっとすごいのは、一緒に歩かなくても、測れるのである。

一度、小屋で、出鼻をくじかれたことがあった。
山道に、はやる小てつに絵地図を見せ、目的地だけでなく、そのまわりの特徴
を解説しだした。聞いている間はイライラしたが、実際、迷うことはなかった
し、お守りになった。

「ここまで行ったら、わしの標識があるしな。」

途中の間違いやすい分岐のことだ。間違わず歩き、めざす山頂にて、丁度、
お昼に着いた。

「昼にな、30分以上かけてると、体調は激変しよる。それくらいやったら、
何度かに分けて、短時間の休憩をとるほうがええ。食事も、いっきに食べる
んではなく、分けて食べるほうがよろし。
最近は、お湯で作れる、アルファ米とかできとって、口のところを巻いてお
けば、何回にも分けて食べれる。」

小父さん、山の必需品や、昔からのもの、新作、改良品など、とても詳しい。


「小てつさん、帰りに、百円均一に連れていってくれんか。」

小父さん、近所の薬局に注文していた「ハッカ油」が2瓶入荷したので、知り
合いに、百円均一の噴霧スプレーに入れて配るそうな。

「わしは、山では厳しいしな。」

小父さんは、よく言うが・・・、いえいえ、サービス満点です。


暑い暑い、梅雨明け夏も盛りのころの話



                        【 記: 小てつ 】

ヤマアジサイ