芦生 七瀬中尾根(トロッコ道七瀬から傘峠尾根)


七瀬中尾根ブナ



2009年5月4日(月:祝) くもり  森の旅人M



コース:
須後〜京大研究林入口〜トロッコ道〜カズラ谷〜七瀬谷(七瀬中尾根取付)〜七瀬中尾根〜傘峠尾根七瀬中尾根分岐〜P892〜ブナノ木峠分岐〜ケヤキ坂〜麗仙橋〜落合橋〜京大研究林入口〜須後





 芦生の山歩きが続き今回は,トロッコ道の終点七瀬から七瀬中尾根に取り付き,傘峠尾根七瀬中尾根分岐まで登りました。急斜面が続きブナ林と雑木の中,更にアセビが行く手を阻みます。コースを選んで尾根を目指しました。入山者も少ないためかマークはありません。静かな山歩きとなりました。

 ゴールデンウィーク後半に入り芦生に向いました。佐々里峠では八重ザクラが満開で見頃となっていました。須後の駐車場は,さすがに14,5台停まっています。ナンバーをみると大阪・奈良・三重・滋賀そして京都ナンバーと近隣車が多いようです。天気は下り坂,カッパ持参の山行となりました。現地に着くと天気予報よりよく木漏れ陽の中,入山を始めます。

佐々里峠の八重ザクラ トロッコ道

 研究林事務所を通り過ぎトロッコ道を七瀬に向います。灰野・赤崎谷・カズラ谷出合と歩き七瀬に予定時間に到着。全体にトロッコ道の状況は年々悪くなっており,自分で安全確保する必要があります。目に付いた花はタチツボスミレ・ミヤマキケマンなど先を急いだせいか数が少ないように思う。見慣れぬザイフリボク,ナツトウダイが目に入りました。誰にも会っていなかったのですが,七瀬で男性が一人休憩中でパンをかじっていました。挨拶をして,お互いに今日のコースを教え合います。男性は大谷一ボケから天狗峠に登り,カズラ谷を下ってくるコースを取るそうで,これを聞いて相当のベテラン山師らしいと思う。話しながら七瀬の渡河のためシューズから沢タビに履き替えていた。

 今日の由良川源流の水深は20〜30Cmと普段どおり。私が渡河の準備をしないのでシューズでは無理だよと言われる,沢タビの購入を勧めてくれる。10数メートルの渡河のために長クツ持参となるとロングコースに負担となるため今回は秘密装備を試すことになった。大きなビニール袋である。山師も少し興味を持ってくれたようである。一緒に渡河を始める,最悪ビショビショも仕方ない。渡河中はクツへの浸水より滑って転倒の方があり得るため注意しながら歩を進める,無事渡河完了。ビニールの中を見ると5Cmほど浸水していたが,問題なし。渡河後,山師と別れる。山師は源流を上流に向って行った。七瀬谷出合には,こんな奥地にもかかわらずオレンジのテントが一つ張ってある。

ザイフリボク ナツトウダイ
七瀬 イワカガミ

 七瀬中尾根取り付きと思われるマーク等全く見当たらないため,適当に登り始める。急斜面であるため四股を使っての山登りとなる。急斜面には盛りのピンクの花を咲かせたイワカガミの群生が連なっており気を使いながらの登りとなる。地質が軟らかく足場が悪い。時折,踏跡を見るがはっきりしていない。上方を見るとブナ林の中,アセビが被いかぶさっているので見通しが悪い。急斜面にアセビの群生が覆い直登は無理。左右に折れながら登っていく。中腹からブナの大木が見られるようになる,細い樹木は根元が雪で曲げられているためか,根曲がり状態である。自然の厳しさが判る。ブナの大木と隣には枯れた大木の二本が立っている。これは目印になる,また近くにはシャクナゲの群生。上方になってきた所で雑木も多く進めないため,大きくルートをアイノ谷へ振り南から尾根に向う。最後の急斜面を上るとようやく尾根に乗った。取り付いて丁度1時間かかりました。

根曲がり ブナ大木と枯大木
アセビの森 七瀬中尾根端

 小休止後,傘峠尾根分岐へ向うため北上する。尾根には,薄いながら道らしきがみられ,急斜面の何もないところを登ってきた者にとっては安心感を覚える。尾根は比較的細く,迷うことは無さそうである。すぐに急坂を登ると後は,比較的ゆるいアップダウン道の尾根道が続く。北東に尾根が向き,鞍部を越えて北に変える当たりでは真西にブナノ木峠が見える。中尾根分岐と思われる最後の急坂を登ると,少し広くなった尾根ではスギが多く鬱蒼としている。少し北に進むと中尾根分岐に到着しました。

七瀬中尾根 七瀬中尾根中腹
傘峠尾根七瀬中尾根分岐 ブナノ木峠遠景

 中尾根分岐の西鞍部で昼食を軽く摂る。天気は相変わらず曇り空であるが,降雨はなさそうである。昼食後は,傘峠尾根を西方向のブナノ木峠分岐へ向う。道は尾根道となっており,はっきりした踏跡が残る。枯れた大木のある位置では傘峠をほぼ正面に見ることが出来る,その先のピークの下りでは今度はブナノ木峠を正面に見る。見出杭M−8のあるピークでは南西から北西にとり,P892に到着。見出杭M−6がある。樹木で隠れて判りにくいが近くに「傘峠・中山方面歩道入口」のポールが立っている。ポールからしっかりした道が林道終点に道が着いている。

林道終点 若葉の森

 林道ブナノ木分岐まで辿っていく。新緑の深山の色と空気を体に受け止めていく。林道分岐から尾根道を下りケヤキ坂に出る。雪上車が今年はブナノ木峠登山口に3台停めてある。ケヤキ坂で昼食の残りを摂っていると,学生らしい男女が八宙中山林道からやってきた。久しぶりに人に出会う。二人は近くに止めてあった軽自動車で中山のほうへ行ったようだ。長い内杉林道を研究林入口に下っていく。林道脇を見ていくがこの時期としての珍しい野草も目にすることもなく楽しみがない。麗仙橋・落合橋を通り平坦路になる。ようやくイカリソウ,ヤマツツジなどを目にする。無事,研究林入口から駐車場へ戻るとまだ車は残っており朝より増えて20〜25台となっていた。復路の林道では,1組の男女に出会ったのみで,皆さんどちらに向われたのでしょうか。