小てつのよも山話(NO.67)
「雪の日はあついあつい 」

(同名絵本から引用させていただきます)


「う〜ん、行かないとしょうがないでしょ・・・。」



2009年11月29日(日)        小てつ








「哲郎さん、どないします・・・?」

「う〜ん、行かないとしょうがないでしょ・・・。」

 日付は11月3日である。間違いなく「文化の日」である。なのに峠には登
 れない、前に進めない・・・。雪が積もっているのである。

 土日、休日の仕事が続いて休みが取れなかった小てつであったが、前日の仕
 事がはかどり、どうにか3日の文化の日は休みがとれた。もし休みが取れた
 ら、その日はガイドの助手を頼むと小父さんから話だけは聞いていて、これ
 また次回山荘に行く折には声を掛けて、と聞いていたokaoka御夫婦にも声を
 掛け、「地下鉄国際会館駅」にて待ち合わせ、勇んで峠に向かったものの、
 中途で車が動けない。

 電波が通じないもんだから連絡の取りようも無く、車を捨て、歩いて行くし
 かないだろう。車を少しバックさせ、車道か小広くなったところに寄せる。
 車の置きどころが悪くて、山歩きをして車の場所に帰ってきたら、木から落
 ちてきた雪で、車が動かせなくなった'洛西なんとか・・・'さんの教訓を踏
 まえ、車の置き所は上をよく見て・・・。

 準備を整え歩き出すと、間もなく倒木が完全に車道をふさいでしまっている。

「こりゃ、行って教えないとダメですねぇ。」

 覚悟を決めて歩き出せば、重い雪だからアイゼンも要らず、ズンズン歩いて
 いくんだが、初雪に心もウキウキ、ペースもあがってしまってシンドイ、シ
 ンドイ。黄葉と雪のコントラストに、okaokaさんの以前の紀行文の話が出る。

「丁度、昔にこんな日がありました。二人で木をゆらして雪の上に葉っぱを落
 として・・・。」

「熊の足跡があった時ですね。」

「ははは、よ〜読んではる。」

 そりゃ小てつは、今では駄文の掲載をお邪魔させていただいているとはいえ、
 今も昔も、okaoka紀行文の熱狂的ファンの一人ですしねぇ。

「お〜い、生きてるか〜。」

 山荘付近まで来て声をかける。どうやら、全員無事のようでひと安心。でも、
 さすがに山歩きは'もちろん行きません'だそうなので、チェーンソーで、
 倒木を切りに行くという小父さんとも別れ、三人だけであたりを散策するこ
 ととなる。

 猫科の動物は獰猛なのが多いけど、猫系の人間は囲炉裏端でおとなしくして
 いるようで、犬系の庭駆け回り隊三人は、ここまできたら当たり前と、尾根
 道に入って行くのだ。そう言えば、去年の小てつの初雪は、11月23日の
 「桟敷ヶ岳」だったなぁ。落葉の上に雪が乗って、滑って怖かったのと、ス
 パッツのゴムに雪がこびりついて、歩きにくかった・・・。でもなんで、雪
 になると心弾むようになったんでしょうか。

「今はチベとうてアカンけど、若い頃は(高校時代、13kmを通っていた頃)
 雪が積もったら、はだしになって歩いてたもんですわ。
 10分も歩いとったら、ポカポカになってねぇ。
 はずかしいから、学校の近所にきたら靴履きましたけど、全然寒うない。」

 とは小父さんの話。

 初雪を満喫する三人なのだが、小てつが思うに・・・。
 本当に、okaoka御夫妻は仲が良い。哲郎さんが写真を撮るとなれば道子さん
 が先へ行き、哲郎さんが先を進めば、道子さんがそれこそイソイソと・・・。


 あ〜今年の雪の日はあついあつい
(って、okaokaさん達は雪でなくても・・・)

 京都新聞に掲載の写真と記事に、峠は積雪5cmとありましたが、京都新聞
 の車は峠まで登ってきていません。峠は実際、積雪20cmありました。



                        【 記: 小てつ 】

三人だけであたりを散策することとなる