小てつのよも山話(NO.56)
「小父さん 珍道中」


「そんなこと言いましたっけ?」 と小父さん
いつものW都合ボケWである



2009年7月27日(月)        小てつ








「そんなこと言いましたっけ?」

 と小父さん、いつものW都合ボケWである。

(都合ボケとは、都合が悪くなった時のみボケるという、小父さんの年代の方
 がよく使う手だ。別名WトボケWとも言う。)

 小てつは、京都生まれの京都育ち。漫才、落語、新喜劇で育ったものである。
 小学生時代、半ドンの土曜日は、家に帰ってまず漫才番組に始まり、松竹、
 吉本の新喜劇のハシゴをしないと週が終わらない。
 決して、「八時だよ全員集合!」ではなかったのである。

 余談だが、最近の新喜劇は、「泣きの芝居」の放送が少ないように思える。
 藤山寛美の時代には、しょっちゅう泣かせていただいたと覚えているが、
 最近はとんとそんな番組がない。それだけ客を芝居に感情移入させられない
 のか「吉田ヒロ」では泣けないかも知れないが、ここはひとつ「辻本茂雄」
 にでも、がんばってもらいたいものだと思う。

 さて最近、小父さんとの山行に、女性ゲストが加わることが多くなった。
 道中にぎやかになるのもいいことだし、なにより小てつには、小父さんが、
 少々加減をしてくれるので、助かるのだ。
 ただ小父さん、女性ゲストが加わると持ち前の「サービス精神」が出てしま  
 う。普通、女性にサービスなら「花のある場所」とか「絶景ポイント」とか
 に案内するのだろうが、小父さんの場合サービスの意味を間違っているので、
 超ロングコースや秘境の旅になるのだ。

 だから当然「珍道中」になるし、まるで「漫才」をしながら歩いているよう
 なものだ。
 オールラウンダーの小てつは、「姫様」が一緒の時には「姫様」が天然ボケの
 役をしてくれるので、ツッコミ役を担当するし、「捜査員I」が一緒の時には、
 「捜査員I」が、強烈なツッコミ役をしてくれるので、小てつは、小ボケ役に
 まわるのである。だから、分岐のピークで休憩の後、いきなり違う尾根に進
 んでみたり、なかなか小ボケ役も大変なのだ。

 さて今回も例にたがわず超ロングになってしまった山行の最後のほうで、

「後10分ほどですしな。」

 と小父さん。で、結局30分ほどして、

「小父さん、さっき10分って言わへんかった?」

「そんなこと言いましたっけ?」

 とW都合ボケW炸裂である。
 なんか昔々、聞いたようなフレーズやぞ・・・。


「お客さん、あれWじゅっぷんWと読まはりましたんかいな。
 あれはWじゅっぷんWやのうて、
WじゅうぶんWと読んでもらわんと・・・。」


 確か、桂米朝師匠の声で聞いた落語ネタやぞ  という話



                        【 記: 小てつ 】

バイケイソウ