小てつのよも山話(NO.36)
小父さん 「泥棒する」


山にバール持って行って、何するん?



2009年3月8日(日)        小てつ








「小てつさん、もう時効の話ですけどな・・」

 また、怪しそうな切り出しである。

「もう40年以上も前の、会社員してた頃の話ですわ。」

 その頃に小父さんが勤めていた会社は、土曜日はいわゆる「ハンドン」、
 午前中でお終いだったそうで、

「かたづけとかして、三時すぎには自由になりますんや。
 それから内緒で、会社のバイクにバールを積んで、
 K山に走りますんや。」  (バールは、大きい釘抜きです。)

 山にバール持って行って、何するん?

「ハーケンをね、引っこ抜いてくるんですわ。
 あの頃は貧乏でね、ハーケン買うんも、高うてね。
 やわいお嬢さんルートのは、軒並み抜いてくるんですわ。」

 小父さん、また、山でとんでもない所業をやってた訳である。

「それを鍛冶屋に持って行ってね、まっすぐに打ち直してもらうんですわ。
 ほんで、また、日曜日にK山行って、新ルート開拓ですわ。
 ふたつほど、私の名前のついたルートが、ありましたんやで。
 男のルート、言うやつがね。」

 自慢げに、「男のルート」とか、言ってるもんじゃない。
 盗っ人街道やんか。


 もう40年以上前の話ですので、諸官庁の方々、大目に見てやって下さい
 と言う話



                        【 記: 小てつ 】

ハーケン買うんも、高うてね