小てつのよも山話(NO.59)
「小父さんはGPSがお嫌い」


「私は、あのテレビゲームみたいな奴が嫌いでね。」
と小父さん、GPSのことだ。



2009年9月1日(火)        小てつ








「私は、あのテレビゲームみたいな奴が嫌いでね。」

 と小父さん、GPSのことだ。
 先日の小てつと捜査員Iがお供をした超ロングコースに、例の「春に花咲く
 大木」のルートに、赤スプレーを吹き付け、小父さんに怒られた山岳会の幹
 部という人物を案内したのだそうだ。

 小てつは「何でまた?」と不思議なのだが、そこらへんが小父さんの小父さ
 んたる所以であり、お人よしで、変な奴と思いつつも頼まれれば案内もして
 しまう困ったものなのである。

 さて今回はその人物、やおら山中にてGPSを取り出し、操作をしだしたそう
 なのだが、

「着いてきまへんのや。
 気になって戻ってみると、画面を眺めて立ち止まっておる。
 現在位置を確認しとるそうやが、まだ慣れとらんのもあって、
 そんなことしとったら時間かかって仕方ないんや。」

 のだそうだ。
 あのロングコースでそんなことをされたものなら、たまったもんじゃない、
 それこそ陽が暮れてしまう。

(現在位置は、周りの山見て覚えんと・・・。)

 が小父さんの教えであるから小てつはそのようにしているし、また、せっか
 く山にきて機械の画面を見てることもないだろう・・・と思うし、いろんな
 大事なものを見落としてしまう代償のほうが大きいように思うのだ。
 
 その人物は、とある山岳会の幹部で、またメンバーを案内するときのために
 道を開拓し、覚えたいらしいのだが、それなら余計に周りの特徴を覚えてお
 かなくては・・・と思うのだが、まぁ人は人。

「どっちにしても、機械ものは嫌いでね。
 カメラなんかも、私のはマニュアルですわ。
 高い山に行くと温度も低くてね、電池がすぐアカンようになるんでね。
 ピントも絞りも合せなアカン、手動式ちゅうやつでしか通用せんのですわ。」

 京都北山ならそれほどじゃないけど、事実、愛宕でも雪なら電池はすぐ無く
 なる。

 GPSもカメラも、良い悪いの話ではなく、好き嫌いの話なので、人は人なん
 だけど、小父さんの場合には、小てつが探しに行っても山のどこにいるのか
 すぐ分かるピーコンのような高性能の発信機を着けとけへんかと、伝書バト
 の小てつはいつも思うのである。


 小父さん、最近また鉄砲玉やしなぁ  という話  



                        【 記: 小てつ 】

やおら山中にてGPSを取り出し