小てつのよも山話(NO.38)
小父さん曰く、「山は癒す」


四合目ほどのところで、ある男性が、
参道に座り込んでいたそうな。



2009年3月22日(日)        小てつ








「小てつさん、もうかれこれ二十年前にもなる話ですけどね・・・」

と、小父さん。
その当時、まだ中学生だった息子さんと、愛宕さんを表参道から登ったらしい。
その時、四合目ほどのところで、ある男性が、参道に座り込んでいたそうな。
そういう時には、黙っていられない小父さん、声を掛けた。
話を聞けば、何でも、「糖尿病」を患い、医者から芳しくないことを告げられ、
それなら、「最後に愛宕山でも」と登りかけたが、もうしんどくて・・・、と言
う訳だった。

「最後に愛宕・・・」は、いかにも大げさとは思いつつ、それでも、しんどく
ならない山の歩き方など、ひと通り伝授して、別れた。
神社あたりで気にしていると、どうにか登ってこられたので安心したそうだ。

さて、それから半年ほどして、小父さんが愛宕山に登ってみると、その男性と
また会ったと言う。
男性は、一度登れたのが自信になり、また、病み付きになったと言うのである。
それに、医者から芳しく・・・と言われていた病状が進行せず、改善の方向と
の話だったそうだ。
病気の種類にもよるだろうが、山を歩くことで、癒された訳だ。

それからまた十年ほどして、小父さんが新聞を見ていると、ある記事が目に入
った。
あの男性が載っている。
愛宕山登頂1500回記念を、仲間や教え子に祝ってもらっている記事だった。
男性は、ある高校の校長先生だった。
闘病記じゃないけれど、山登りで病気を克服した話など、あちこちで講演など
もされているそうだ。



山では、きれいな花や景色だけでなく、いろんなことがありますね という話



                        【 記: 小てつ 】

病気の種類にもよるだろうが、
山を歩くことで、癒された訳だ。