小てつのよも山話(NO.42)
「小父さんのまわりの困った人達」


小父さん「春に花咲く大木」に案内したのだそうだ。



2009年4月19日(日)        小てつ








「小てつさん、この間、変な奴がおりましてな。」

 何でも南の尾根道の「炭買い道」分岐のところで休憩していると、一人の
 男性が現れ、話かけてきたというのである。
 その男性は小父さんに、こう言ったというのだ。

「はじめまして、私は、ここらあたりを熟知していて、もうここらあたりの主
 と言われています。」

 ここらあたりに五十年通い、山主さんからも管理の見回りなど任されている
 小父さんに、初めて会っておきながら「主」も何もないのだが・・・。
 まあ山で、そういう「肩書き」を自称するようなのに、まともなのはいない
 ような気もする。
 
 まあこういうのはかわいいもんで、どうも勘違いしている人も結構いるみた
 いで、こう言う話もあった。

 ある雪の多い時期に、どこかの教授連中のグループが、この山域に入りこむ
 のに、ふもとの「喫茶店」のおかみさんに、「登山届」を差し出したというの
 である。
 で、「喫茶店」のおかみさんに、ズバッと啖呵を切られた訳である。

「自分たちが今の時期の危ない山で勝手に遊ぶのに、何でこんなのを預からな
 いといけないの。
 こんなの預かったら、帰ってくるまで心配で、オチオチしてられないわよ。」

 まるで自分達の行動を正当化しているみたいだが、地元の人達にはたまった
 もんじゃない。まして、それで本当に遭難でもされたら村をあげての大騒動
 になるのだ。
 勝手に入って、勝手に遊んでくりゃいいけれど、変なものをかつがせないで
 ということだ。

 この「喫茶店」のおかみさんに、大人数で押しかけて、ケンもほろろに入店
 を断られたグループの方もいることだろう。また、それは有名なことである。
 しかしそれは、「気まま」からのことでは無い。おかみさんは、大勢でこられ
 ると、ちゃんと「おもてなし」ができないから断るのである。
 幾度も通えば、おおよそわかってくるもんで、そういう生真面目な方だ。


「小てつさん、この間、こんな奴もおりましたんや。」

 京都に昔からある山岳会の連中を、小父さん「春に花咲く大木」に案内した
 のだそうだ。(いきなり教えてまわるか〜)
 とすると、その道中後方で時折音がする、気になって振り返ると、スプレー
 を使っていたというのだ。
 小父さん、相当怒ったらしいが、古くからある山岳会のメンバーなのに何故?
 と、小てつにも理解できない。

「山は、皆のもの」と言うけれど、皆のものやから大事にせんといかんのに。

「そうよ小てつさん、山は皆のもの。
でも、私の「縄張り」は、私のもの。
その他は、皆のものやから、私のもの。」
 
(また訳のわからん理屈を言うて、ほな全部、山は小父さんのものやんか。
 そら自分の山で、いくら迷っても、怖いことなんかありませんねぇ。
 自分のもんやもん。)


片道1時間の話が3時間になってしまい、皆をヘトヘトにした時の話



                        【 記: 小てつ 】

片道1時間の話が3時間になってしまい、
皆をヘトヘトにした時の話