小てつのよも山話(NO.40)
「小父さんの見つけたもの」


三度目の正直ならぬ、四度目にして
やっと見つけた「春に花咲く大木」



2009年4月5日(日)        小てつ








「小てつさん、明日、また行きましょか。」

例の「春に花咲く大木」探索のお誘いである。
これまで、小てつがお供した回を含めて、三度、あの山域を探索に行っている
小父さん。春になるまでに、絶対、何とかしたいようだ。

前回、単独で行き、車で雪の林道に突っ込んでいって、案の上、スタックして
しまい、車を動かすのに2時間も損をしてしまって、おまけにスコップまで、
忘れてきてしまったのだと言う。
その時に、時間切れで行けなかった先が、怪しいのだと。

その道すがらで、聞いた話。

「もう四十数年前に、なりますけどな・・・。」

その当時、木を扱うことを生業にしはじめた小父さん。あるお寺に納める板の
入手に苦労したそうで、

「近在の銘木屋をあたるんやが、ラチがあかんでな。
それなら、現地に買い付けに行こうとなりましてな。
南の島に行きましたんや。」

入手に難航すると思い、三日の予定で行ったのが、なんと初日に見つかった。
そうなると後二日を遊びに使うのが、小父さんである。

「島で一番高い山に、登りに行きましたんや。」

で、その尾根筋で、見たこともない「大木」を見つけたそうな。

「旅館の御主人に、「大きい木がありましたで。」言うんやけど、今と違って、
 現像せなあかんから、すぐに写真も見せられんしなぁ。」

それから五年ほど経ったある日、

「新聞に載ってますのや。私が見つけた木が、「世紀の大発見」言うて。」

もうお気づきでしょうが、かの有名な「南の島の大木」のことなのである。
信じられないような話であるが、小父さんが、ウソや偽の自慢話をする必要も
ないのである。小てつは、ただただ、あきれるばかりなり。

「南の島の大木」の、手付かずの時を知っているから、「北の尾根道の大木」も、
「数千年を生きてきた。」と、断言できるんだろう。



「あった〜。あれや。」

三度目の正直ならぬ、四度目にしてやっと見つけた「春に花咲く大木」。

「いや、これでこの辺りの地形は、すっかりわかりましたわ。
 あんまり訪ねてきたことがなかったからなぁ。
 なかなか、おもしろいところですなぁ。」

おっと出ました、その結果オーライのポジティブな、お言葉。



どこかの誰かさんの何とかワールドと、よく似たこと言うてるなぁ と言う話



                        【 記: 小てつ 】

「やった〜。」