小てつのよも山話(NO.27)
「小父さんのザック」


「小屋にある、赤いザックを持っていくとええわ。」と小父さん



2009年1月6日(火)        小てつ








 「小屋にある、赤いザックを持っていくとええわ。」

 と、小父さんが言ってくれる。大きめのザックをくれると言うのだ。
 小てつは、最近、自分の装備で悩んでいるのである。

 元来、かつぐのが嫌で、重みのあるものや、よく使うものは腰ベルトに
 装着していてザックに入っているのは雨具とラーメンくらいだったのが、
 いよいよ冬に向け、全てかつぐような仕様にしなければいけないかな?
 と、思い出したのである。
 腰ベルトにあると、事あるごとに、いちいちザックを下ろさなくてすみ、
 まるで四畳半に、コタツとテレビ、みかん状態な訳である。
 スリーシーズンは、これで良いとして、雪なら、そうはいかない。
 
 比良や伊吹のような、木のない場所はあまり行かなかった小てつであるから、
 雨具にしても、今まではポンチョで済んだが、比良ではそうはいかない。
 ちゃんとカッパで武装しなければ、風にあおられる。そうなると腰の道具は
 雨ざらし状態になるのである。
 雪になれば、アクセスも公共交通機関にたよらなければ、となれば、帰りの
 バスで、ボトボトに濡れた腰道具はまずい。

 それに、基本の装備は別として、アイゼンなどは全て、揃え直しである。
 小てつのアイゼンは、もしもの時のためのもの。ザックの隅にでも入れられ
 るよう、わざと小さい軽アイゼンを選んだ。
 ストックにしても、小てつのストックは、「沢山」に行ったおりなど、蜘蛛の
 巣はらいに使用するのを主な目的としているチャチなもの。雪山に入るなら、
 しっかりとしたのがダブルでいるだろう。

 いろいろと偶然が重なり、思惑より急速に行動範囲が広がってしまった。
(はまってしまった訳である。)

「そらそうやで、基本はかつぎや。ザックはウチに5,6個転がっとる。
 遠慮はいらんで、持っていき。」

 と、小父さんは言う。

 で、Ikomochiさんにも相談してみる。

「腰には、何入れてるのん?」

 ええっと、ペットボトル、地図、磁石、高度計、コッヘル、バーナー、
 ボンベ、傘、ノコギリ、はさみ、カッターナイフ、マジック、ライター、
 薬類、カメラ(防水)、携帯(防水)ぐらいですかねぇ。

「濡れてもええもんばっかりやん。そしたら、そのままでええやん。
 自分のスタイル、そう易々と変えることないわ。」

 簡単、明瞭な、お答えであった。

「あの赤いのがええって、ぎょうさん入るで。」

 小父さん、小てつにぎょうさんW何をW入れさす気や???

「古いけど、しっかりしとるんやで、ヒマラヤ連れてった奴やから。」


 小父さん、悪いけど、そういう類のものは、記念館か何かできたときの
 ための「目玉」として残しておきなさい。
 そんなもんもろたら、何べんボッカせなアカンねん。

 山を比べる気はないけれど、「ヒマラヤ」と「沢山」(サワヤマ)を一緒にしたったら
 それはいくらなんでも、かわいそうやろう という話



                        【 記: 小てつ 】

沢池