小てつのよも山話(NO.64)
「三角点の話」


43番御堂奥から見た愛宕さん



2009年10月23日(金)        小てつ








 小てつは嫁さんと連れ立って、「御室八十八ヶ所」によく行く。嫁さんも
 愛宕さんは堪忍やけど、八十八ヶ所にならついて来る。
 標高200mちょっとの成就山だけど、バカには出来ない。アップダウンは
 結構あって、鎖場まであり、しっかり参ってまわれば二時間はかかる。
 43番お堂のわき道に愛宕さんの展望ポイントがあって、いつも立ち寄るが、

「今日は神社も三角点もよく見えるなぁ。」

 と話していると、ベンチに座っていた先客のカップルの女性が、

「あの〜、三角点って何ですか?」

 と聞いてきた。
 okaoka clubの読者の方々なら三角点のことは重々御承知でしょうが、山を
 歩いていても知らないという方も多いのも事実。山の頂上の印と思っていた
 り、一番高いところにあると思っている人もいる。

 事実、愛宕神社の裏側には、「入るな、どこまで・・・」の看板がかかってい
 て、きっと三角点が神社のあるピークにあるものと勘違いしている輩が、入
 っているんだと小てつは思っている。だから、同じ山登りのものとしては、
 少しはずかしく伏し目がちにそこを通っているのである。


 で、小てつは偉そうにも、そのカップルに一通りの説明をする訳で・・・、

・三角点は明治から三角法によって日本の国土を採寸するのに定められた
 云々・・・
・愛宕さんの三角点は一番高いところにあるんじゃなくて、神社をよけて、
 ひとつ北のピークにある云々・・・
・北にある次に高いピークは「竜ヶ岳」で、三角点は無いけれど、代わりに
 ケルンがあって云々・・・

 嫁さんは「すっかり体が冷えてしまった。」とブーブーだが、山のことは
 中途半端に出来ない。
(小父さんのがうつってきたか・・・?)

 今年は映画「点の記」が公開され、三角点を設置する苦労を知った方も多い
 ことだろう。映画のアルプスやその他の高い山なら、専門の「強力さん」が
 活躍しただろうが、京都の山の三角点なんて、きっとそこらの村の衆が借り
 出され普通のおっちゃん達が竹皮で包んだ握り飯だけ持って、むしろにくる
 んだミカゲ石を、ヒイヒイフウフウ担ぎあげたんだろうなと思うと、誠に申
 し訳なくて、いつも、

 ' 三角点デ〜ン'

 すらできない小てつであった  という話

(でも、ナッチョの三角点にバーナー置いて、よくラーメン作ってま〜す)



                        【 記: 小てつ 】

「あの〜、三角点って何ですか?」