小てつのよも山話(NO.39)
小父さん、ザイルをまとう


「私、先に行きますんで、ついて来て。」



2009年3月29日(日)        小てつ








「小てつさん、最初はこうまたぎますんや。」

(ええって、私は・・・)

「ほれで、こっちからまわして襟のところから・・・あれっ違うわ。」

(とんでもなく怪しい・・・)

「できたできた、こうや。ほんで、左手をゆるめながら降りますんや。
 私、先に行きますんで、ついて来て。」

(どうしても来いってか。)

「隊長、ヘルメットは?」

「40メートルありますんで、イチコロなんで、いらんでしょう。」

(どんな理屈や。そう言えば、ヤマケイに載ってた昔の人は、ノーヘルやった
なぁ。しかし、ええ歳こいて、何故に今から岩のまねごとを・・・)

「小父さん、これ絶対になんかひっかかるん違う?」

「どんなんにです?」

(勝手に生えているんやから、窃盗違うしなぁ。器物損壊でもないし・・・
 でも、ドライバーがびっくりして事故でも起こしたら、迷惑罪とかになら
 んか???)


「ほれ、全部採っていきや。ここのは、誰も採らんところやから。」

(小父さん以外、誰がこんな場所のを採りに来るか!)


例によって( )内は、小てつの心の声


スーパーでワンパック200円ほどで売っている獲物を、命がけでゲットする
男達の物語  という話



                        【 記: 小てつ 】

「ほれ、全部採っていきや。
ここのは、誰も採らんところやから。」