小てつのよも山話(NO.33)
小父さん 「若さの秘訣」


雪中にプラブーツを履いて、手製のワカンを装備した・・・



2009年2月16日(月)        小てつ








「小てつさん、明日の祭日、付き合いますか?」

と、小父さん。
実は、知人に、「春に花咲く大木」を探して欲しいと頼まれたのである。

何でも、この方も、知り合いに写真を見せられただけで、だいたいの場所しか
わからないのである。
この知人の方は、小父さんのような「登山家」ではないのだが、若い頃には、 
「キリマンジャロ」にも登ったらしい。ただ、その祝いにと、頂上でウイスキ
ーを飲んでしまうような方なので、皆さんの想像通りの、ちとややこしい人で
ある。
(御想像の通り、一口飲んだだけでフラフラになって、降りられなくなった
そうだ。当たり前だ。)

2年前に脳梗塞を患い、体の自由が利かなくなり、最近、何とか歩けるように
なってきたので、車で行けるところから、1時間程度と聞いたその場所なら、
自分も歩いて行ってみたいというわけだ。

小父さん、最初は情に流されて、引き受けた感があるが、先週、「雪中のほうが
見つけやすい。」と一人で探索したが見つからず、帰ってからも地図を広げて検
討し、だんだんと自分の宿題になってしまい、気になって仕方がないのだろう。
小てつも、こういうのは嫌いな方ではない。全く小父さんと同類で、ウカウカ
のってしまい、宿題を担ぐ破目になってしまうのである。

でもしかし、これが小父さんの「若さの秘訣」かも知れない。
よも山話に書こうと、あれこれ昔の話を聞きだそうとするのだが、あまり感心
がなさそうである。それよりも、今度行く山の話題になるのである。
丁度、大人気漫画の「岳」第七巻、第三歩、の中に出てくる「戸張さん」の様
である。

すぐに話題を見つけてきては、何とかクリアしようと手を尽くす。本当に、話
題の絶えない「爺様」である。

ただ問題は、情報通りの道筋は、積雪のため車の進入ができず、除雪のしてあ
る西側のバス道から、尾根を越して探索しているものだから困難を極めている。
さて、探索したものの、やはり見つからず、写真の撮影者に情報を求めに行っ
た時の事、

「ここにある神社の脇の橋から谷に入ってね、分岐を左に左に行くんですわ。
 私は、地図はわからんのでね。」

という程度。
その方、小父さんに、

「あなた行かはんの?
 結構、お年やのに、行けるかなぁ?」

小てつ、最初ムッとしたが、隣にいた小父さんを見て、我に返って笑いが込み
上げる。

(そら、街中で、小父さんを見れば、誰も信じられんやろうな・・・)


京都北山には、広大な山の中で、ただ一本の木を探しに行くのに、雪中にプラ
ブーツを履いて、手製のワカンを装備した、結構なお年の爺様がおりますので、
よろしくお願い致します。


「若さの秘訣」の、もうひとつの大きな要素の話は、また次回  という話



                        【 記: 小てつ 】

「春に花咲く大木」を探しに