親父の山歩き報告 (NO.31)
奈良台高、薊岳から明神平へ
初心者オヤジ今年初めての奈良の山


薊岳山頂、丁度おられた方にシャッターを頼みました



2009年 4月19日 (日) 快晴 洛西オヤジ






 こんにちは、洛西オヤジです。冒頭から申し訳ない書き出しなんですが、前回チョットだけ書いた1月末に入院した母親が亡くなりました、99歳とン4ヶ月の大往生でした。前回の鈴鹿の山行きの時も、いつもの朝一のご機嫌伺いに来られないので、前の晩「明日山に朝早くから行くさかいに 来られへんのや」と話したところ、入れ歯外したしわくちゃの顔で「そうか、何処行くのや、気つけや、危ない事したらアカンで」最後の最後まで心配をかけた極道な一人息子でした。「オカン、かんにんなあー」

 エライ冒頭から湿っぽい話ですんません。そうゆう訳でしばらく山行きも出来なかったのですが、チョット落ち着いたところで、前から気になっていた、台高の有名コース明神平に行く事に、 今回のコースです。(前回はコース案内忘れていましたスンマセン)

東吉野村、大又笹野神社−林道−大鏡池案内表示から−作業道−尾根−大鏡池−木屋ノ尾頭(尾根)−薊岳−尾根−前山−明神平−明神谷コース−林道終点(登山口)−大又林道−笹野神社所要時間7時間(一部親切な方の車に乗せていただきました)

 早朝5時洛西のあばら屋を出発、ナビ頼みで東吉野村に向かいます。よく判らないのですが、昔の伊勢街道なんでしょうか、大宇陀から全くのナビ頼みで奈良はいまだに何処をどう走っているのか、奈良の道は難しいです。予定より早く大又に着いたのですが、車を停める所がなく笹野神社の前を行ったり来たり、第一薊岳への取り付き口がわかりません。

 明神平の反対の国見岳への登山口はあるのですが、とりあえず出合った女の婦人(なんのこっちゃ)に駐車場と取り付き口を訪ねました。取り付き口は笹野神社の階段を上がってすぐに右に行く道があるとのこと、神社の駐車場はないとのことで、前回の鈴鹿、青川キャンピングパークで懲りているオヤジ、「有料でもいいので何処かありませんか」と尋ねたところ、少し下がった所に空き地があり、持ち主は大阪の人なんで停めてもいいが、親戚の人が管理されているので、必ず声を掛けてから停めるようにとのことで、家を教えてもらいました。

 早速空き地に車を停めて、挨拶に行こうとしていたら、向こうからオッチャンが恐い顔して、こちらに歩いて来ました。オヤジ恐る恐る「あのー此処に車停めてもいいでしょうか、あそこの家にことわりに行くように聞いたんですが」。オッチャン「ああそうかーわしがそこの者や、それやったらええのやけど、勝手に止めておまけに帰りにゴミまで捨てて 行きよる奴がいるのや」と話され、「何処からや、京都ナンバーやなあ、薊いくのか」。オヤジ「はい薊岳から明神平に、回ろうかなーと思っています」。「そうか7時間以上はかかるで、足に自信ないと結構キツイで」と親切に教えてもらいました。

親切なオッチャンに「写真撮り」と
いわれたしだれ桜
笹野神社、階段上がって
すぐ右の道に進めばよいとの事

 そこへ足がチョット不自由にされた、オバチャンが近づいてきました。オヤジが支度をしている間、二人で話をされていましたが、オヤジが支度を整えて「すんません、ほな行きます」と挨拶したところ、オジチャンが「登り口教えたる、しだれ桜綺麗やし写真撮ったらええわ」と親切に案内してもらいました。途中「あのなー今いたおばはんなあー 帰ってきたとき駐車場代払えとゆうてきても、絶対払らわんといてや、困ってるのや、車停まってるのを見たら、駐車場代やゆうて金せびるのや、インターネットにも載って有名なんやけど、なんぼ結うてもアカンのや、親戚の地主にも迷惑な話や」。

 えらい登る前から疲れる話やけど、ほんまに親切なオッチャンに見送られて、オヤジはエッチラ、ヨタヨタ、林道を歩き出しました。歩き出してすぐに気付いたのですが、国見岳の登山口の表示があった所の反対側の林道とすぐに合流します。そこは車も停められて、なんやそうかいなーと結う感じです。苦手な林道をひたすらエッチラです。

集落に入る手前の林道です。
此処を進むと神社からの道と
すぐに合流します。この林道の反対側に
国見岳への登山口の案内があります。
整備された植林地の作業道です。
この作業道に入る所に大鏡池への
案内が有りましたが、
写真撮るのを忘れました。

 やがて大鏡池の案内表示が有り(写真撮るの忘れました)作業道のような斜面を登ります。綺麗に整備された植林地の中をヨタヨタと行きます。ひたすらガマンの歩きです。途中正面の杉の木に青のペンキでハッキリと矢印が書いてあります。踏み込まれた道はまっすぐ登っているのですが、果たして矢印の方に行くべきか、踏み込んだ跡も見えます。

 普通こんな時は、なになに近道とか迂回してください、などの表示が在るのですがそれもないのです。とりあえず矢印の方向に進みましたところ、約10分最初あったふみ跡も段々薄くなりこらアカン、迷いそうや、今まで何度も痛い目にあっているパターンや、もとの矢印まで引き返すことになりました。約20分以上のロスです、本来のふみ跡に沿って行きます。

この矢印にふらふらと案内
されて20分以上のロス
やっと出てきた薊岳の案内、
まわりも尾根の雰囲気が、
やれやれ
大鏡池、祠も見えています。

 やっと尾根らしい雰囲気の所に出て、気がつくと池が見えます、大鏡池です。神社らしい祠も見えていますが、そのまま先を急ぎます。やはりオッチャンの「足に自信がある人で、7時間以上掛かるで」と結う言葉が自身の全くないオヤジを焦らしています。その辺りから先は、今までと違って尾根の雰囲気が出てきて歩いていても、天気は最高、ええなあーええなあー、そやけど結構キツイ歩きです。

待望の尾根歩きです、天気は最高 奈良の尾根らしい岩場が、
ええぞええぞこうこなくっちゃ
(なにゆうてんのや、恐がりのくせに)

 何とか11時過ぎに薊岳山頂に到着、山頂直下は岩場があり、奈良の山の尾根独特の登りです。岩にへばりついて登っている時、若い女性を先頭にした10人ぐらいのグループが降りてきました。登るオヤジに道を譲ってくれて、オヤジ「おおきにおおきに」「テン泊ですか」と聞きます。「はい明神平でテン泊しました」とのこと、そうなんです明神平は台高のテン泊メッカなんです。こんな若い娘がいるのなら今度オヤジもテントかついでこようかなあー(なにゆうてんね、年甲斐もない、アホカ)山頂には三人さんがおられました。

 東の方から林道を車で行ける所まで入ってきて、約1時間とチョットで着いたそうです。いろんなコースがあるのやなあーと感心するオヤジです。展望はお天気もいいし最高と言いたいのですが、この季節特有の良すぎて霞んでいます、スカーッと見えないのです。贅沢は言えませんねーありがたいと思わなくては、はい又ヨタヨタとバイケイソウが群生する尾根を明神平に向かいます。

薊岳から南の方向、写真で見ると比較的
遠くまで写っていますが、肉眼では此処まで
見えないです、(そらお前の老眼のせいやろ)
薊岳から明神平に向かう尾根、
バイケイソウがあちらこちら 群生しています。

 約1時間明神平の広い草原が見えてきました、お腹も減りました、久しぶりにラーメン炊いてご馳走さんです。カーチャン前の晩からおにぎり作ってくれてありがとう、感謝、でも思ったより登山者の姿が少ないなーと思いながら後始末して歩き出したら、下の方から15人ぐらいの団体さんが登ってきました。今度は毎度の、オッチャンオバチャン山歩き同好会です。オヤジはなるべく離れた斜面を降りて、閉まったままのあしび山荘の前から、明神谷の登山コースを降りて行きます。

やっとたどり着いた明神平、お腹空きました。 閉まったままのあしび山荘、後ろに見えて
いるのが、水無山から国見岳に向かう
ルートみたいです、山荘の前を通って
明神谷に下ります。
春の峠道、ええなーええなあー。 チョット危ない箇所もありますが、午前中の
薄暗い作業道よりは楽しいかもでも登りと
なればキツイかも(どっちやね)
ハシリドコロ チョット比良の奥の深谷の雰囲気ですが、
登山口近くです。

 今度は反対の伊勢辻山、国見岳、高見山の方もいいかなあーなどと思いながら、ヨタヨタと降りて行きます。こちらのコースは朝と違って完全な登山道、沢もあり滝もありでなかなか良い感じ、でもその先の長い林道歩きを思うと気が重いですが、歩かなきゃ帰れません。登山口に下りてきたオヤジストックしまい込み、ポケットに手を突っ込みチンタラチンタラ大又林道を降りて行きます。思ったより滝なんぞがあり、又見上げると山のそこかしこに桜も咲き残りチンタラ歩きも又ええかー。

 そんな時、ご夫婦と娘さんにワンちゃん(ブルドック)の三人と一匹の人達に逢いました。生け花に使われるのかなー枝を切っておられました。オヤジはワンちゃん大好き人間なので、ブルちゃんの頭をなでて暫しコミニュケーション、バイバイして又チンタラ歩いての大又集落に向かいます。そのうち車がズラーと並んだ所に出ました。

林道終点、登山口ですが、
明神平への案内は有りません
車止め、林道の途中ですが、
此処まで車は入れないようです
先ほどの車止めよりまだ下のほうにズラーとならんだ車

 ここで皆車を停めて登って来る事になったんや、まだ下まで相当あるなーと思いながら、又チンタラ下りていると、先ほどのブルちゃんずれの親子三人さんが車で通りかかり、「何処までいかれるのです、良かったら乗られますか」と嬉しいお言葉、オヤジ「ありがとうございます、お願いします、」とそそくさと載せてもらいました。

 「ワンちゃん飼っておられるのですか、犬もよく判っているので、犬好きの人にはすぐに甘えます」。オヤジ「今は丁度あいています、又縁があれば来てくれると思うのですが」。そんな話をしているうちに大又の集落に着きました。約10分ほど、でも歩けば大変な時間が掛かったと思います。丁重にお礼を言ってワンちゃんの頭を撫でてお別れしました。

どこにでもありそうな滝の名前です 大又の集落から少し下がったところにある
温泉廃校になった学校の校舎が宿泊設備に
なっているそうです。

 気になっていた、オバチャンも集金に現れず、拍子抜けですが、帰路に着きました。大又を出てすぐにふるさと村、やはた温泉と結うのがあって、奈良の山に来るとこの帰りの温泉が楽しみなんです。山に囲まれたそこかしこに温泉が点在しています。今回のやはた温泉は500円、湯船が一つ、露天風呂もないひなびた(?)温泉ですが、やわらかい質のオヤジ好みの温泉でした。ユックリ1時間ほど浸かり、春の夕闇迫る吉野路を帰って来ました。

 親切な大又のおっちゃんオバチャン、車に乗せていただいた愛犬家ご家族、危ない尾根の岩場で道を譲って待ってくれた若いおねーさん(まだゆーてんの)感謝、感謝、ああそれから、人の土地で駐車場代稼ぐ有名なオバチャン、帰りは現れなくて残念 感謝、感謝。


               【 記: 洛西オヤジ 】