皆子山/芦火谷/尾越


芦火谷渓谷を渡る



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2002 (14) 8.31 (土) 晴れ 哲、道 2人





駅 行き:JR堅田 8:44=(江若バス)=坂下トンネル前
駅 帰り:花背農協前 16:26=(京都バス)=北大路バス停



コース:
坂下トンネル前−足尾谷橋−発電所−林道終点−くの字木橋−ツボクリ谷分岐(芦火谷へ)−谷中洲−鎖場−滝−・・・−二ノ谷出合−久多尾越林道−尾越−大見町−小野谷峠−小野谷口−花背農協前バス停




注意:
ツボクリ谷分岐から、奥の芦火谷は崖沿いのコ−スで、数箇所道が崩壊しています。鎖場や岩へつりがあり、とても危険です。初心者の方は、決してトライしないようお願いします。落ちたら大怪我だけでは済みません・・・.。



MAP



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 皆子山(京都最高峰)を足尾谷から取り付く時、ツボクリ谷を取る。「ツボクリ谷分岐から 二の谷までの芦火谷は どんなんやろ」と、以前から気になっていたので、夏の終わりこの渓流沿いを歩くことにした。地図によればツボクリ分岐から二の谷分岐までは50分ながら(危)(迷)のマ−クがある。不安と期待を込め、いつものように坂下トンネル前でバスを降りる(自由乗降)。一緒に降りた女性二人も皆子山へ行くそうな。

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足尾谷林道 中村発電所付近

 足尾谷橋からの林道は、渓流美と野草でいつも満足する。谷の反対側から犬がワンワン鳴き続けている。野犬なのか誰かが連れているのか「でも、こんな崖の上で何しているんやろ」。大きい声を出すと静かになった。今日は不順な天候で、晴れているかと思ったら、すぐ通り雨がパラパラ・・・。これの繰り返しだ。岩場が予想されるのに「いやな天気だな〜」。

 林道終点へは30分で着く。そこにはキンミズヒキがたくさん咲いて綺麗だ。道子がスパッツを着けている間に、女性二人はスタスタと追い抜いて行く。小休止していると、道子は先の木橋を渡り、先へ進もうとしている。「いやな渓流の橋は早く済ませたいのかな〜」と後から続く。野草をデジカメに収めながら進むが、雨が降ると時間を要す。「水中用のデジカメでも買うか」。

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林道終点から最初の木橋 大きい岩がゴロゴロ
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くの字の橋に、やっと慣れた道子

 岩を越え、木橋を渡り、何時ものように進むが、「あ〜あ、又降ってきた」。小雨ですぐ止むので、雨具をつけるタイミングを失う。又すぐに晴れてくる。皆子山コ−スは哲郎のお気に入りで、いつ来ても新鮮に感じる。林道終点からツボクリ谷分岐まで約30分で着く。「お〜い、こっちや」と谷に降りた道子を呼び返す。道子へは「今日はアシビ谷を 真っ直ぐ行くのや」と言ってあるが、どうもピンとこなかったようだ。

 早速分岐から芦火谷の奥へ進む。山沿いの道はすぐ谷に面してくる。とすぐに先を行く道子は立ち止まる。「あれ〜 道がない」前方にあるべき道が崩れていて、崖そのものではないか。芦火谷は左下数十mにある。分岐からまだ5分も経っておらず、引き返すのもつまらない。前方を良く見れば道らしきものが確認できる。「ここを数m渡れば 向こうは道や」と足場と手の位置を確認しながらユックリ渡る。

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ツボクリ谷分岐 道無き崖より左下に芦火谷を見る
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←あっち

 やっと渡り終え道らしいところを進むが、崖の中ほどにある道は風化して歩きにくい。そのうちだんだん草が増えてきて、大きな杉の木が数本ある小広場へ出る。山手の木を見ると、この付近まで杉が植林されており、と言うことは林業者が行き来しているはずだ。「いったい、どこを通って来るんだろう?」しばらくすると道は谷に下り、辺りは自然林に覆われ、素晴らしい光景に出合う。

 あの崖からは想像も出来ない光景に、二人は感動する。「素晴らしい、これが北山だ」と気に入った場所で小休止とする。地図で確認すると全体の1/3も進んでおらず、すでに1時間も要している。先が思いやられる。「さてこれからどっちへ」と行きてを探すが、どこも進めそうもない。河原にある木の枝に「←あっち」と書いた道標を見つける。「ありがとう」である。谷を渡り左手の山に取り付くが、すぐに高度をあげ谷沿いの道となる。右下の谷は岩が大きくなり、まさしく渓流という感じである。突然谷の真上の岩場で行き止る。

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斜面を降りると静かな流れが 素晴らしい、これが北山だ

 垂直な数mの岩場、よく見ると木から古びた鎖が垂れている。まずは哲郎が、鎖の安全性を確かめるように先に降りる。次に道子だが全く進まない、「右手はここ、左足はそこや、鎖を両手で持つな、左手は・・・」と指示する方も疲れる。谷に降り立つと、まさしく渓流美、切り立った崖の間に大きな岩が点在し、その間を水が流れる・・・。

 先を急ごう。谷を渡り目の前の急斜面を上がる。対岸の細い木にテ−プがあり「ここだよ」と教えてくれる。途中で大きな岩にさえぎられるが、またテープのお世話になる。この付近テープがなければ迷う所だ。自分で切り開いて進んでも良いが、崖が多く危険だ。道は相変らず斜面の中腹を進んでいる。

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降り立った鎖場 立派な滝
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茨工KNの道標

 左手に大きな滝が見えてくる。20mあるだろうか、上部は二条になっており「立派な滝やな〜」、我々は北山の秘境に来たようだ。小雨でかつ進行が遅れているため、十分鑑賞できないのが残念だ。前を行く道子が立ち止まっている。また難所に来たようだ。くの字に谷が入りこんでいる岩場を渡らねばならない。適当にロ−プがあるが十分ではない。おまけにこの雨「ついていないな〜」と慎重に渡る。ここも両手・両足の位置を指示しながら渡る。

道はさらに急斜面を上がっていく。斜面の途中に北山で見慣れた「茨工KN」の道標を見つける。「ここにも 来てたのか〜」と斜面だがここで小休止といこう。突然「ひぇ〜、ここ、ここ、はよ〜してな」と道子が叫ぶ。見ると手首にヒルが吸い付いているではないか。「はよ、タバコや、火や」と言うが、急斜面で風も強くなかなか火がつかない。やっとヒル退治し小休止する。

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どこも急斜面 モミの木かとても痛い
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尾越へ→

 「さあ、出発や!」という時哲郎の指の付け根から血が垂れている。「アレ〜、こんな所を」と消毒しバンドエイドする。二人とも手から血を流しながら進んで行く。やがて、大きな岩の上に出てきたので昼食とする。「いつまで続くんだろう、この道」といいながら早々に発つ。モミの木か先ほどからチクチクと痛い。「痛いのよ〜これ」と木を払いながら進む。

 前方にまたクの字切り込んだ谷が見えてくる。「これが最後みたいや、慎重に行こか」。両側に中途半端なロ−プがあるが中央は何もない。難所だ。又例の様に「右手はこの岩、左手はここ」と道子に指示しながら進む。ロ−プを強く引っ張ってみると古いのか先が切れてしまう。ロ−プは使わないように道子に伝える。

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穏やかな林へ/出口は近い キタヤマブシ(トリカブト)

 難所は谷より高い所にあるが、渡るのに集中しているためか恐さは感じない。やっと難所を越え二人はお茶を飲む。暫らく進むとテープが真っ直ぐな急斜面の登りへと導く。5分も登りきると踏み跡の確りした水平な道に出合う。まだ山中であるが「あ〜これで一安心」と二人は感じた。

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林道 久多・尾越線 尾越−大見町−小野谷峠−小野谷口へ

 道は静かに下り川沿いの静かな森に出合う。「あ!小屋や」と道子が叫ぶ。そう安堵の叫びであろう。すぐに二の谷に出合、詰めて行くと、前方が明るくなりコンクリ−トの橋が見えてくる。久多・尾越の林道である。遅くなったので(地図で50分が3時間かかった)大見町から小野谷峠を抜けることにする。橋の下に咲くキタヤマブシ(トリカブト)が、今日は特に綺麗に見えた二人である。

                         『記:哲郎』



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主はその高殿から山々に水を注ぎ
地はあなたのみわざの実によって
満ち足りています

詩篇【 104:13 】
キンミズヒキ


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