八淵ノ滝


写真
大摺鉢「八淵」と刻んだ石



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2001 (13) 10.13 (土) 雨のち晴れ 哲、道





駅 行き:JR京都駅 9:14 − JR近江高島(江若バス10:28)−
   ガリバー村バス停
駅 帰り:山麓駅バス停 − JR比良駅 16:33 − JR京都駅



コース:
ガリバー青少年旅行村〜大擂鉢〜貴船の滝〜七変返し〜オガ坂の分岐〜次郎坊〜山上駅〜山麓駅




MAP



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 「ヒエー どうしよー」と道子は「障子の滝」の手前で仁王立ち(女仁王)になった。今日は滝めぐりと決め込んで「比良の八渕の滝」へ出かけた。

 晴れていた京都から近江高島へ向かう途中、JR湖西線から比良山系を望むと、どうも雲行きが怪しい。バスで「ガリバー村」へ向かうが途中で降ってきた。遠くに見える「蛇谷ヶ峰」も霞んでいる。ガリバー村では本降りになってきたので、今日は遊歩道散策で引き返そうかと思案したが、何となく雨具を付け二人は遊歩道を進んでいた。

雨の中、遊歩道を進む 「魚止の滝」は難なくクリアー

 「初心者危険・魚止の滝へ」の標識を目にする頃、雨は上がり日が差してきた。これ幸いにと「魚止の滝〜障子の滝コース」へ進んだのだ。「魚止の滝」は難なくクリアー出来たが、「障子の滝」の手前で立ち止まった。大きな岩の合間から対岸を見るが、目の前の急流、対岸の断崖絶壁。雨上がりのせいか、渓流渡りが嫌いな道子は「コワイコワイ」を連発した。良く見ると対岸の岩壁に黄色いクサビが撃ってあり「これを登れ」と誘っている。対岸には急流をまたいで渡るが、渡れるかどうか微妙な距離だ。幸いにも石に大木が挟まっていてこれを利用して何とかたどり着いた。「おー、怖かった」クサビの岩壁登り、次は鎖の岩壁登りと緊張の連続であった。やっと岩壁の上に立つがここから20m位の急勾配の岩登りが待っていた。鎖と木の根を頼りによじ登ってやっと山道にたどり着いた。

クサビの岩壁登り、次は鎖の岩壁登り 大摺鉢で大学生と昼食

 「雨上がりの岩登りって危険や。疲れたなー」と哲郎はタバコをくわえ、小休止。雨の岸壁と道子の「コワイコワイ」の連発で疲れてしまった。まもなく「こんにちはー」の挨拶、ゾロゾロと遊歩道からの山道を数人が楽しそうにやって来た。「あれー、バスで一緒だった大学生グループではないか、そうか雨宿りしていたのか。それにしても楽な道を歩いているなー」。こんな雨上がりに危険なコースをトライしているのは我々二人だけであった。

 ここから少しで「大摺鉢」だ。大学生とともに昼食とした。「八淵」と刻んだ石の傍で写真を撮るが、本に載っているようなスケールの大きさが出ない。「水が少ないのか、構成どりへたなのか・・・」、「期待していた程ではないなー 大摺鉢って」。大きい背の高いザックを背負っている大学生は、きっとここから武奈ヶ岳の方へ向かうようだ。

落差50mある貴船の滝 ここにも鎖「貴船の滝」

 我々は先に出発した。大摺鉢のフチを這い上がり滝の上部を渡り「貴船の滝」へ向かった。周囲の木々は色つき始めたばかりで紅葉を楽しむには2週間早そうだ。「貴船の滝」が見えてきた。「エーー」また道子が叫んだ。前のグループが数mの岩壁を鎖に伝って谷を下りているではないか。対岸には登りにくそうな10mの岩壁登りが待っている。「あまり近づくと、急かして悪いので、ゆっくりにしよ」と道子が言うので、彼らの行動を遠くからウォッチする事にした。前方には50mはあると言われている「貴船の滝」が。さすがに素晴らしい。なにが素晴らしい−って、「何となく」です。何とか谷に下り、また鎖で岩を登って行った。最初に「障子の滝」を経験しているので思ったより楽に登って行った。

鎖に捕まって貴船の滝壺へ下りる 高いハシゴや岩へつり

 ここから岩場をぬって「貴船の滝」へ向かう。滝の上流には高校生の慰霊碑が岩にはめ込んであり、「どうぞ、皆さん読んでください、この詩を」と岩が話し掛けているようだ。ここから「七遍返しの滝」が続き目を楽しませてくれる。途中の岩肌には沢山の「ダイモンジソウ」が健気に咲いている。「もうキツイとこないよ、貴船の滝で終わりや」と道子を安心させる。そこには高いハシゴや岩へつりがあったが、道子はスイスイ進んで行った。谷が穏やかになった頃、「牛コバ」との分岐より左の山道を進む。遠くに武奈ヶ岳が見える頃、道が凹状にケズレ歩きにくい小川を歩いているようだ。やっと谷をつめ尾根にたどり着いた。

ダイモンジソウ 花が大の字 リフトで下山 前方に琵琶湖

 今日はイン谷口まで歩く予定だったが、雨の滝めぐりと道子の「コワイコワイ」で気も心も足も疲れ、リフトで下山することにした。「アー、楽だなー」と前方の琵琶湖をぼんやり眺めるが、頭の中は今日の「八渕の滝」で一杯であった。



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主が岩を開かれると、水がほとばしり出た。
水は砂漠を川となって流れた。

詩篇【105:41】
「アー、楽だなー」と


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