武奈ケ岳(御殿山〜西南稜〜細川道)//比良
2010.02.20


御殿山から今日は見える武奈ケ岳を眺める



2010.2.20 (土) 曇り  哲、道





行き:出町柳バス停(京都バス)7:45 − 坊村バス停
 
帰り:細川バス停 15:37(江若バス) − JR堅田駅 16:38
   −JR京都駅



コース:
坊村バス停〜明王院登山口〜846地点〜夏道分岐〜御殿山〜ワサビ峠〜西南稜〜武奈ヶ岳〜北稜細川コース取付〜(岩)〜706地点〜直登コース出合〜直登/巻き道分岐〜細川登山口〜墓〜細川バス停


注意:
■細川道は細川バス停から登る時は問題がないが、下る場合は標高1000m付近にある尾根分岐で、右の北向きの尾根をとり、P706へと進んで下さい。









 もう2月の中旬を過ぎているが、今年の比良山系の積雪は一向に増えてこない。比良山系上空はいつも雲におおわれているものの、雪はそんなに降っていないようだ。「雪が なくならないうちに」と武奈ケ岳へ出かけることにする。

 出町柳7時45分発の朽木行のバスは、約20名の登山客を乗せて定刻に発車する。賑やかな男性は蛇谷ケ峰、後ろのカップルはシラクラだろうか、バスの中に会話が飛び交う。平と坊村で数名降り、今日は多くの乗客を乗せてバスは奥へと発車する。坊村バス停のトイレの前で準備していると、車でやって来たグループが、橋を渡ってやってくるのが見える。「明王院の登山口で アイゼンを付けよう」とアイゼンを持って登山口へ向かうが、明王院周辺に雪は全くなく、ザックにしまうことになる。

坊村周辺の山々に雪は見えず アイゼンを持って登山口へ向かうが
ザックにしまうことになる

 植林地をジグザグに登り始めると、後ろからグループがやってくる。我々と抜きつ抜かれつつのグループは、同じペースで整然と一定のスピードで登って行く。我々は標高600m付近で「雪が多く 滑りそう」とアイゼンを付ける。植林地を抜けると、標高700m付近の小さな鞍部から尾根を乗り換えるのだが、今日は積雪が少ないのでトレースは夏道を登って行きP846へと続いている。

標高600m付近でアイゼンを付ける 標高700m付近で尾根を乗り換えるのだが

 我々もトレースに従って登って行くと、後ろからあのグループが続いてくる。この道も積雪時は急坂のように思え、道子の足は中々進まない。やっと登り切り「ひと休みや」と尾根の広まった所で休憩しようとした時、目の前で休憩していた男性が、「あの先日の〜 蓬莱山の方ですか?」と声を掛けてくれる。彼は「生駒から来た」と言っていた人で、我々のことを覚えていて同行の方に「蓬莱山でお世話になった」と説明している。その時彼は「蓬莱山のスキー場から 金毘羅道を下った」と言っているので随分と健脚のようだ。

 我々はさらに休憩していると、例のグループが目の前を通り過ぎて行く。先頭のリーダーだけスキーをかつぎ、 後ろに整然と続き「何や 何処かで見たことがあるな〜」と哲郎。皆が通り過ぎた後、我々はゆっくりとP846を通り過ぎて行く。標高850mを過ぎると、巻き道の夏道と尾根道の冬道との分岐に出合う。トレースは二分していて、この積雪量ならば夏道も歩けるようだが、久し振りだと直進して尾根道をとる。

例のグループが目の前を通り過ぎて行く 巻き道の夏道と尾根道の冬道との分岐に出合い
久し振りだと直進して尾根道をとる

 この道は一登りした小ピークを少し下った鞍部から、北側に急斜面が続く細い尾根を登って行くのだが、今年は雪が少なく安心して登って行ける。そのうち標高1000m付近にある見晴台に着き小休止する。ここで出合う夏道にトレースはなく、「皆さん 何処へ行ったのやろか?」と言っているうちに、登山口で一緒だった男性が夏道からやって来る。「あのグループの後ろを 追って夏道へ進入したが 彼らは変な所を登って行った」と言っている。我々は先に御殿山へ向かい、山頂から今日は見えてくれている武奈ケ岳を眺める。

見晴台から「あーしんど!」と御殿山へ もうすぐ御殿山

 まだ12時前だが、お腹がすき「下のワサビ峠で昼食としよう」と、峠へと一気に下る。標識もはっきり見え、雪の少なさを感じるワサビ峠。風の当たらない所で、雪の中に立ってオニギリを食べていると、再びあのグループがやって来る。先頭のリーダーは山スキーでスイスイと進み、その後を整然と一定の速度で通り抜けて行く。どう見てもワカンは不要だが、今日はワカンを楽しむのが目的のようで、トレースのない所を選んで進んでいるようだ。この光景に哲郎は何故か笑ってしまう。

 10分の昼食後11時50分、我々も西南稜へとベニドウダンのトンネルの中を歩き始める。西南稜の最初のピークに着くと、さすがに北風が強くなり粉雪も舞ってきたので、フードを着け歩き始める。それでも強い風で左側の頬に違和感を覚え、時々頬をたたく哲郎。今日は目の前に武奈ケ岳がぼんやりと見えているので、目標がはっきりしていて良い。次のピークから急な登りへと変わるが、この付近は風が強くほとんど積雪がない。

「下のワサビ峠で昼食としよう」と 西南稜から武奈ケ岳

 やっと、イブルキノコバからの道に出合い山頂へ向かう。山頂では先程のグループが、風をよけ東側にかたまり昼食中のようだ。我々は休むことなく北稜へと歩を進める。前方のツルベ岳や遠くの蛇谷ケ岳はぼんやりしているが、それを見ながら細川道の取付に向かう。最初北稜を誰も歩いていないと思っていたのだが、北寄りの雑木の中へと消えて行くトレースがあり、どうやら一人細川道を歩いているようだ。

武奈ケ岳山頂 釣瓶岳や蛇谷ヶ峰を見ながら
細川道の取付に向かう

 細川道の取付は、北稜が細川峠へと急に下り始める手前にあり、雑木に数個のマークが付いている。先程のトレースは尾根の中ほどの雑木の中に続いているが、我々は本来の道に沿って歩いてみる。それでも道子は、すぐにトレースの上を歩き始める。この尾根の積雪は80cm程度だが、しまっていて全く問題なく歩ける。

 最初は細い尾根で、ベニドウダン等の雑木の中を下って行くのだが、下の方に大きな杉の木が見えるので、これを目標として下るとよい。尾根は少しずつ広がって行くが、それでも細い尾根なので迷うことはない。目標にしていた大杉の右側を通り過ぎ、標高1080m付近で少し右に寄り下って行くと、標高1000m付近に尾根の分岐があるので、下る場合、注意が必要である。

細川道を下る 下の方に大きな杉の木が見えるので、
これを目標として下るとよい

 今まで西寄りに下って来た尾根から標高1000mで北向きの尾根に入る。この尾根はしだいに西に向き、P706へと続いている。雪はまだまだ深く、急斜面を下る時は問題なさそうである。トレースをよく見ると、今朝一人で登って来たようだ。哲郎は下りやすい所を歩いているが、道子は相変わらずトレースの上を歩いていて時間がかかるので、「上りやすい所と 下りやすい所は違う トレースをあてにするな」と道子に言う。

 尾根が西に向いて来ると、気になるのは岩がたくさんのぞいている急斜面である、積雪が多い時や雪のない時には問題がないが、中途半端な雪の量の場合は、滑らないよう注意が必要となる。どうやらその急斜面に来たようで、二人とも注意して下って行く。石の多い急斜面を抜けると、P706周辺の尾根の広がりが少しずつ見えてきて、下りきるとP706がある緩やかな林の中に立つ。

雪はまだまだ深く、
急斜面を下る時は問題なさそうである
P706周辺の尾根の広がりが少しずつ見えてきて

 二人はここでゆっくり休憩をとる。しばらく緩やかな雑木の尾根を下り、少しだけ尾根の右側を下って行くと、細川への北寄りの尾根に入る。もともとこの付近から山道があるはずだが、雪で分かりにくい。しばらく下って行くと、植林地に入り適当に下って行くと、やっと直登道と左手の谷へ下り、斜面を巻いて行く道の分岐に出合う。

 「まだ標高500m以上ある!」と細川までは、まだまだのようだ。積雪が少なくなったので。左手に折れ斜面の巻き道に変わる。雪も少なくなり「歩きにくい!」とここでアイゼンをはずし、ゆっくりと下って行く。最後は大きく折り返し送電線の下をくぐると、細川道の登山口に出合う。出合った作業道を右にとると、お墓に出合い舗装道に出合う。

少しだけ尾根の右側を下って行くと
植林地に入り
左手に折れ斜面の巻き道に変わる

 この道を下って行くと、すぐに細川バス停に着き、手前の八幡谷に降り靴やストックやスパッツを洗う。今日は早く降りフキノトウを摘みながら、梅ノ木へ向かう予定だったが、少し遅れてしまい、それに少し時雨れているのでバス停横の軒を借り、バスを待つことにする。いつもノコノコ出てきて、日向ぼっこをしているお爺さんお婆さんも、寒いためか今日は誰も出て来ない。「フキノトウは またにしよう!」とやって来たバスに乗りJR堅田駅に向かう。











しかし、
私自身は、
この足がたわみそうで、
私の歩みはすべるばかりだった。

詩篇 【 73−2 】
細川バス停/生そばの看板も目に付く