藤原岳(聖宝寺道〜大貝戸道)//鈴鹿
2010.03.13


一瞬ガスが切れ「あ!きれい!」と道子
藤原山荘付近の丘陵で



2010.3.13 (土) 曇り時々雨  洛西オヤジ、哲、道





行/帰:車利用
コース:
西藤原小学校前 観光駐車場〜鳴谷神社〜聖宝寺〜(聖宝寺道)〜8合目大貝戸道出合〜藤原山荘〜天狗岩往復〜藤原山荘〜8合目分岐〜(大貝戸道)〜神武神社〜藤原岳登山口休憩所〜西藤原小学校前 観光駐車場




 洛西オヤジさんより「何処か出かけましょうか」とお誘いがあり、「それでは藤原岳の福寿草でも」と一緒に出かけることになる。

いなべ市を北上すると薄っすら見えてくる藤原岳

 トンネルを抜け三重県に入って明るくなり、「今日はまずまずの天気」と思っていたが、いなべ市を北上して行くと前方に山は見えない。西藤原駅に近づいてきた時、ガスが晴れ前方に採石場が見え、上の方が白くなっている藤原岳を見る。「アイゼン いるやろか?」と道子。「アイゼンなんか 持ってへん」とオヤジさん。

 目的の駐車場へ行く前に、大貝戸道の登山口にある休憩所に寄りトイレを借りるが、ここの無料駐車場はすでに満車である。大貝戸道と聖宝寺道の登山口のちょうど中間にある西藤原小学校、その前の少し下った所に広い観光駐車場がある。「さすが藤原岳」と思ってしまうほど、西藤原という所は登山者に優しい所である。

 駐車場に着くとおばさんがやって来て、「協力金300円 お願いします」と、これも安い協力金で京都では考えられないことである。駐車場は広く数台しか停まっていないが、もう少し春めいたら満車になるのであろう。この駐車場でゆっくり準備をしていると小雨が降り出し、上にレインウェアを着る。聖宝寺登山口へは標識に従い神社を抜け、階段を登って行く。これが結構長くて「ウォーミングアップにしては疲れる」とオヤジさん。

標識がたくさんあり登山者に優しい藤原町 聖宝寺登山口へは標識に従い神社を抜け
階段を登って行く

 階段を登り切ると小さな養鱒場があり、聖宝寺の間を横切り標識に従い登山口へと向かう。「こんな所に」と土手にスハマソウを見つけ、登山口入口にはミヤマカタバミが群生していて、「花が多い所や」と自然に感じてしまう。

スハマソウ かな? 聖宝寺の裏手を巻いて行く登山道

 南へ折り返した登山道は谷沿いで崩れているので、谷を渡り右岸の斜め前に造られた道を歩いて行く。ここは初めての哲郎、何処にどんな花が咲いているのか分からず、ただ黙々と歩くだけなので花にはお目にかかれない。登山道は急斜面の中ほどにあり、斜面を巻くように続いているが、細いので危ない所には谷側にロープが続く。

谷を渡り右岸の斜面を登って行く 細いので危ない所には谷側にロープが続く

 斜面の道も終わり、標高400m付近で谷の中を歩き、すぐに左岸の植林地へロープで一登り、スギ林の中をジグザグに登って行く。3合目で先客に追いつき一緒に休憩する。3合目、4合目、5合目と標高差250m位植林地の中の登りが続き、ちょうど比良の御殿山を登っているような感じがする。標高600mを過ぎ尾根が見えてくると、周囲は植林から雑木に変わり、足元に福寿草を見るが、雨の中いずれも閉じている。標高630mで道は西から南へと変わり、尾根に積雪を見るようになり、少し登って行くと、たくさんの人が休憩している6合目に着く。

標高400mから谷の中を歩き
すぐ先で左岸の植林地を上ると三合目
植林地を抜け標高630mで道は南へ変わり
たくさんの人が休憩している6合目に着く

 10数人のグループの手前で我々も飲水休憩とするが、このグループはなかなか出発せず、我々と同じように歩き始めるものだから、「我々も ゆっくり歩こう」とグループの後を歩くことにする。尾根の右手の小さな谷は深くエグレたまま、登山道と並行して続いている。登山道は尾根から外れ、谷傍の斜面の木の根道で、細くて歩きにくい。途中で先を行くグループの数人が立ち止まっていて、どうやら一人の女性がケイレンを起こしたようだ。「最近ケイレンした人を 見たことないな〜」と哲郎、「人のいるとこ 歩かないからよ」と道子。

 道子がザックからエアーサロンパスを取り出し使って頂き、我々は先に進むことにする。しばらく谷の右岸を歩くことになるが、谷の向こうには雪の残った雑木の斜面が広がり、これを楽しみながら進む。「雨が降っていなかったら 最高の景色や」と思うが、しとしとと降る雨は止みそうもない。登りがちょっと緩やかになってきたと思う頃、標高850mで左からの大貝戸道に出合う。「帰りは大貝戸道にしよう」とオヤジさんは、先頭をきって進む。

谷傍の斜面の木の根道で、細くて歩きにくい 標高850mで左からの大貝戸道に出合う

 8合目から積雪も増え、登山道も雪で埋まり、解け始めた雪の中をペチャペチャと音をたてながら歩いて行く。ジグザグに斜面を登って行くと、道のそばの雪の割れ目に福寿草が続き、それを観察しながらゆっくりと上って行く。どの花も雨のため開いていないが、数が多いので十分楽しむことができる。

雪の中をペチャペチャと音をたてながら どの花も雨のため開いてくれないフクジュソウ

 福寿草が見えなくなると、ただ雪の中を歩いているだけで、「藤原山荘は まだかまだか」ということになる。標高1000mを過ぎると、ガスも漂ってきて、周囲の景色も見えなくなり、ただ黙々と歩くことになる。そんな中、突然目の前に建物が見えてきて藤原山荘に着く。「あ〜やれやれ」と避難小屋へ飛び込む三人だが、中は先客でいっぱい、皆さんの汗と熱気で蒸気が漂っている。まだまだ早い時間だが、ここで昼食をとることにする。

ガスも漂ってきて周囲の景色も見えなくなり
ただも黙々と歩くことになる
「あ〜やれやれ」と避難小屋へ飛び込む三人
だが、中は先客でいっぱい

 オヤジさんは階段で自作のお弁当を広げ、我々は立ってオニギリを食べているとベンチが空き、これもオヤジさん持参のコーヒーを頂きゆっくりと過ごす。外の様子を伺うと雨が上がったようなので、我々も小屋を出ることにする。「展望が望めないので 展望丘はやめ天狗岩へ行こう!」と外に出ると、丘陵はガスが漂い雪原が続く。歩き始めると数人が「迷うから」と引き返してくる。夏道には数人のトレースがあるので、我々は予定通り天狗岩へ向かい福寿草を期待する。

 丘のような広い尾根、我々は登山道のような所を選びながら進んで行く。緩やかに登って行き、雑木林の中に入ると、雪は深くなり雪見登山のようになる。緩やかな鞍部から西へ向き、雪の中を歩くのだが、岩の周りや木の根元の雪は解けていて、そこに福寿草が顔を出しているが、残念なことに暗いので開いた花はない。

丘陵はガスが漂い雪原が続くが
我々は予定通り天狗岩へ向かう
雑木林の中に入ると、
雪は深くなり雪見登山のようになる

 ガスが立ち込め緩やかな雪原、途中で標識に出合い、雪道では助かるものだ。白船峠(白瀬峠)との分岐に出合い左へとるが、白船峠へのトレースが続いているので「歩き慣れた人が いるもんだ」と感心する哲郎。しばらく雑木の中をゆっくり登って行くと、小さな石がゴロゴロした天狗岩に着く。当然ガスで周囲に何も見えず、「この下は崖になっていて ここは見晴らしが良いのであろう」と想像するだけである。

 こんな天狗岩、オヤジさんが自動シャッターで記念撮影をしてくれ、すぐに引き返すことにする。少しずつ明るくなってきたのか、心持ち開いてきたような感じがする福寿草を見ながら、雪の雑木林を楽しんで、藤原山荘へ向かう。この広い丘陵、雪の中、ガスが立ち込めて・・・、こんな状態なので「トレースがなければ 何度も道に迷うところだろう」と哲郎。十分雪道を楽しみ最後の丘を下る頃、「あっ きれい!」と道子。一瞬ガスが切れ、目の前に山荘がクッキリ見え、振り返ると美しい雪原が広がる光景を見る。しかし、それは30秒位の間で再びガスが漂い、もう明るくなることはない。

ガスが立ち込め緩やかな雪原、
標識に出合い、雪道では助かるものだ
「トレースがなければ 
何度も道に迷うところだろう」と哲郎
カルスト地形の岩の中を歩く 藤原山荘へ戻って来る

 藤原山荘に着くと、雨が上がっているので広場は多くの人で賑わっている。今登って来たグループは電車でやって来たようだ。トイレ休憩の後、我々は下山を開始する。暖かくなってきたのと、多くの人が歩いたから、もう登山道の雪はズルズルしてペチャペチャ、我々もペチャペチャとしぶきを飛ばしながら歩いて行く。

ペチャペチャとしぶきを飛ばしながら歩いて 八合目からの大貝戸道は植林地の中

 8合目まで続く福寿草は明るくなった分、少し開いてくれているようだ。8合目の分岐を右にとり大貝戸道をとる。植林地の中、だらだらと下る道が続くが、登山道は広く緩やかなので歩き良い。標高650mで折り返すように下ると、植林地は終わり雑木の中を歩くことになる。この道もなだらかで歩き良いが、いつまでも同じような景色が続き「変化がないな〜」とちょっとうんざりしてしまうが、オヤジさんのトークで持ちこたえる。藤原町の家々が大きく見えだした頃、やっと堰堤に出合う。

植林地は終わり雑木の中を歩くことに 藤原岳登山口休憩所に着く

 最後は神武神社の中を通り抜けると、明るくなり山麓の道に出合い、藤原岳登山口休憩所に着く。ここでドロンコの靴やストックや、スパッツを洗い、室内で服を着替える。洗い場やトイレ、休憩所と十分設備の整った休憩所なので、いつも京都北山や比良山系を歩いている我々は、「素晴らしい」と感謝する。ここで十分休憩した後、西藤原小学校前の駐車場へと歩き始める。オヤジさんありがとう!!






私の歩みは、
あなたの道を堅く守り、
私の足はよろけませんでした。。


詩篇 【17−5】
オヤジさんが自動シャッターで  天狗岩