廃村八丁(イワタ尾根〜品谷山〜ダンノ峠)//北山
2010.10.23


ダンノ峠から刑部谷コースを取る
この道は自然林が続き哲郎のお気に入り



2010.10.23 (土) 晴れ時々曇り  哲・道



行き:北大路駅前バス停 8:02(出町柳 7:45) − 菅原バス停
帰り:広河原バス停 17:00 − 北大路駅前バス停



コース:
菅原バス停〜ダンノ峠〜同志社自然環境研究室〜刑部滝〜四郎五郎谷出合〜廃村八丁〜スモモ谷〜右手の尾根(イワタ尾根と勝手に呼んでいる)へ〜品谷山〜ダンノ分岐〜ダンノ峠〜菅原バス停




注)
・同志社自然環境研究室から刑部谷へのルート、滝上から崖を下るルート、ロープ場はあるものの、もう一つの崖を下るルートより安全です。しかし、このコースも植林地の中、最後は道が怪しくなっているので、慎重に奈良谷へ下ることになります。

・廃村八丁・品谷山コースは、ガイドにも掲載されている一般的なコースですが、登山道は踏跡程度、分岐も分かりにくい所があります。地図、磁石は必携です。9月18日(土)に遭難されているので注意してください。


⇒ ココイマブログ 花背駐在だより 2010年10月 ◆花背管内ニュース 山岳遭難事案発生










 まだ紅葉には早いが、廃村八丁への道を楽しむことにする。北大路駅前バス停から広河原行のバスに乗るがすでに満員で、ここに我々と一緒にボーイスカウトの団体10名が加わり、寿司詰め状態で発車する。

 鞍馬駅で数名の学生、花背峠でボーイスカウト、花背山の家で学生達が降り、やっと座れる哲郎、朝から「やれやれ」である。そんな中、前方で悠然と座っている「おばさん山歩き隊」のTさんを見つけ「こんにちは!」。結局、ほとんどの乗客が菅原バス停で降りる。

 Tさんは14時のバスで帰るようで先に出発する。バス停前の橋の上には、ワンゲルの先生と学生達が残り、ミーティング中である。この先生、今どき珍しく「きびしい」いや「テキパキ」と学生達に指示をしていて、「初心者には、これくらいがいいだろう」と哲郎。

ホトケ谷道を進み 林道分岐から尾根コースに

 彼らの中から数名選ばれた先行隊がスタートして、「残りは10分後に、出発する」と声が飛ぶ。我々は先行隊を追うようにして出発するが、若い彼らは歩くのが早く、すぐに見えなくなる。ホトケ谷道を進み、林道分岐から尾根コースに取付登り始めると、下で学生達がウロウロしている。道を間違えて鈴の音を聞いて引き返したのか、ゾロゾロと尾根コースを登ってくる。

 彼らはトレーニング中なので先に行ってもらうが、ここでも彼らはすぐに見えなくなる。涼しいのだろう、難なく急登を登り切り、イワウチワの尾根をゆっくりと歩く。尾根から黄葉は見えないが、何故か秋を感じながら歩いて行く。ダンノ峠への急坂も軽々と歩き、峠に着き小休止する。休息が終わる頃、やっと下の方に登ってくる本隊が見えてくる。どうやら本隊はゆっくりと歩いているようだ。(彼らはダンノ峠〜佐々里峠へ行くようだ)

ダンノ峠に着き小休止 黄葉しはじめた自然林を楽しみながら

 ダンノ峠を下って行くと、すぐに八丁川の源頭に出合う。ここから黄葉しはじめた自然林を楽しみながらの歩きとなり、「いつきても いいな〜」と哲郎のお気に入りである。小さな流れも集まってきて、段々と谷らしくなる。しばらく広い川の端を谷沿いに歩くことになり、そのうちに大木を見て、同志社自然環境研究室の入口に着く。「今日は刑部谷へ行こう!」とはっきりしない分岐を左にとり、斜面の横道(踏跡)を歩いて行く。

そのうちに大木を見て
同志社自然環境研究室の入口に着く
はっきりしない分岐を左にとり
斜面の横道(踏跡)を歩いて行く

 所々で赤い葉を見るので、どうにかウルシの木だけは紅葉しているようだ。刑部滝上の崖に着き、今日は左手の斜面を下ることにする。この分岐を真っすぐに進むと、崖の中を急降下するロープ場があるので、左手の斜面を下った方が安全のようだ。安全と言っても、こちらにもロープ場があるので、慎重に下って行く。植林地の中、もう少しで奈良谷という所で、道が消えているので、歩きやすい斜面を見つけて降りて行く。

左手の斜面のロープ場 流れに沿って右にとると、刑部滝に出合う

 谷に出合い、流れに沿って右にとると、刑部滝に出合う。滝を流れる水は少なく「この先の渡渉も、問題ないだろう」と道子は一安心。この付近は刑部谷と呼ばれ大きな岩が目立つが、足元には流木が多く、少々荒れてきている。次は道子の嫌いなハシゴ場だが、ハシゴが朽ちてきているので、ロープを頼って下りることになる。

 滝の下まで下りて、以前に見かけたツルニンジンを探す哲郎、山合のツルニンジンは早いので、もうとっくに終わっているのか姿が見えない。谷沿いの道や岩場など、歩く所は以前と大きく変わっていない。所々で紅葉の始まりかけた雑木が目を楽しませてくれる。何度も渡渉を繰り返し、谷沿いの風景を楽しみながら歩けるこのコース、「いい感じだ」と二人は満足する。

ハシゴが朽ちてきているので
ロープを頼って下りる
最後はロープが張ってある渡渉地点に着くが

 そのうち四郎五郎谷に出合い、左にとると廃村八丁はもうすぐだ。谷沿いに倒木が多いが、難なく歩くことが出来る。最後はロープが張ってある渡渉地点に着くが、今日は川の中をジャブジャブと歩くことができる。もう廃村八丁は目の前という所で、先方からやって来るTさんに出合う、ハイカーの様子を聞き、14時のバスで帰ると言うTさんを見送る。

 廃村八丁に着き、「お昼にしよう」と広場でオニギリを食べていると、小屋の裏でグループの楽しそうな声が聞こえる。先方で一人の男性がウロウロしていて、道を確認しているのが見える。またスモモ谷方面から、女性や男性がやって来て、いつもと違って賑やかな八丁である。

14時のバスで帰ると言うTさんを見送る 小屋の裏でグループの
楽しそうな声が聞こえる

 食事も終わり、品谷山へ向かう。今日は、八丁から品谷山手前へ抜ける尾根を楽しむことにする。我々はこの尾根をイワタ尾根と呼んでいて、小てつさんによると「四郎五郎谷の分岐付近から、取り付くとよい」と聞いていたが、地形図によると「スモモ谷から目的とする鞍部付近へ、登ったほうが楽なようだ」と今日はスモモ谷から進入する。

 八丁川を渡り、植林地を歩き始めると、先ほど八丁を右へ左へとウロウロしていた男性が、追い越して行く。西から小さな谷を注ぎ込んでいる場所で、彼は地形図を見ながら谷の前で長考している。二人は彼を追い越して行くが、昼食前からウロウロしている彼が気になり、哲郎は戻って彼に声を掛ける。地形図を見ながら悩むのも山の楽しみなので、通常は声を掛けない哲郎であるが、余りにも長時間ウロウロしているので気になったのだ。彼はダンノ峠からやって来て品谷山へ向かうようだ。「ここで合っています!」と彼に告げ先へ進む。

八丁川を渡りスモモ谷へ 谷分岐の手前の斜面から
イワタ尾根へと取り付き

 右手の尾根がくびれて谷間が見えてくる。「この先を登るようだ」と言いつつも、もう少し進んで、スモモ谷の谷分岐があるのを確認する。谷分岐の手前の斜面からイワタ尾根へと取り付き、標高差50mも登れば鞍部に着くが、鞍部の北へ続く支尾根を詰めて行くことにする。

 最初は急斜面の植林地だが、ケモノ道を通って登って行くと、段々緩やかになり、すぐに尾根に出合う。疎林の尾根が続くが、ヤブではないので難なく歩くことが出来る。尾根に道はなく、ケモノ道を辿り、ほぼ尾根の中央を歩いて行く。登って行くにつれ、徐々に緩やかになるが、雑木が美しい訳でもなく、ただの尾根と言う感じがする。足元にはイワカガミやイワウチワが続くが、やがてアセビの低木に変わり、シャクナゲの木が増えてくる。

やがてアセビの低木に変わり 緩やかな尾根が続き
品谷山から品谷峠への
登山道出合はもうすぐ

 所々で急斜面を登ることになるが、それもすぐに終わり緩やかな尾根が続く。前方に一段と高い品谷山が見えてくると、品谷山から品谷峠への登山道に出合う。ここから北へ一登りすると品谷山に着く。山頂では先ほどの男性が休息中なので、我々はすぐ東の尾根をとり、佐々里峠へと向かう。尾根の雑木は少し黄色くなってきたところで、黄葉はまだまだのようだ。でも、この尾根にはモミジやカエデは少なく、ブナの葉は枯れてすぐに落ちるので、ここでの黄葉は余り楽しめないかも知れない。

品谷山に着く 雑木を楽しみながら尾根を進んで行く

 それでも「きれいだ」と、雑木を楽しみながら尾根を進んで行くと、すぐにダンノ峠の分岐に着く。ここには最近、立派な標識が立てられ、右はダンノ峠、左は佐々里峠と、もう間違う人はいないだろう。佐々里峠へ行く予定だったが、「ここから、ダンノ峠の道は久し振りだ」とダンノ峠へと歩き始める。分岐からダンノ峠までは綺麗な雑木が続く尾根なのだが、すぐ左手にネットが続く。それにしても数m置きに目に映るピンク・黄色・赤のテープが目障りでウンザリする。

立派なダンノ峠分岐の標識 すぐ左手にネットが続く

 ネット沿いに東へ向いていた道は、ネットから離れ、ほぼ直角に南に折れ、ダンノ峠へと下って行く。最後は植林地の中、急斜面を下るとダンノ峠に着く。今日は途中でゆっくりしていたので、中途半端な時間となるが、菅原バス停で1時間も待つのがいやなので、16時前にやって来る(15時48分)広河原行のバスに乗り、「庄兵衛さんで、ゆっくりすることにする」と言っても、今15時27分、これは間に合わないと、二人は駆け足でダンノ峠を下って行く。

 「民家が見える所までは走ろう」と重い足を動かす。こんなバカなことが出来るのは、涼しくなったからであろう。オリ谷の橋を渡り「もう大丈夫だろう」とゆっくりバス停へ歩いて行くと、あのグリーンスーリーブスのメロディーが聞こえてきて、ちょうどバスに乗ることできる。広河原でゆっくりと着替え、ビールを飲みながら「涼しくなったな〜」と哲郎の独り言。











彼らは涙の谷を過ぎるときも、
そこを泉のわく所とします。

詩篇 【 84:6 】
屋根のふき替え工事