比叡山(八丁尾根〜松尾坂〜古道C)//北山
2010.06.20


古道Cははっきりしなくなり
ミカエリソウが群生する植林地の棚を登る



2010.6.20 (日) 雲り一時雨  哲





行き:JR京都駅 8:15 (京都バス) - ふるさと前バス停
帰り:JR比叡山坂本駅 15:02 - JR京都駅



コース:
ふるさと前バス停〜八瀬天満宮社〜境内左端〜八丁登山口〜尾根取付〜作業道出合〜P445〜P559〜松尾坂の峠〜林道出合〜古道取付〜ミカエリソウで古道が消える〜古い墓地〜西塔駐車場〜東塔〜本坂コース〜日吉大社〜JR比叡山坂本駅








 梅雨の合間、「今日は大丈夫だろう」と出かけるが、道子が所用で行けないので、哲郎一人で比叡山の古道探索に出かける。家を出るのが遅くなり、京都駅8時15分発 大原行のバスに乗る。8時を過ぎると、乗客も多くなり通りの人や車も多くなる。

 ふるさと前で降り、道を渡り南へ伸びる住宅地への道へ入ると、すぐに八瀬天満宮社の鳥居の前に立つ。鳥居の前でおばあさんが、目の前のサツキの花を掃除していて、声を掛けてくる。早々に話を切り上げ、鳥居をくぐり参道を歩いていると、途中で草刈をしているおじさんが、これまた手を休め、話し掛けてくる。今度は山の話、「先日下りて来た人は、傷だらけだったので、駅まで送って行った」等々、皆さん話し相手がいないのか今日は朝から対応に忙しい哲郎。

 神社の階段を登り始めると、上の方で数人が境内を掃除してうて、前回もしていたので尋ねると「地区毎に交代でしている」との事で、その横で哲郎は準備し、早々に神社を立つことにする。境内の左端(北)の建物の横に八丁谷への登山口があるが、今日は入口のササが刈られ入口がよく分かる。「あれ、階段があったのか」と初めて見る階段を登り、すぐに右に折れて山手の斜面へ取り付く。

早朝から掃除の八瀬天満宮社 神社左手奥が八丁谷への取付

 そこには斜面を巻くように道があり、左手からの溝に出合うと、そこから八丁谷への立派な古道が続くことになる。この溝と出合った地点で、右手の斜面を見て、「ここは尾根の先端のようだ!」と地形図を取り出し、尾根を確認した哲郎は、「今日は八丁谷を止め、ここから八丁尾根へ行こう!」と決める。疎林の斜面を登って行くと、左手にシダの群生地が見え、それに沿って登って行き、シダが終わると尾根の中央に、境界マークや雑木にテープが現れてくる。

左からの溝に出合うと目の前に古道が続く
その右手の斜面が尾根取り付き
シダの群生地が見え、それに沿って

 そのうち尾根の左端に立派な作業道が現れ、植林地の中、道もはっきりしてくる。所々木立が切れ、東方に雲がかかった横高山が見える。標高360m付近から、シダの中を歩くようになり、薄い踏跡が左右に見えるが、右の方を進んでみる。ここの栽培方法は変わっていて、幼木のヒノキをプラスチックの四角の筒の中で育て、シカ対策をしているようだ。でも、もう十分大きくなっているので、「プラスチックを取ってやったら、どうなんだ!」と哲郎。右手の踏跡が正解だったのか、道はしっかりしてきて、ピークへと登って行く。

そのうち尾根の左端に立派な作業道が現れ 「プラスチックを取ってやったら、どうなんだ!」

 道は植林地の右端に沿って続いているので、ピークから離れると思っていると、標高420m位で東へ巻いて行き、尾根の中央辺りでちょっと登ると、前方が開けP445のピークが見えてくる。そこには境界マークやリボンが賑やかに並んでいる。数10mを緩やかに登るとP445に着く。ピーク付近は伐採され明るい。木の根元にはシカが入り込まないように、雑木の小枝がたくさん積まれている。

前方が開け境界マークやリボンを見る 根元に雑木の小枝を敷きつめたP445

 P445からは南へ緩やかな尾根が続き、左手が植林地、右手が雑木のちょうど境となっている。緩やかな尾根をゆっくり登っていて、心地よいはずだが、梅雨の中休み、蒸し暑く大量の汗をかき、心地よいとは言えない。標高520mで左下に谷を見て、「これは、林道終点がある谷なのだが」上からは林道が見えない。P559への登りにさしかかりると、少し南東に振り、低木の雑木をかき分けるように登って行くと、古い墓地のあるP559に着く。

左手が植林地、右手が雑木の尾根 古い墓地のあるP559に着く

 ここには小さな墓?、石柱?のようなものが、ずっ〜と並んでいて、ちょっとミステリアスな感じがする中を少し下って行き、松尾坂の峠に出る。すぐに峠を下り林道に降り立ち、八丁谷の支流で顔を洗う。周囲にコアジサイが咲いているが、谷のキツリフネはまだのようだ。小休止後、古道Cへ進入するのだが、林道に降り立った地点、車止めのすぐ北にテープ群を見る、どうやら、ここから進入すると安全に古道に行けるようで、哲郎もここから進入し谷を渡り、対岸の植林地の中にある古道へと進む。

林道車止めすぐ先から谷を渡る 立派な古道C

 古道は登りを感じさせない程の緩やかで幅広く、立派な道である。八丁谷の支流を詰めた所で谷間を越え、北の斜面へと登って行く。「え!、そうなの!」と予想外だと哲郎。少し登って支尾根を斜面を巻いて行くと、標高540m付近から、尾根は緩やかになり、北の谷が左手下に見えるようになる。再び谷を登って行くようになると、道は急に細くなり二分する。左手は谷を巻いて行くようだが、獣道のようなので、右に進んで行くと標高570mで、谷の源頭に群生するミカエリソウの中に立つ。

谷間を越え、北の斜面へと登って行く 古道はミカエリソウの中に消える

 踏跡は、ミカエリソウで消えて分からなくなっている。右に谷を詰めれば、・669ポイントに出るが道は確認できない。左は斜面を巻いているようだが、道ははっきりしない。今までの流れから青々と茂るミカエリソウの中を左にとり、斜面を巻いて進むことにする。ミカエリソウの群生を通り抜けると、獣道のような崖上の道を進むと、広い棚状の植林地に出合う。

 上下左右確認するが、道らしきものは見当たらないので、色々と思案していると、パラパラと雨が降り出す。大木の下で雨をよけていたが、降り続くので取りあえず、ザックカバーと傘を取り出す。「もう少し様子をみよう」とオニギリを取り出し昼食とする。一つ食べ終えたところで雨が強くなり、止みそうもないので移動することにする。

 棚を登ってみると、そこにも棚状の植林地があり、またその棚を登るとミカエリソウが広がる棚に出合う。ミカエリソウの中を移動すると、ズボンが濡れる。でも「仕方ない」と何かが通ったような跡を辿って、ミカエリソウの中を歩く。出口が見つからないので上の段へ登って行くと、再びミカエリソウの群生、「エ〜!」と驚いてしまう。もう何段上がったか分からないが、ミカエリソウの中に、ポッカリ穴が空いたように古い墓地に出合う。

獣道のような崖上の道を進むと
広い棚状の植林地に出合う
ポッカリ穴が空いたように古い墓地に出合う

 でも踏跡が見つからないので、再び登って行く。途中から「ミカエリソウはいやだ」とシダの茂る尾根を見つけ、そこを登って行くことにする。しばらく登って行くと、右手の谷に排水用の太いパイプが見えてくる。これは最初に行き止まった谷なので、「この上は・669だ!」と上を見上げれば、ドライブウェイを走る車が見える。ドライブウェイまで上がり「やっと着いた!」と右手のガードレールの切れ目からドライブウィに入ると、右手前方に駐車場が見える。

「ミカエリソウはいやだ」とシダの尾根を ドライブウィに入ると、右手に駐車場が見える

 駐車場のトイレに向かうと、ここは「西塔駐車場」と書いてあり、そこらじゅうにサルがいて、危険な状態だ。サルのそばを通り、東海自然歩道に下り、西塔から東塔へ向かう。やっと雨は上がったが、付近はガスが漂い出会う人も少ない。東塔エリアの入口で「通過ですか」と声がかかる。「見て分かるでしょう」と言いたいところだが、哲郎はうなづいて通過する。さらに後ろから「ルートを歩いてくださいね!」と一言。

西塔駐車場はたくさんのサルで危険 ガスが立ちこめる中、西塔から東塔へ

 やっと自然歩道の東塔エリアに着き、スパッツや靴に付いた汚れを落とし、広場にある鶴喜そば屋さんに向かう。「今日はさんざんやった」と暖かい比叡山そばにビールを添える。疲れも取れたところで外に出ると、涼しい風が吹いている。ケーブルで降りるつもりだった哲郎は、この風に気を良くしたのか、本坂コースで下山することにする。延暦寺会館横から、舗装された急な道が続き、亀堂を過ぎるとやっと登山道に変わる。雨上がりで歩く人も少なく、鳥の声だけが通り抜けて行く。






すべての谷は埋め立てられ、
すべての山や丘は低くなる。


イザヤ書 【 40−4 】
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