比叡山(八丁谷古道B〜無動寺道)//北山
2010.07.17


「ここで、間違いないようだ」とお墓の横を進んで行く。
ここからネットの中を通り抜け、尾根を登って行く



2010.7.17 (土) 晴れ  哲、道

行き:JR京都駅 7:50 (京都バス) - ふるさと前バス停
帰り:JR比叡山坂本駅 16:02 - JR京都駅



コース:
ふるさと前バス停〜八瀬天満宮社〜境内左端〜八丁谷登山口〜八丁谷出合〜お地蔵さん〜標高360m谷分岐〜古道B取付〜谷源頭の墓〜墓群〜ネット通過〜瑠璃堂取付道分岐/ドライブウェイ出合〜西塔駐車場〜東塔〜ケーブル延暦寺駅〜弁天分岐〜無動寺道〜林道終点〜JR比叡山坂本駅


注)
・古道Bは古道Aと同様、所々に倒木で埋まっているので歩きにくいです。お墓の近くでは道が消えた所もあるので注意。
・古道は植林地のネットの中を通ります。ネットを通過する場合は出入り口の扉を、ヒモできっちりと閉じてください。
・延暦寺境内にある東海道自然歩道を通行する場合、管理小屋の前では管理人に「○○まで、東海自然歩道を通行します」と一声告げてください。







 昨日まで各地で発せられた大雨警報、「今日晴れで、午後から山沿いで?」という予報、結局遠出は止めようということで、比叡山の古道探索に出かける。今朝は昨日とはうって変わっての快晴、夏本番である。

 JR京都駅から7時50分発大原行のバスに乗るが、珍しく遅れてやってくる。車の量も多く、四条通りに入ると、早朝から人の波、「???」。何のことはない、今日は祇園祭の山鉾巡行の日で、皆さん見学スポットへと急いでいるようだ。

 ふるさと前バス停で降り、南への道に入ると、すぐの鳥居をくぐって、八瀬天満宮の参道を進む。「朝から暑いな〜」と言いつつ進んで行くと、参道に溝が出来ているので、この付近にも大雨が降ったようだ。神社の階段を上り、涼しい所でゆっくりと準備していると、お宮の人だろう、早朝から掃き掃除をしていて、「ごくろうさん」です。

ふるさと前バス停近くの八瀬天満宮社 神社左手奥が八丁谷への取付

 神社の左奥(北)にある八丁谷取付から林の中へ入り、すぐに右にとり斜面を巻く道を進む。左下からの溝に出合うと、八丁谷への古道が現れてきて、八丁谷までなだらかな巻き道を歩くことになる。道は広く、はっきりして古道という感じがするこの道は、心地よく歩くことができる。

 左手からゴーゴーと八丁谷の音、いつもより大きな音なので、「荒れているのやろな〜」と想像する。植林地の中、10mほど古道が崩れた所も、歩く人が多くなってきたのだろう、段々に道がしっかりとしてきている。再び古道に乗ると南へ向きを変え、左下に今日は水量の多い八丁谷に沿って歩くことになる。

八丁谷への古道が現れてきて
八丁谷までなだらかな巻き道を歩く
古道の崩れたところもしっかりしてくる

 最初数10m下を流れる八丁谷も、しだいに近づいてきて、道に沿うようになるとお地蔵さんに出合う。この付近に古道@と、古道Aの取り付きがあるが、渓流のように流れる八丁谷、今日は渡渉できないようである。我々はもう少し先にある谷分岐に向かう。前方が明るくなると、標高360m付近にある谷分岐に着く。

最初数10m下を流れる八丁谷も 標高360m付近にある谷分岐に着く

 「とりあえず、渡って小休止しよう!」と言えども、目の前の八丁谷は小さいが、渓流のようにゴーゴーと流れている。「あそこもダメ、ここもダメ」とあきらめかけた時に、「ここをジャンプすれば、何とかなるだろう」と哲郎は対岸の浅い所を見つけ確認する。登山靴とスパッツとストックのお陰で、何とか対岸に渡り、「ヤレヤレ」と小休止する。

 道子が休んでいる間に哲郎は、付近のオオルリソウを観察するが、数株しか花が咲いていないようだ。ここが古道Bの取付で、八丁谷の支流に沿って奥へと進んで行く。この支流沿いに道はなく、右手に突き出した支尾根の先端に溝を見つけ、この中を登って行く。この溝は支尾根に沿ってあり、右に左へと振りながら続いている。

八丁谷の支流に沿って奥へと進んで行く 突き出した支尾根の先端に溝を見つけ

 溝の中に倒木が埋まっている所は歩きにくいので、そばの斜面を登って行く。標高450mを過ぎると、道はしっかりして歩きよくなり、出合った棚は右にとり、尾根を登って行く。途中にUCCのコーヒの缶が数個落ちているので、どうやら団体さんで古道を探索したのだろうか?、いずれにせよコーヒの缶は持ち帰って欲しいものだ。

すぐの古道は伐採された枝で埋まる 溝の中に倒木が埋まっている所は歩きにくい

 標高500m付近で、道がはっきりしなくなったので注意して歩くと、左手の谷の源頭に一列に並んだ墓を見る。この源頭の広場では、たくさんのキタヤマブシを見て、何となく歴史を感じる二人。墓からは、しっかりとした道が尾根へと続き、登って行くと数段ある墓群に出合う。大木が倒れて墓も倒れたままなので、もう誰も参る者はいないようだ。

 この墓に沿って右へ進む踏跡があり、二人はこれをとることにする。すぐの植林地、ネットが張ってあるが、この道用に入口があり、扉を開けヒモで丁寧に閉じる。すぐに出口の扉があり、哲郎はネットを修理しながら閉める。植林地の中、細い道が続きどんどん登って行くので、どうやらこれが古道Bのようである。途中からピンクや赤のテープも現れてくる。

左手の谷の源頭に一列に並んだ墓を見る すぐの古道はネットを抜け
扉を開けヒモで丁寧に閉じる

 標高600m付近で二度ほど分岐に出るが、できるだけ上へ右へと進んで行く。何段もの棚を登って行くが、前回の古道Cの棚のようはミカエリソウの群生はなく、道もはっきりしているので難なく登ることができる。再びネットに出合い、端を歩くことになり、すぐに堰堤に出合う。

道もはっきりしているので難なく登る 再びネットの端を歩く

 もうドライブウェイは近いのだろう、そのうちに上の方から車や、バイクの音が聞こえてくる。「この上は道のようだ」と道子。「いや棚だろう」と言いながら、一登りするとドライブウェイ沿いの広場に出る。ここはちょうど瑠璃堂への取付道の分岐点である。ドライブウェイを北へ進むと、釈迦堂への道があるようだが、「顔を洗いたい」」とトイレのある西塔駐車場へ向かう。

一登りするとドライブウェイ沿いの広場に出る ここはちょうど瑠璃堂への取付道の分岐点

 南へ歩き出すと、すぐに「駐車場150m」の標識を見るので、我々が登って来た地点は、西塔駐車場北200mと言うことになる。前回登った古道Cも、ここに通じているのかも知れないが、これは宿題としよう。駐車場のトイレで汗を取った後は、東海自然歩道を歩き東塔へと向かう。

すぐに「駐車場150m」の標識を見る 西塔駐車場で顔を洗う

 ここへ来たら「鶴喜そば」と、比叡そばとビールでゆっくりと疲れをとる。下山は久し振りの無動寺道を選択し、観光客に混じってケーブル駅へと向かう。左に延暦寺駅を見ながら、東海自然歩道をゆっくり下って行く。この道は広くて手入れされ、これが最後の建物まで続く。

 お寺を過ぎると、北へ折り返しながら下って行き無動寺谷に出合う。いつも小さな流れを、またいで通り過ぎるのだが、今日は大量の水が川のように流れている。二人はここ休憩するが誰もやって来ない。再び歩き始めると今度はどんどんと登って行く。100m近く登った所から、ゆっくりと下り始める。それでもこのコースはなだらかで歩き良く、前回下った本坂コースよりは歩き良いような気がする。

最後のお寺を過ぎると山道に変わる 谷沿いは整備されている無動寺道

 標高285mで送電線をくぐり、林道終点に出合う。そばの谷水で顔を洗い、さっぱりするが、今日はすぐに汗ばんでしまう。林道も終わり集落の裏道を歩きJRの駅へと向かうが、日差しはきつく道子は傘を取り出し、坂本の町の中を歩く、「暑〜い!」。






すべての谷は埋め立てられ、
すべての山や丘は低くなる。


イザヤ書 【 40−4 】
梅雨の後半に咲くオオルリソウ