比良岳(大岩谷〜中ユリ)//比良


中ユリの道は心地よい



2010.09.11 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR志賀駅
帰り:JR志賀駅 15:40 − JR京都駅



コース:
JR志賀駅〜高架NO.64〜湖西道路高架下〜荒川峠登山口〜大岩谷分岐〜ユリ道から谷へ下りる(標高515m)〜目の前の斜面を登り枯谷を渡る〜ロープ場〜右岸の古道〜大岩谷へ下る(標高595m)〜谷分岐(標高610m)〜左俣へ〜中ユリへのロープをやめ上流の支流(石に「キュードウ→ 」と書いてある)から取付く〜支流を少し上り左手のケモノ道へ〜枯谷を横断〜中ユリへの古道出合〜中ユリの尾根出合〜比良縦走路出合(お地蔵さんが2対)〜水場〜木戸峠〜ゲレンデ〜打見山



注意:
@中ユりの古道は大岩谷付近で崩壊いるので、谷からの取付が分かりにくい。取付は再調査する。

A今日は大岩谷の標高610mの谷分岐を左俣へとり、少し上流の支流から取り付く。支流を少し上ると、左手へ踏跡があり、斜面を上がると、枯谷に出合う。この枯谷を横断すると古道に出合う。

B葛川越や中ユリは、初心者危険コースです。初心者だけで行かないようお願いします。地形図と磁石は必携です









 前回「中ユリの探索だ!」と出かけ、高温と雨と高湿度で引き返した。「今日は天気は、どうだろう」と言いつつ出かける。バスが遅れ、京都駅発7時25分の電車に乗れず、7時58分発に乗る。JR志賀駅で降り、駅でゆっくり準備をした後、「京都地方35℃」の予報通り、もうすでに暑い日差しの中を歩くことになる。

高架柱NO.64を左へ折れ 萬福寺に突き当たるので右へ 雑木林の作業道に出合う

 高架柱「NO.64」で左へ折れ、目の前に比良山系を見るが、山々の斜面はナラ枯れで、無残な姿を見ることになる。田んぼでは稲刈りが始まり、周囲は秋の色に変化しつつある。湖西道路をくぐって、林道に入り、雑木の中を歩くようになると、風もなく蒸し暑いが、前回ほど高湿度ではないので、何とか歩くことができる。用水路に出合うとタオルを濡らし、顔や手を洗うので時間がかかってしまう。

山々の斜面はナラ枯れで やっと着いた荒川峠登山口

 やっと着いた荒川峠登山口、もう10時を回っているので、随分とゆっくりと歩いてきたようだ。早速登り始め、無言のまま葛川越の分岐に着く。小休止後、分岐を左にとり葛川越の古道を歩き始める。感じの良い古道は、すぐに湧水からの谷に突き当たる。ロープを片手に谷に下り、冷たい水で顔を洗う。古道は小さな谷筋で少し崩れているものの、難なく進むことができ、最後は大岩谷に出合い、谷へ下りて行く。

無言のまま葛川越の分岐に着く ロープを片手に谷に下り
最後は大岩谷に出合い、谷へ下りて行く 大岩谷で小休止

 谷で小休止後、谷を渡り目の前の斜面を登って行くと、枯谷に出合う。この枯谷を少し登って行くと、行き止まりを示すロープが張ってあり、手前の石に「→」のマークがある。この枯谷の上流は、とても危険なので進入しないよう注意すること。「→」に従って右手の斜面を少し登ると、ロープ場があり、大岩谷沿いに斜面を横切ることになる。古道はもう少し谷に近い所にあるのだが、崩壊しているのでロープ場が続く。

行き止まりを示すロープが張ってあり
手前の石に「→」のマークがある
ロープ場があり
大岩谷沿いに斜面を横切ることに

 まもなく石がゴロゴロしてきて古道に出合う。しばらく古道は続くが、崩壊している所はロープ場に変わる。そのうちに、古道が大きく崩壊しているのだろう、谷へ下り谷の中を歩くことになる。広い谷だが、水の少ない大岩谷、すぐに標高610m付近で谷分岐に出合う。

谷へ下り谷の中を歩くことになる すぐに標高610m付近で谷分岐に出合う

 「葛川越」は石に書かれた「→」のマークに従って、二俣の間の斜面を登って行くのだが、「中ユリ」へは左俣をとる。左俣を少し入った所で小休止、哲郎は上着を脱ぎ、水で洗い再び着る。道子は先へ進み、「中ユリの古道」取付のロープを探す。哲郎は左手の斜面に道のようなものを見つけ、ケモノ道かも知れないが、「ここから進入できそうだ」と思う。でも前方で道子が「ロープがあった!」と叫ぶので、ロープ場から取り付くことにする。

分岐から「中ユリ」へは左俣をとる 数mほどの垂直な壁に太いロープ

 数mほどの垂直な壁に太いロープ、道子はトライするが、足が滑って上がれないので、「では」と哲郎がトライする。細い雑木を持ってやっと登る哲郎、道子は色々な方法でトライするが、どうしても上がれない。道子はロープをあきらめ、上流にある支流から登ることになる。そこには大きな石に「キュウドウ →」と、ここへ降りて来た人へのメッセージであろうか、赤いペンキで書いてある。哲郎は、道子が足元にキタヤマブシが咲いている斜面を登ってくる間、支流の東側にある枯谷を見る。「ここから登ってもよさそうだ」と思うが、支流にテープがあるので、今日はこの支流から、中ユリの古道への取り付を探すことになる。

道子は上流にある支流から登ることになる
大きな石に赤ペンキで「キュウドウ →」と
道子は足元にキタヤマブシが
咲いている斜面を登ってくる

 この支流を少し登った所にもテープを見つけ進んで行くが、その前にはテープがない。この支流をさらに進んでみると、谷は二分し、南西と南方向へ分かれる。南方向が中ユリの尾根に向かっているようだが、二人は進行を止め、テープの地点まで戻る。今日は愛用の磁石を忘れた哲郎、道子がザックに付けているオモチャのような磁石で判断しなければならないので、はっきりしないからだ。

この支流を少し登った所にも
テープを見つけ進んで行くが
この支流をさらに進んでみると
谷は二分する

 テープの地点で、支流の右岸(東)に斜面を上って行くケモノ道を見つけ、これを登って行くと、先程哲郎が見た枯谷が目の前に広がっている。「中ユリの古道は、この枯谷の向こうだろう」と道子を呼び、枯谷を渡る。何のテープもマークもないが、枯谷を横断し斜面を上がると、目の前に古道を見る。「古道や!」と後ろから来る道子に言い、一安心する。古道は下にも続いているので、大岩谷からのより良い取付ポイントを探すには、この古道を下って探索すれば分かるのだが、「今日の探索は、これまで!」と中ユリの古道を登ることする。

テープの地点まで戻り古道へと進む 古道はびっくりするほど
幅が広くしっかりしている

 古道はびっくりするほど、幅が広くしっかりしているが、この猛暑の中の探索に疲れた二人の足は、中々進まない。「え!12時を廻っている!」と哲郎、斜面をジグザグに登る途中で昼食する。「風がないな〜」とオニギリを食べるが、暑さで食欲のない哲郎は、一個残してしまう。昼食も10分で切り上げ、再びジグザグの斜面を登って行く。登るにつれ風が当たるようになり、大岩が目立つようになると、中ユリの尾根に出合う。

登るにつれ風が当たるようになり
大岩が目立つようになる
尾根を下る方向には
進入禁止のテープが貼られている

 尾根を下る方向には、進入禁止のテープが貼られている。尾根を下る場合は、古道は北へと折れ下って行くので、直進しないよう注意が必要である。道はすぐに二分して登っているので、二人は別々歩いてみると、しばらくして合流する。中ユリは予想通り広々していて、綺麗な樹木が広がり心地よいが、登山道をはずれ左右の斜面を下って行くと、危険箇所が多いので注意が必要である。しばらくゆったりした尾根を歩いた後は、溝状の道に変わり尾根から外れ、比良岳の斜面を巻くようになる。

しばらくゆったりした尾根を歩く 溝状の道に変わり斜面を巻いて行く

 気持のよい樹木の中を歩いて行くと、前方に標識が見えてきて、比良縦走路に出合う。ここは標高970m付近で、足元にお地蔵さんが二つあり、中ユリが、昔から使われていたことが分かる。いつの間にか、上空は雲で埋まり、「雨が降らないうちに」と下山を急ぐ。今日は探索で疲れたので、ロープウェイで下山することにする。分岐を左にとり、緩やかに下る比良岳を、綺麗な樹木を楽しみながら歩いて行く。

前方に標識が見えてきて
比良縦走路に出合う
足元にお地蔵さんが二つあり
比良縦走路にある標識 緩やかに下る比良岳を
綺麗な樹木を楽しみながら歩いて行く

 すぐの水場では、キタヤマブシが咲き始めているが、この付近ではこれからのようだ。木戸峠に着き、休む間もなく右に折れ、汁谷のキャンプ場へ向かう。キャンプ場の炊事場にある水道を借り顔を洗う。さっぱりしたところで、すぐのゲレンデを登り始めるが、やはり暑く、青々とした芝生の上を一歩ずつジグザグ登って行く。しんどくなると、時々立ち止まっては後ろを振り返り、比良の山々を望む。やっと登りきったゲレンデを過ぎると、打見山には観光客が一杯で、彼らに比べちょっと異様な二人は、観光客に混じっていく。

木戸峠に着き、休む間もなく右に折れ 青々とした芝生の上を
一歩ずつジグザグ登って行く
時々立ち止まっては後ろを振り返り
比良の山々を望む
鮮やかに咲くユリを見ながら

 鮮やかに咲くユリを見ながら、山頂駅へ向かい、すぐのロープウェイで下山する。秋口のロープウェイだが、予想以上に盛況で満員である。山を楽しむ人が増えることは嬉しいことである。Tシャツは着替えたものの、汗臭い二人は「ごめんなさい」と言うことになる。帰りの電車の中、シートに腰をかけようとすると、目の前におばさん山歩き隊のTさん!、「こんにちは、いずこへ・・・」と京都まで話は続くのである。






あなたは私を大またで歩かせます。
私のくるぶしはよろけませんでした。

           詩篇 【18−36】
ヤマジノホトトギス