中ユリ(打見山〜大岩谷)//比良


中ユリの後は葛川越の古道を下る



2010.09.25 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR志賀駅 9:02=山麓駅
帰り:JR志賀駅 15:32 − JR京都駅



コース:
打見山頂駅〜ゲレンゲ〜シル谷キャンプ場〜木戸峠〜水場〜中ユリ分岐(お地蔵さんが2体)〜尾根分岐〜大岩谷手前で古道崩壊〜ロープ場〜支流から降りる〜谷分岐〜右岸の古道〜枯れ谷出合〜大岩谷渡渉(左岸の古道取付)〜荒川峠道出合〜荒川峠登山口〜湖西道路高架下〜高架NO.64〜JR志賀駅



注意:
葛川越や中ユリは崩壊した所があり、ロープ場や谷の中も歩きます。中ユリを歩かれる方は、まず葛川越を歩いてからチャレンジして下さい。初心者だけで行かないようお願いします。地形図と磁石は必携です









 ■参考:JR志賀駅から荒川峠登山口へ。

高架柱NO.64を左へ折れ 萬福寺に突き当たるので右へ 雑木林の作業道に出合う

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 夕方から用事があると言う道子、こんな時は、いつも比叡山か愛宕山と決まっているが、「中ユリの探索、今日はロープウェイで上から探索しよう」と比良へ出かけることになる。どんよりとした天気、「昼から晴れる」という予報だが、雨を気にしながら電車に乗る。雲ってはいるものの、湖西線から比良山系がはっきり見えてくるので、「今日は大丈夫だろう!」と言うことになる。ロープウェイ山麓駅行のバスは9時2分発、JR志賀駅の改札口を出ると、すぐに新快速がやって来たので、次の電車でも十分間に合うようだ。

 バスが山麓駅に着くと、すぐの9時20分発のロープウェイに乗る。天候がすぐれないせいか、乗客は10名程度で、琵琶湖バレーの人もガッカリしているかも知れないが、この風と寒さでは仕方ないだろう。山頂駅で降りると「冷たい風が当たり、寒い!」と感じる。山頂は11℃と書いてあったが、この寒さは猛暑から冬へ急変したように感じる。通路には防寒着が並び「ご自由にどうぞ!」とは観光客にとって嬉しいサービスである。

はっきり見えてきて「今日は大丈夫だろう」 通路に並ぶ防寒着「なかなか良い!」と道子

 建物内でユックリ準備していると、傍のTVで「トムとジェリー」を従業員がセットする。どうやらここはキッズルームのようだが、ここに子供が来るのはいつになることやら。準備も終わり山頂からゲレンデを下り始める。風はさらに強くなり「この分だと、ロープウェイは止まるやろ!」と哲郎。「こんなに急やった!」と道子、登る時は余り感じなかった急勾配を、ジグザグに下ることになる。シル谷のキャンプ場まで下ると風も弱くなり「やれやれ!」。

急勾配のゲレンデを下る シル谷のキャンプ場まで下ると風も弱くなり

 谷に咲くキタヤマブシを覗いたあと、木戸峠へ向かう。すぐの峠を左にとり比良縦走路を歩き始める。前回、足元に咲いていたヤマジノホトトギスの花はもう見当たらない。心地よい雑木道を歩いていると、日が差してきて、木漏れ日の雑木道となり、写真が綺麗に撮れなくなる。周囲の雑木は2週間前と変わりはないが、水場に咲くキタヤマブシの葉が黒くただれ見苦しい。ゴロゴロと足元に続く黄緑色のイガグリを見て秋を感じる。

木戸峠を左にとり比良縦走路へ イガグリを見て秋を感じる

 そんな中を歩いて行くと、お地蔵さんと標識がある中ユリの分岐に着く。早速右にとり中ユリの古道へ侵入して行くと、木に赤いマークが続き「ちょっと、多いな〜!」と哲郎。登る時は余り感じなかった赤いマーク、どうやら下山用に付けたものだろうが、余りに多すぎてガッカリする。テープなら外すことも出来るが、赤ペンキではどうしょうもない。こんな迷いそうもない巻き道にマークは不要で、マークを付けた人の気が知れない。なんてブツブツ言いながら巻き道を歩いて行くと、道は少しずつ溝状になり、その溝も段々深くなる。

お地蔵さんと標識がある中ユリの分岐に着く 木に赤いマークが続き「ちょっと、多いな〜!」

 でも下る場合は、溝もすぐに終わり、広い中ユリのユッタリした尾根に出る。この付近にあるナラの木を見て廻る哲郎、みな根元に木屑が落ちていて、もうナラ枯れ状態に近い。心地よいユリ道を歩いて行くと、古道が尾根から左(北)へ下って行くポイントに着く。赤いマークは尾根をそのまま下って行くので、黄色い進入禁止のテープが張られているのだろう。この赤いマークはハイカーや、沢登りの人が付けたのではなく、山を管理している人々が付けたのかも知れない。

溝もすぐに終わり、
広い中ユリのユッタリした尾根にでる
古道が尾根から左(北)へ
下って行くポイントに着く

 「進入禁止テープの先の様子を」と少し進んで見ると、赤いマークは尾根を下って行くが、中ユリの古道と反対側には、斜面を巻いて行く作業道がある。興味あるところだが、こちらの斜面は崩壊箇所が多いので、進入しない方がいいだろう。中ユリの分岐点に戻り、北側の中ユリの古道を下り始める。予想以上に原形が残っている古道は、急斜面をジグザグに下り快適な歩きが続く。あれよあれよと言う間に下りきり、前回大岩谷の支流から古道にやって来たポイントに着く。

 哲郎は道子を残して支流への道を再確認しに行く。古道から20m斜面を横切ると枯れ谷に出合い、20〜30mの枯れ谷を横断すると支流に出合うようだ。獣道か踏跡か分からないが、薄い踏跡が続いている。道子の待つ古道に引き返し、古道を下って行くと、すぐに大岩谷が見えてきて、ここで古道は崩壊し消えている。谷まで10数mというところなのだが、その先の崩壊した斜面に踏跡が続いている。

斜面をジグザグに下り快適な歩きが続く 大岩谷が見えてきて、
ここで古道は崩壊して消えている

 ゆっくりと下って行くと大岩谷に出合い、そこに前回、哲郎が登って来たロープを見る。ロープで降りずにロープ場から大岩谷に沿って30m上流へ向かうと、道子が前回、登って来た支流を見る。

中ユリ古道崩壊の斜面の踏跡を10数mくだる そこに前回、哲郎が登って来たロープを見る
道子が前回登って来た支流から大岩谷へ降りる そこには赤ペンキで「キュウドウ →」とある
また支流の入口に赤ペンキで「×」とある。
(これは葛川越の広場から見える)
支流口の目の前の斜面を登って
葛川越コースの広場へ

 この付近のマークより、大岩谷から中ユリの取付き方法をまとめると、「大岩谷の標高610m付近の谷分岐を左俣にとり、約30m上流のロープはきついので、さらに30m上流にある支流から取り付く。支流を数m上がった所で、支流の右岸へ上がり、後は大岩谷沿いに約30m下ってロープ場へ行き、そこから斜面を10m登ると古道に出合う。」ここには赤いペンキのマークやテープがたくさんあり、迷うことはなく古道に取り付くことができるだろう。

 二人は支流までやって来たが、「再確認しよう」と支流を上がって行き、前回の取付も再確認する。支流から取り付く場合は、古道まで少し距離があるので、ロープ場から中ユリの古道へ取り付いた方が、分かり易いということになる。

葛川越コースの広場から
支流入口の赤ペンキ「×」が見える
葛川越コースの広場

 探索も終わったので大岩谷を下ることにする。分岐まで左俣を下ってもよいが、支流口の目の前の斜面を少し上れば、葛川越コースの広場があるので、斜面を登り葛川越コースを下って行く。すぐに谷分岐に出合い谷を下って行く。「お昼にしよう!」と谷を見渡すが、日の当たる暖かそうな所がないので前に進む。すぐの右岸に、谷から上がるポイントに着く。ここにはロープがあり踏跡もあるのだが、ここを通り過ぎた道子を呼び返す。「下ばっかり見ていて、分からなかった!」と道子。もっと注意して歩かなければならない。

谷分岐、振り返ると葛川越のマークが見える 右岸に、谷から上がるポイントに着くが
道子は通り過ぎて行く。

 ちょっと登った所から下って行くのだが、古道の崩れた所はロープ場となり、斜面を横切ることになる。最後のロープ場を過ぎると、枯れ谷に出合い20mも下れば、大岩谷に出合う。結局日の当たる所はなく、最後の河原で昼食とする。日は当たらないが、台風も遠くへ行ったのだろう、風もおさまり暖かくなっている。昼食後は左岸の斜面を登り古道を歩くことになるが、ここにはテープやマークがたくさんあるので分かるだろう。

古道の崩れた所はロープ場となり
斜面を横切ることになる
最後の河原で昼食とする

 この古道へ取り付くポイントを見逃すと「巨大なな堰堤に出合い、進行できなくなる」とIkomochiさんの紀行文にあるので注意が必要である。谷から左岸のマークのある木の間を登ると、すぐに古道に出合い、快適な歩きが続く、古道は大岩谷に沿って続き、小さな谷に出合うと崩壊しているが、問題なく進める。

谷から左岸のマークのある木の間を登る 湧水の谷を渡る
古道を少し進むと荒川峠道に出合う 荒川峠登山口のある林道に出合う。

 湧水の谷を渡り、古道を少し進むと荒川峠道に出合う、緩やかな道を20分も下れば、荒川峠登山口のある林道に出合う。「今日は時間がある」と、この林道の先を詰めてみる。林道を登って行くと、林道は左に折れ大岩谷を渡る、橋を渡った所で大量の落石で、道がふさがれているので進行を止める。橋から上流には高い、大きな堰堤 が見える。「50mはあるという話やった」と言う道子だが、谷横にある標石を見ると高さは20mとある。

橋を渡った所で大量の落石で
道がふさがれている
橋から上流には高い、大きな堰堤が見える

 林道を引き返し、JR志賀駅へ向かう。朝の冷たさは何処へいったのか、もう暑くなり、道子は傘を取り出し「日傘や」と傘を差して下って行く。萩が茂っていた斜面は雑草や雑木でおおわれ、観賞するほど咲いてはいない。「あ! 琵琶湖がきれいや!」と今日は遠くまで見渡せる湖を見ながら、二人はゆっくりと下って行く。








あなたは私を大またで歩かせます。
私のくるぶしはよろけませんでした。

           詩篇 【18−36】
「あ! 琵琶湖がきれいや!」