比良岳(比良岳西尾根〜中ユリ)//比良


比良岳直下から斜面を適当に下って中尾根取付へ向かうが
少し下りすぎて水場に近い所で縦走路に出合う



2010.12.04 (土) 晴れ 哲、道





行き:出町柳バス停 7:45 − 坊村バス停
帰り:JR志賀駅 16:24 − JR京都駅



コース:
坊村バス停〜明王谷林道〜牛コバ〜林道終点〜スベリ石〜白髪渕〜西尾根取付〜比良岳西方ピーク〜比良岳〜縦走路出合〜中ユリ分岐〜中ユリ古道〜大岩谷出合〜谷分岐〜葛川越古道〜荒川峠道出合〜林道出合〜湖西道路下〜JR高架柱64〜JR志賀駅


注意:
◆比良岳西尾根に道はありません。白滝谷コースの夫婦滝手前にある支尾根から、尾根に沿って登って行くと、比良岳西方ピークに出ます。ピークから東方の鞍部に下り、一登りすると比良岳に着きます。深いヤブはなく、進路の問題はないですが、地形図と磁石は必携です。

◆中ユリを下って行くと、葛川越の大岩谷に出合います。古道以外は谷の中や、斜面のロープ場を歩くので、初心者危険コースです。







 

 山の紅葉も終わり、「登山客も、落ち着いただろう」と比良へ出かけることにする。出町柳のバス停、先頭の方にJOEさんを見つける。彼は「okaokaclubの皆さんが登っている釣瓶岳から、ナガオへ行きます」と言う。立客もいるが、バス一台で出発となる。

 バスが市街地を離れ、大原へのR367を走り出すと、目の前に山ボーイならぬ山オジサンの派手なスタイルの男性を見る。「あの方、いつもメールを頂いている トレイルランの人とちゃう?」と哲郎。そばにいる道子が声をかけると、彼はまさしくKさんであり、色々と話を伺う。そうこうしているうちに平バス停に着き、10名程度の登山者とともにKさんも降りる。途中でパラパラと降っていた雨も上り、北の空も少し明るくなってきたので、「今日は、大丈夫だろう」と哲郎。

明王谷沿いの林道を歩き始める 12月16日(木)まで運休

 坊村バス停で降り、釣瓶へ向かうJOEさんを乗せたバスは出発する。坊村のトイレ前で準備をして、我々は明王谷沿いの林道を歩き始める。分岐に打見山ロープウェイの休止案内を見る。今日は珍しく、前方に4人のグループが歩いているが、この案内版を見たのだろうか?。打見山からエスケープできないので要注意である。

 今日は風が冷たいが、林道を登るにつれ身体が暖まり、ちょうど良い感じで歩いて行くが、東屋に着く頃には「暑い!」と服を調節することになる。約1時間で牛コバに着き、その先にある林道終点で小休止とする。我々は途中で休んだので、先行グループはどちらへ向かった分からない。短い飲水休憩も終わり、白滝谷コースへと進入して行く。

林道終点で小休止とする 金属製のパイプで補強され、手すりの付いた橋

 最初は大きな石がゴロゴロした踏跡を辿って行き、白滝谷に接した所で階段状の石を少し登り、谷上の斜面の細い道を通り、白滝谷へ降りて行く。金属製のパイプで補強され、手すりの付いた橋なので、道子もスイスイと渡れる。左岸に渡ると、谷の河原の中を大きな岩の間を縫って歩くことになる。夏には青々とした樹木の中を歩くが、冬枯れの谷間は明るい。

 しばらくすると、右岸に渡るポイントに着き、立派な木橋を渡る。この橋は大雨で時々消失するので、このポイントに着くまで安心はできない。対岸に渡ると、登山道崩壊による迂回路を登ることになるが、前方にハシゴが見えたので、二人は崩壊箇所の様子を伺う。そのハシゴは宙ぶらりんで「こりゃアカン!」と道子。仕方なくいつものように、迂回路を登ることにする。迂回路はどんどん登って行き、「こんなに、登らなくても」と思うほど登ることになる。

右岸に渡るポイントに着き、立派な木橋を渡る 谷上の道も少し細くなってきたようで

 横道に変わってもどんどん登って行き、白滝谷の20〜30m上を歩くことになる。元々狭い道だが、晩秋ともなれば、この道も落葉がたまり「木の根を踏まないか」と注意しながら歩くことになる。この落葉のおかげで、随分とゆっくりの登山となる。谷上の道も少し細くなってきたようで、もうこの道もハイキングコースではなくなってきたようだ。

 スベリ石に近づく頃、やっと谷に近づき、渓流を楽しみながら歩くことが出来る。そのうちに白髪渕に着き、まだ11時だが、「お昼にしよう」と白滝谷の流れを見ながら昼食とする。前回滝を撮ろうと谷に降りた時、ハチに追われ引き返してきたが、今日は大丈夫だろうと谷に降りて滝を眺める。ゆったりの食事も終わり、ここから白滝谷を離れ、白滝谷の支流に沿って歩き始める。

今日は大丈夫だろうと谷に降りて滝を眺める 西尾根の取付がある支尾根の端に着く

 比良岳西尾根の取付まで、標高差130mの登りが続くので、ゆっくりと歩く二人。この付近では足元にバイカオウレンやシモツケソウの花が見られたが、その数も年々減ってきているようだ。そのうち谷支流から離れ、斜面を大きくジグザグに登ることになる。最後の谷で大きく折り返し、少し登ると西尾根の取付がある支尾根の端に着き、「やれやれ」とここで小休止する。

 支尾根を登り始めるが、久し振りなので過去の記憶はほとんどない。所々スギの低木があるものの、スッキリとした雑木の尾根、最初は少し急な斜面を登り、途中で出合うシャクナゲの急勾配も尾根の中央を抜けると、難なく登ることができる。標高850mを過ぎると勾配も緩やかになり、雑木を楽しむことができる。尾根は次第に東向きに変わり、目の前に大岩を見る。ここは右手(南)の斜面を巻いて行くと、南からの支尾根と合わさって、全体に緩やかな丘陵を形成してくる。比良岳西方ピークに着き、周囲の山々を眺めながら小休止する。このピークは四方の山々を見ることができる。

尾根は次第に東向きに変わり
目の前に大岩を見る
緑の下草がこれまた「きれい!」と

 比良岳へは、このピークの南側から東の鞍部へ下って行く。ブナやナラが並ぶ比良岳への道は、樹木が綺麗でこの冬の時期でも楽しむことができる。鞍部から東へ少しずつの登って行くと、緑の下草がこれまた「きれい!」と言うことになる。標高1030m付近、北に比良岳の山頂が見える所で、山頂へは寄らずに中ユリの取付を目指して、この緩やかな斜面を下ることにする。「目指して」と言っても、目標もないので哲郎は地形図を出して確認する。この斜面を南へとると、比良岳南方ピークに出るので、ちょっと東寄りに前方に打見山を見ながら、芝の林を横切るように下って行く。

 すぐに谷間に出合い、これを確認すると、この谷は水場へと向かっているようだ。この谷間を渡り、支尾根を下って行くと、やっと比良縦走路に出合う。「え〜と、ここは」と出合い地点を確認する。高度も目的より少し低いので「下り過ぎた」と思う哲郎。「下に標識が見える!」と道子。少し下って確認すると、そこは水場付近の標識であり、「どうやら、ドンピシャで中ユリ取付」とはいかなかったようだ。少し縦走路を登って行くと、すぐに中ユリの取付に着き小休止とする。

すぐに中ユリの取付に着き小休止とする 15分で尾根から斜面を下るポイントに着き

 13時30分、「JR志賀駅は16時半や!」と道子に言い、中ユリの古道を歩き始める。快適な道もすぐに溝状の道に代わり、10〜20pほど積もった落葉がフワフワと心地よいが、時々石を踏んでしまうので二人とも慎重になり、結局歩きにくいと言うことになる。15分で尾根から斜面を下るポイントに着き、ジグザグの道を下り始める。ここも落葉が積もり少々歩きにくい。道端にはイワカガミやシャクナゲが続き、シャクナゲのたくさん付いた花芽を見て「来春は、きれいだろう」と思ってしまう。

 「歩きにくい」と言いつつ、30分で下り切り大岩谷に出合い、ロープ場から降りずに、道子が安全だという少し上流にある谷の支流から大岩谷へ降りる。(赤ペンキでキュウドウと書かれている石から)谷からすぐに目の前の斜面を上がり、葛川越にある広場から谷分岐へと下って行く。谷分岐からの大岩谷、今日は水が流れていない。谷を下って行くと、すぐに右手(右岸)の斜面を登って行き、谷沿いの斜面を歩くロープ場に変わる。ロープ場の次は石がゴロゴロした古道を歩く。こんな場面が数回続いた後、石がゴロゴロした枯谷に出合う。すぐの渡渉地点で大岩谷の遡行は終わる。

赤ペンキでキュウドウと書かれている石から 谷分岐からの大岩谷、今日は水が流れていない

 木にテープのマークがある所から、左岸をちょっと登ると荒川峠道まで古道が続く。谷沿いを歩くと所は崩れた道が細くなっているが、難なく歩くことができる。植林地の中を歩き、湧水からの谷を渡ると、荒川峠道に出合う。「まだ15時なのに!」とちょっと薄暗くなた峠道を下って行くと、後ろから三人の男性がやってくる。20分で登山口のある林道に降り立ち小休止とする。

木にテープのマークがある所から 荒川峠道に出合う

 男性達は登山口に置いてあった車で下山し、「楽やな〜」と道子。林道をのんびりと下って行くと、斜面に赤いフユイチゴを見つけ口にする二人。「16時には駅に着くやろ」といつの間にか雲が切れ、目の前に広がる琵琶湖を見ながらJR志賀駅へと向かう。











神は雲で天をおおい、
地のために雨を備え、
また、山々に草を生えさせ、


        詩篇 【 146−8 】
林道をのんびりと下って行く