蓬莱山(権現山〜打見山)//比良


「蓬莱山が見えへん!」と道子



2010.1.16 (土) 晴れ  哲、道





行き:出町柳 7:45 (京都バス) - 平バス停
帰り:JR志賀駅 16:32 - JR京都駅



コース:
平バス停〜花折峠道登山口〜ドン谷口登山口〜アラキ峠〜ホッケ谷道分岐〜ホッケ山〜小女郎峠〜蓬莱山〜打見山〜ロープウェイ・P11駐車場〜キタダカ道出合〜JR志賀駅







 「しばらく続いた冬型の気圧配置も回復して 今日の昼から晴れるでしょう」と言う予報。「それでは」と蓬莱山の雪見見物に出かけることにする。7時30分頃出町柳バス停に着くと、数人の登山客の後ろに並ぶが、「お腹がシクシクする」と道子はトイレにかけこむ。10名ほどの登山客を乗せ出発するが、道子のシクシクが再発すれば、山行きを中止しなければばらばいので、心配な哲郎。

 瓢箪崩山や比叡山の山々は白く染まり、その雪景色を楽しんでいると、大原付近から雪が降り出す。そのうち路面も白くなり、「このままでは 無理や!」と思う頃、途中バス停を過ぎた所で、チェーン装着の為バスは停止する。ここは旧道と出合う所で、目の前には車がスリップして溝に落ちているのが見える。哲郎もバスから降りてみると、積雪は15cmである。

チェーン装着の為バスは停止する 我々もバス停を後にして登山口へ向かう

 平バス停で1人の男性とともに降り、彼は生駒からやって来たと言う。彼はすぐに登山口へ向かうが、我々がゆっくり準備しているバス停に戻って来て、「アイゼンが必要だ」とアイゼンを付け、又すぐに出発する。20分も経っただろうか、我々もバス停を後にして登山口へ向かう。登山口の近畿自然歩道の入口に、大阪ナンバーの車が入り込み、登山の準備をしているが、「こんな所に止めなくても 下に駐車場があるのに」と言いたいところである。

花折峠道登山口 ドン谷を登って行く

 花折峠への道は植林地の中で積雪は少なく難なく歩け、すぐにドン谷口の権現山登山口に着く。ドン谷を登って行くと、風もなく暖かいということで、折り返して斜面へ上る所で服を調節する。アラキ峠からの植林地の急坂を上っていると、前方に数名と後方に1名の登山者が見えてくる。植林地を抜けると東方が開けてくるが、今日は見通しが悪く北山ははっきりしない。足元にはササの葉が少しのぞいているので、権現山の雪は少ないようだ。

 山頂に着くと、前後に歩いていた人を含め、10名弱の人が休憩中である。権現山の積雪は60cm程度、ふと、これから向かうホッケ谷方面を見ると、トレースはないではないか。数名のグループの人たちは、ワカンやスノーシューを付けているところだが、哲郎はちょっと歩いてみて「新雪だから 歩けそうや!」と道子と二人で先に歩くことにする。

権現山へはもうすぐ 権現山では10名弱の人が休憩中

 夏道の上を歩くと、新雪の下に古いトレースが固まっていて、膝下までの雪で難なく歩くことができる。でも幅30cm位の見えない台の上を歩くようなものだから、これを外れるとはまってしまう。ホッケ谷道までは雑木が続き、積雪は徐々に増えるものの、歩行に差し支えない。ホッケ谷道分岐を過ぎて、ホッケ山への登りにさしかかるが、溝状の道で足元もしっかりしているので十分歩くことができる、とは言うものの先にホッケ山に登った哲郎は、随分と道子を待つことになる。道子の後にチラチラと誰かさんがついてきているようだ。

「新雪だから 歩けそうや!」と ホッケ山で哲郎は、随分と道子を待つことに

 ホッケ山から蓬莱山は全く見えず、琵琶湖や京都北山もぼんやりしていて、今日はただ雪の中を歩くだけのようだ。雪は徐々に増え、時々腰までつかって身動きがとれなくなる。夏道を忠実に歩いて行くと、ガレ場や崖に接する所に出合う。こんな所は尾根の中ほどを歩けば安全なのだが、深く埋まって歩けないので、夏道をゆくり一歩ずつ崖横の足元を確かめるようにして歩く。でもこれ以上雪が積もれば、夏道は危険でもう歩けないだろう。

今日はただ雪の中を歩くだけのようだ やっと小女郎峠へと下る

 こんなことを何度も繰り返し、やっと小女郎峠へと下る。相変わらず峠は風が強いので、少し上がった所で暖かいお茶を飲む。上から峠を見ていると、1人の男性が小女郎峠へと降りて行き、数人のグループは峠で休息をとっているのか、こちらに登ってくる様子はない。蓬莱山に向かって歩き始める二人。積雪はさらに増え、夏道のトレースが全く分からなくなり、はまる確率が増えてラッセルが必要となる。スコップはないので雪の少ない所を探しながら進んで行く。「ワカンを付けようか」と何度も思う哲郎だが、「今日は ワカン無しで行こう」と心に決め、行ける所まで進むことにする。

積雪はさらに増え 写真を撮るときだけ道子が先行するが

 いつも樹氷は綺麗な低木帯を通るが、今日は心地よいとは言えない。写真を撮るときだけ道子が先行するが、「しんどい」と言うので、結局哲郎がトレースを造ることになる。蓬莱山手前の小さなピークへ登ろうとするが、新雪が多く哲郎の足は進まなくなる。もう予定の13時を過ぎ、体力の限界を感じる哲郎は、道子に「オニギリを 食べよう」と言う。一日中降っている雪も、段々きつくなり、数分間止まっているだけで指先がしびれてくる。熱いお茶を飲んだ後、再び歩き始める。

 小ピークに発ち、前方にぼんやりと蓬莱山の山頂が見え、後方を振り返ると、1人だけ我々のトレースを追っている人が見える。最後の数10mの登り、ここは夏でもしんどい所だ。幸いにも足元の堅い所が続き、スキー場近くまで来ることができる。後数m、前方にはスキー場の監視員が、心配そうに我々の到着を待っている。最後の数m、道子を先に行かせ、写真を撮ろうする哲郎、でも道子の足は、なかなか前へと進まない。、やっとスキー場へ上がって、後続の男性を待つ二人。やって来た雪まみれの男性は、生駒の彼で「よく一人で 来はった!」と道子。

スキー場の監視員が
心配そうに我々の到着を待っている
リフト下を打見山へ向かっていると

 スキー場にレストランがあり、暖かいものがあることを告げ、我々は先にスキー場の東端を通って下りて行く。そばをボードが勢いよく追い抜いて行き「ボードばかりや!」と哲郎。下まで降りると、たくさんの人がリフトに並んでいるので、先の打見山のレストランまで行き暖をとることにする。リフト下を打見山へ向かっていると、柵を作っているのか、従業員らしい数人の若者に出合うが、「お疲れさん!」と声を掛けてくれる。レストランで道子はうどんを哲郎はラーメンを、それに余ったオニギリを食べお腹いっぱい。「もう15時や!」と今日はロープウェイで降りることにする。

P11駐車場の奥に林道があり 「やれやれ」と今日登った蓬莱山を眺め

 ロープウェイが山麓駅に着くころ、バスが発車したのが見え、「あちゃ!」。でも駅前に待機している駐車場シャトルバスに乗り、P11駐車場まで移動する。P11駐車場の奥に林道があり、これを進むとすぐにキタダカ道の新道に出合う。いつもは旧道を通っているので、新道を歩くのはロープウェイで下山した時だけと言うことになる。JR志賀駅に着くと次の新快速まで30分待ち、「やれやれ」と今日登った蓬莱山を眺め、ユックリする二人。







あなたは地のすべての境を定め、
夏と冬とを造られました。

           詩篇 【 74:17 】
春を待つアセビ