伊吹山 / 2010.07.24


山頂広場で救助活動を見守るハイカーたち



2010.07.24 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 6:56 − JR大垣/名阪近鉄バス乗場A 9:25 −伊吹山
帰り:伊吹登山口 17:30 − JR近江長岡 18:01 − JR京都



コース:
伊吹山九合目駐車場〜西遊歩道〜山頂広場〜三角点〜東遊歩道〜駐車場〜中央遊歩道〜山頂広場〜九合目分岐〜五合目休憩所〜三合目高原ホテル〜一合目トイレ〜登山口バス停



注意:
ゴンドラやバスの運行情報は事前に確認してお出かけ下さい。真夏に登山口から山頂まで往復するには体力が必要です。






 「今年も伊吹山のお花畑に出かけよう」というものの、今年は連日35℃を越える猛暑、「ゴンドラも無いし、下から登るのは・・・」とためらっていたが、「確か、山頂へのバスがあった?」とバスの運行状況を調べ伊吹山へ出かけることにする。

 バスの様子が分からないので、始発のJR大垣まで行ってバスに乗ることにする。大垣8:52着でバスは9:25発、まずはバス停を探す。南口の「ここだ!」と名阪近鉄バスA番乗場だが、誰一人ハイカーはいない。発車時刻になりバスがやって来る頃、慌てて20数名の団体さんがやって来る。定刻に発車したバス、関が原でも10数名乗りほぼ満席となる。

電車から「今日は上まで晴れているな〜」 JR大垣/伊吹山行きバス乗場

 ドライブウェイ入口からユックリと登って行くバス、左右の景色もよく、大垣から1200円(関が原1000円)とは「安い!」と言うことになる。10:50に伊吹山駐車場に着くと駐車場はほぼ満車状態、でも広い伊吹山は人で一杯という感じはしない。「昼食時混むといけない!」とちょっと早いが駐車場の食堂でそばとオニギリを食べる。そばの汁が一杯で運んでいるうちにこぼれは箸が濡れる。海水浴の食堂みたいで「雑やな〜」「もっとCS(顧客満足)向上を考えて!」とちょっと不満の哲郎。

 猛暑といえども日影に入るとヒンヤリと涼しい伊吹山である。「今日はユックリとお花畑を観察できる」と、まず西遊歩道を登って行く。早速目に飛び込んでくる花々、いつも登山中に見るものだが、次々に現れてきて「さすがお花畑!」と思ってしまう。特に目新しい花は無いが、花見物に満足して山頂広場に向かう。

観光客に混じって西遊歩道を歩き始める キバナカワラマツバ
クガイソウ コオニユリ

 山頂広場の建物が見えて来る頃、上空にヘリコプターがやって来る。猛暑の中の伊吹山観光の取材かなと思っていると、山頂トイレの上空でホバリングし少しずつ降りてくる。「これは救助や!」と哲郎。のんきに下から見上げるハイカーを山頂小屋の主たちが立ち退くように呼びかけるが、なかなか動こうとはしない。我々は山頂小屋の一角で救助を見守るが、ヘリコプターが近づくにつれ付近は強風と砂嵐が舞い、とても目を開けていられない。

 哲郎はこの光景をカメラに収めようと何度撮っているうちにレンズカバーに粒子が入ったのか、電源を入れても半開きになる。「あれ、故障や!」と言っているうちに、確認に下りて来た隊員と怪我をした人はヘリコプターに乗り移り、救助は終わったようだ。ヘリコプターが上空へと遠ざかるとともに、足止めされていたハイカーは動き始める。

オオバギボウシ イブキトラノオ
イブキフウロ 山頂広場へ

 哲郎はトイレで目を洗い、救助時に見かけた「伊吹もりびと会」のS氏を探す。彼には御池に行った時お世話になったので「ご挨拶を」と言うことになる。山頂広場中央で彼と出会い、山頂付近のお花のガイドをしていただく。知っている花でも、その特徴や区別の仕方等、情報盛りだくさんでとても覚えきれない二人である。彼らのイベントがあるので三角点付近でお礼を言って別れ、我々は東遊歩道へと向かう。

 今まで山頂で見たことの無いイブキジャコウソウやシモツケソウの群落を見て、「こんな所に!」と、いつもはガスで見えなかったようだ。東遊歩道は山頂の平原の中、約1時間の歩きだが心地よい歩きが続き、お勧めのコースです。いつもは「時間がない」とお花畑はショートカットの散策だが、バスのお蔭でユックリと観察できる。

シュロソウ キンバイソウ
来週が見頃だろうシモツケソウ イワアカバナ

 駐車場から再び中央遊歩道で山頂へ向かい、そこから登山口へ下山することにする。山頂で伊吹牛乳を飲みながら小休止した後下山を開始する。いつもツルツル滑る九合目への登山道は乾いているので、この伊吹山も連日晴れているようだ。九合目の分岐から登山道を下り始めるが、前後に登山客は少なく、これも猛暑の影響かも知れない。いつもの所にいつもの花が咲いているが、登山道の花は下りでは見づらく「やはり登ってこなくては!」と言うことになる。

心地よい東遊歩道(下り専用) 無人のモノレールが下って行く

 強い日差しを受けながらの下りだが、前方に霊仙山やその後方に御池の山々が見え、涼しい風が吹くと立ち止まっては遠景を楽しむ。五合目の休憩所で小休止後、再び下山を開始する。三合目の草原には黄色いユウスゲの花がたくさん見られ、開花しているのはわずかだが「これくらいが綺麗や!」と哲郎。

 三合目のトイレに立ち寄る道子、「故障だって!」と帰ってくる。「もしかしたら閉店している高原ホテルのトイレが使えるかも知れない」とユウスゲの中を登って行くと、表のドアが開いていて、おまけにゴンドラが動いていて、二人とも「???」とビックリ。トイレで顔を洗いさっぱりするが、今日は余り歩いていないのでゴンドラを止め、登山口まで歩いて下山することにする。17時半のバスには間に合いそうでユックリで良いのだが、二人はいつものように急ぎ足で歩き始める。

立ち止まっては遠景を楽しむ パラグライダー練習場に人影は無く

 二合目から広がるパラグライダー練習場に人影は無く、余計に暑く感じてしまう。一合目のトイレでも顔を洗い、一合目から樹林帯の中を下って行く。風が無く蒸し暑いが、それでももう17時なので、いつもよりは涼しいのだろう。やっと登山口に着き、湧水ポイントで顔を洗い、靴やストックを洗う。16時55分、バスまで30分あるので、二人は三宮神社の木陰で涼をとる。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


           ヨブ記 【14−7】
イブキジャコウソウ