伊賀谷山〜八丁平//北山


まだ11時だが「昼食にしよう!」と
山頂の風の当たらない所で昼食休憩とする



2010.04.24 (土) 曇り時々時雨  哲・道





行き:出町柳バス停 7:45 − 葛川学校前バス停
帰り:葛川学校前バス停 15:50 − JR堅田駅 16:38
   − JR京都駅



コース:
葛川学校前〜江賀谷側取付〜P640〜伊賀谷山〜P899〜P870〜林道出合〜林道終点〜八丁平〜中村乗越〜江賀谷右俣出合〜林道終点出合〜葛川学校前



■注意
◇伊賀谷山
伊賀谷山にハッキリした登山道はありません。尾根の踏跡を忠実に歩けば、迷うことはありません。

◇伊賀谷山取付
@江賀谷林道から
葛川学校から西へ進むと、林道が江賀谷を渡る橋の手前に、尾根の先端があり、ここから取り付けます。崖のような急斜面を30m位登ることになるので、余りお勧めできません。

A学校裏から
学校から南へ進むと、西へ入って行く道ががあります。学校のプールの裏を通っていて、山に突き当たると右手の斜面を登って行きます。標高430m付近の尾根まで急斜面が続きますが、@より安全です。

◇伊賀谷山の尾根から八丁平の林道へ
@江賀谷左俣に沿った尾根が北向きから、西へ変わる所にあるP870から、北の斜面を標高差70m下ります。最後は急斜面になるので、コース選択が必要です。
AP870の西に標高840mの鞍部があり、ここから北へ下れば@より安全に下れます。










 「比良オシロ谷に、タムシバとカタクリを見に行こう」と思い地図を開くと、その西にある伊賀谷山が目に付く。ここは以前初冬に登ったことがあるが、結局「早春の伊賀谷山へ行こう」と言うことになる。

 出町柳7時45分発朽木行のバスは満員だが、ちょうど座ることができた二人は、朝から「やれやれ」。しかしバスが定刻に発車するとすぐにワイパーが動き出し、「今日は晴れという予報やったのに!」と先行き不安となる。バスが花折峠の坂を登り始めると、やっと雨も上がり再び「やれやれ!」。葛川学校前で降り「寒い!」とバス停の中でユックリと準備する。「もう降らないだろう」とレインウェアをやめるが、寒いので厚い上着を着て出発する。

葛川学校前で降り「寒い!」とバス停の中へ 江賀谷林道を進んで行く

 「今日は江賀谷から取り付いてみよう」と江賀谷林道を進んで行くと、すぐに林道は橋を渡る。その橋の手前に伊賀谷山の尾根の先端があり、そこから登ろうと言うことになる。そこは斜面と言うより崖と言えるような急勾配でコース選定が必要である。ケモノ道のような歩けそうな所をジグザグに登って行き、岩を越え、30mも登った所で尾根の先端の植林地に出合う。

林道を進むと橋の手前に取付があり
左(南)の急斜面を登る
約30m急斜面を登る

 もうここまで来ると、あとは尾根まで登るだけなので安全なのだが、「この取り付きはあまり、お勧めできないよな〜」。前回取り付いた学校裏の道から進入する方が安全のようだ。尾根を登って行くと標高430m付近で、前回登って来た支尾根に出合うが、こちらも急な斜面には違いないようだ。

 しばらく左手は植林地、右手は雑木の尾根を登って行くのだが、北の方でゴロゴロとカミナリの音が聞こえる。「いやな音や」と言いつつ登って行くが、北の空は雲が重たく感じられ、時々変な風が流れて行く。標高550m付近から植林は消え急な登りが続く。右手の雑木の間から遠くに桜の花、近くにはタムシバが咲いていて、この付近までは雑木の芽吹きが始まっている。

標高500m付近は芽吹いている 標高550m付近から雑木の急な登りが続く

 標高640m付近でタムシバを見ながら小休止する。この付近から登りも緩やかになり、左手に再び植林地を見るようにして歩く。この植林地の端に道のようなものが続き、しばらく歩き良い登りが続く。西寄りに向いていた尾根もしだいに南へと変わる。植林地の端は歩き良いが「面白くない」と二人とも雑木の尾根を歩き始める。

 再び変な強い風が吹いてきたかと思っていたら、パラパラと降ってきたので植林の中へと入って雨をよける。よく見ると、しずくが地面で跳ね返っているのでアラレが降っていたのだ。「どうりで寒いはずや!」と通り過ぎるのを待つ。5分でアラレも上がり、再び尾根を登り始める。標高880m付近で尾根の分岐に出合う。右手の支尾根は江賀谷の林道終点へ下っていて、逆コースの場合は間違えないよう注意が必要だが、植林地に沿って歩けば迷うことはないだろう。

植林地の端に道のようなものが続き 標高880mまでの急な登り

 もう山頂までもうすぐで、緩やかな尾根を登って行くと、すぐに三角点を目にする。ここから数100m平らな山頂丘陵が続き、今度は植林地を右手に見るようになる。丘陵の中ほどまで来て、まだ11時だが「昼食にしよう!」と風の当たらない所で昼食休憩とする。木々の間から比良山系が見えるのだが、雑木が密集していて余りよく見えない。日も差してきて「暖かい」とオニギリを食べているうちに日も陰り、「暖かいお茶を持ってくればよかった」と言うことになる。

 昼食後はP899へ向かって歩き始める。平らな山頂尾根は、南から西寄りに変わり、細い尾根を歩くことになる。足元にはツボミをつけたイワカガミが続き、所々でイワウチワの花を見る。そのうちにP899の手前の鞍部を下り始める。前方にあるP899は右半分がスギの植林で、左半分が雑木と、はっきり色分けできた山なのだが、以前より周りの植林が育ってきて、ピークが見えなくなってきている。

山頂の三角点を目にする P899へ山頂丘陵を進む

 標高差50m下り、50m登ることになるがイワウチワを見て登っているせいか、しんどいと言う感じはしない。P899に着き、南の支尾根をのぞいて見て「次のこの尾根を下ってみよう!」と言うことになる。P899から西へ進んで行くと、緩やかな尾根に雑木が広がるが、標高820m付近から急な下りに変わる。下り切ると細尾根、右の真下にあるような、江賀谷左俣の流れが見える。

 右下に標高差100mの崖のような斜面が続き、さすがここには植林はない。細い尾根の鞍部から少しずつ登って行き、県境のP870のピークに立ち、前方に八丁平周辺の山々を見る。P870から尾根は西に折れていて、眼下の林道へは数10m斜面を下ることになる。前回は尾根を西に標高差30m下った鞍部から下りたが、「今日はこのピークから直接、北へ下りてみよう」と言うことになる。

P899に着き、南の支尾根ををのぞいて見る 県境尾根のP870ピークから斜面を下る

 最初はマークのあった斜面だが、途中から急斜面となりジグザグに下りて行くことになり、マークも見当たらないので、左右どちらかに寄っているようだ。やっと下の谷に下り「やはり鞍部からの方が安全やった」とゆっくり下りてくる道子を待つ。土手を登るとそこに林道分岐の標識があり、迷うことはなさそうだ。

土手を登るとそこに林道分岐の標識があり 林道は緩やかに江賀谷左俣に沿って真北へ

 八丁平へは林道を右へとる。林道は上下にあり、下の林道はすぐに谷で行き止まるので、上の林道を歩いて行く。林道は緩やかに江賀谷左俣に沿って真北へと進む。歩くにつれ、右下の谷は段々近づいてきて、美しい雑木の谷沿いを歩くことになる。林道終点から谷を渡ると、すぐに見覚えのある八丁平の南端に着き、クラガリ谷への分岐に出合う。分岐をとらずに八丁平の周回道を北上すると、中村乗越の分岐に着き小休止とする。

林道終点から八丁平へ心地よい歩き 中村乗越への登り

 前方に数人のグループが乗越へ登って行くのが見え、その後を追うように我々も分岐から中村乗越へと向かう。ブナの木にたくさんのビニールが巻いてあり、ここにもカシノナガキクイムシ虫の被害が及んでいるようだ。そんな木を見ながら中村乗越に着くが、先のグループがもういないので「この尾根から、カマクラへ向かったのやろか」と思っていたら、下の方で話し声が聞こえ、我々と同じルートで下山するようだ。

渡渉が心配な道子は随分と
速足で先へと急いで行く
今日は水量が多い谷だが
難なく渡れ一安心の道子

 しばらく植林地の中をジグザグに下って行くと、先のグループに追い着き、先に江賀谷右俣に出合う。ここから谷沿いを野草を見ながら緩やかに下って行くのだが、渡渉が心配な道子は随分と速足で先へと急いで行く。谷沿いには、ヤマルリソウやイワウチワ、ヤマエンゴサク、イカリソウ、ニリンソウ、ミヤマカタバミ等、春の定番の野草が目を楽しませてくれる。

 今日は水量が多い谷だが、難なく渡れ一安心の道子、林道終点への最後の橋を渡る。2時10分「ちょっと早いな〜」と時間があるので、左俣へ入って、ちょっと谷の様子を伺うことにする。ここにもニリンソウやイカリソウが咲いていて「もうちょっと奥まで」と谷を上って行くが、すぐの渡渉地点、今日は水が多く道子には無理だと進入をあきらめる。「仕方ない」とここで用具を洗った後引き返し、林道終点からゆっくりとバス停へと向かって歩き始める。

林道終点への最後の橋を渡る 橋を渡り、今朝取り付いた斜面を右手に見る

 「あ!ワサビやフキやミズや 天ぷらにしよう」とちょっと若葉を頂きながら、ゆっくりと歩いて行く。時間があるからとゆっくりしていたが、もう15時30分を過ぎたので、バス停へ急ぐことにする。橋を渡り、今朝取り付いた斜面を右手に見ると、すぐ目の前に葛川中学校が見えてくる。











地が芽を出し
園が蒔かれた種を芽生えさせるように

           イザヤ 【 61:11 】
春の定番の野草、ヤマエンゴサク