城丹国境尾根/(薬師峠〜茶呑峠)//北山


大谷林道を歩く



2010.10.2 (土) 晴れ  哲、道





行き:北大路バス停 8:23 (京都バス 出町柳 8:10発)
   − 雲ケ畑岩屋橋バス停
 
帰り:周山バス停 16:40(JRバス:周山始発)−JR京都駅



コース:
岩屋橋バス停−志明院−薬師峠−大森キャンプ場−大谷林道−林道終点−飯森山直下鞍部−(城丹国境尾根)大谷峠〜飯森山〜天童山〜茶呑峠〜カモチ谷〜殿橋〜周山バス停












 「ムカゴも、そろそろだろう」とムカゴの収穫をかねて、城丹国境尾根に出かけてみる。北大路バス停にやって来た岩屋橋行のバス、北大路から数名乗り、小さなバスなので一人立っての出発となる。立っている人は軽装で、山幸橋で降りたので、氷室でも行くのだろう。市ノ瀬、白梅橋、出合橋で次々と降りて行くハイカー、終点で降りたのは我々と男性一人となる。

終点で降りたのは我々と男性一人となる。 手ぬぐい引換券

 バスを降りる時、運転手が「これを記入すると、手ぬぐいが貰えます!」と我々に印刷した紙を差し出す。バスを降りて、その紙を見ると、雲ケ畑の観光キャンペーンで「先着500名様に、手ぬぐい」とある。平日は出合橋の雲ケ畑出張所、土日祝は岩屋橋の「畑嘉〜はたか〜」で頂けるようで、我々はラッキーだったようだ。「手ぬぐいなんて、使わないよな」と哲郎、「トイレで使う!」と道子。結局、手ぬぐいを2枚頂く。


エコツーリズムキャンペーン特製「雲ケ畑手ぬぐい」プレゼント
 URL:http://www.city.kyoto.lg.jp/kita/page/0000083526.html

ツリフネソウ 志明院入口の手前にある斜面を登って行く

 ゆっくり準備した後は、志明院へ向かって歩き始める。この時期、志明院への道に野草はなく「ただアケビの様子を伺うだけ」と思っていたが、よく見ると足元にクサアジサイ、オオルリソウ、ツリフネソウ、アキチョウジが咲いている。ゆっくりと観察している哲郎を後に、道子は随分と先の方を歩いている。志明院に着き小休止、周囲に人の気配はなく、ひっそりとしている。

 ここから右手の登山道へ入り、すぐに谷沿いを歩くことになる。すぐの植林地に入ると、先を行く道子が「咲いている」と言う。哲郎の好きなアケボノソウである。「もう咲いているんや」と哲郎はゆっくりと、デジカメで花を撮っていると、道子はもう先の谷で休憩をとっている。植林地の一部は伐採され、植林されたところなので、ネットで囲ってある。

哲郎の好きなアケボノソウ ネットが見えへんのやろか

 このネットの上の方でガサガサ音がするので、哲郎はアケボノソウから目をネットに向けると、二頭のシカが右住左住しているではないか、そのうち一頭が、哲郎のそばまで駆け下ってきて、目の前でネットに体当たりを繰り返す。「こいつ! ネットが見えへんのやろか」と思うほど、頭からネットに突っ込んで行く。もう一頭が小鹿で、それを守るために哲郎の目の前で暴れているのか・・・、もう見てはいられない。

 シカは少し移動して、またネットに突っ込んで行く。「仕方ない奴だ!」と哲郎は道子の方へと移動すると、シカは哲郎がアケボノソウを撮っていた地点のネットを越え、一目散で逃げて行く。どうやら哲郎がいた地点はネットが低く、ここから進入していたようだ。わずか数分の出来事、何も知らない道子は、ゆっくりと休息していたようだ。

しばらく雑木の谷間が続く 薬師峠で小休止

 植林地を抜け小さな谷分岐を右にとると、しばらく雑木の谷間が続く、すでに流れはなくなり枯れ谷だが、薬師峠までのわずかの間、心地よい雑木が続く。薬師峠で小休止後、大森への道を下り始める。「荒れているな〜」と先を行く道子が呟く。しっかりとした広い道だが、大雨のせいか小枝が道に散らばっている。すぐの分岐を左にとり、植林地の中を下って行く。

 道にはマツカゼソウとアケボノソウが続き、写真を撮り、ゆっくり歩く哲郎。前方で「ドスン!」と大きな音、「イノシシかいな〜」と思っていたら、道子が尻餅をついている。苔が点々としたコンクリートの急な作業道で滑ったようだ。手のひらを少しすりむいたようだ、消毒とバンドエイドを貼るため小休止となる。道横の谷は所々えぐられているので、ここでも大雨の影響が見られる。

 下りきった所にバーベキューの設備があるゲートボール場のトイレを借り、「おなか、すいた!」とオニギリを1個ずつ食べる。橋を渡ると車道に出合い、右に折れ大森キャンプ場の横を通っていると、山すそにムカゴを見つけ、二人は収穫する。放牧されているポニーは随分と大きくなっていて、日差しをよけ日陰で休んでいる。

大雨のせいか小枝が道に散らばっている ゲートボール場のトイレを借り

 大谷沿いに進んで行くと、右手に桟敷ケ岳からの山々が見えてくる。その山々の中の伐採地を見ていると、高い所で何かが動いている。シカがネットに引っかかっているようだ。「長い角がネットにからんで、暴れているのだろう」と道子はスコープで確認する。「近寄ると危ない」「二人ではどうしようもない!」とシカさんには悪いが放置することにする。

 谷は林道に近づいてくると、谷間は狭くなり暗くなるが、ここを通り抜けると、急に谷間は広がり明るくなる。周囲は植林地だが、「林道終点まで30分」快適に林道を歩いて行く。林道の斜面に赤い花を見る。「ミヤマママコナが咲いている!」、この時期北山では何処を歩いていても、この花にお目にかかるようだ。前方の山頂に、アンテナのある山が見えて来ると林道終点も近い。さらに少し歩いた所で、穏やかな林道も終わり、この先は植林地の中、急坂を登ることになる。

その山々の中の伐採地を見ていると 林道終点から最初は、谷沿いにある踏跡を
辿って植林地を登って行く

 いつものように、陽だまりのあるこのポイントで昼食とする。「今日はいろいろと、ゆっくりしていたし・・・」と遅れているはずだが、いつもと余り変わらないようだ。10分で昼食休憩も終わり、細くなった林道を歩き始める。この林道は所々、コンクリートで固めてあり歩きにくく、さすがに一汗かいてしまう。谷で濡らしておいたタオルで汗を拭きながら歩いて行くと、ちょっとだけ明るくなっている林道終点に着く。

 林道終点から最初は、谷沿いにある踏跡を辿って植林地を登って行く。左手に沿う谷も、大雨で荒れて大きくなっているような気がする。谷から離れ、大谷峠へと向かう道は、しっかりしてきて、途中で天童山方面への近道の分岐に着く。標識のある分岐を左へとり、飯森山はカットすることにする。落葉で分かりにくい踏跡だが、谷のような低い所に沿って歩けば、飯森山直下の鞍部に出る。

飯森山直下の鞍部で小休止 愛宕山系の山々がよく見えるが

 辿り着いた城丹国境尾根の稜線も、落葉で踏跡はハッキリしないが、尾根を歩けば良いのだから迷うことはない。一登りした後はアンテナのピークを巻いて行き、再び一登りして、次のアンテナのピークに出る。このピークからは、愛宕山系の山々がよく見えるが、道子はおかまいなく、どんどん進んで行く。右手に植林地を見て、雑木の綺麗な鞍部から一登りすると、天童山に着く。

 先程から気になる足元の一本の白い糸、アンテナ付近から続いているが、これが延々と続いている。テープの代わりか、距離を測ったのか、手で触ってみても簡単に切れない丈夫な糸である。「これは、手を切るで!」と、天童山を下る所から、目についた糸を切って歩くことにする。特に下りの斜面に続く糸は危険なので、小枝に巻きついて取ろうとするが、ストックや木にからまって時間がかかってしまう。

雑木の綺麗な鞍部を 茶呑峠に着き小休止する

 急いで下ったので、十分取り除くことができなかったので、今後ここを訪れて、白い糸を見つけた人は手で触らずに、小枝にからませて、登山道から取り除いて欲しい。「予定より遅れてしまった!」と茶呑峠に着き小休止する。ここで周山発のバスの時刻を確認、ここから90〜120分要するので、「16時40分、17時40分があるよ」と道子、「あとはムカゴ、アケビしだいだ」と、峠を下り始める。

 林道は大雨の為か、ゴロゴロ石で歩きにくくなってきて、細い谷も随分と荒れているようだ。谷を渡った所で顔を洗いサッパリするが、しばらく西日を受け「暑い!」と言うことになる。途中のアケビはまだ開いていないので、「早かった!」と収穫をあきらめる。谷も段々広くなると、林道も緩やかになる。でも大雨で河原は洗われたようだ。「ムカゴがない」、林道の両側の雑草が刈り取られ、綺麗になっているからだ。

しばらく西日を受け「暑い!」 カモチ谷に捕獲檻

 民家に近づくと「バーン、バーン」とウルサイ音が続く、近くの射撃場の音だが、「ここに住んでいたら、気がめいる!」と道子。民家が見えてきて、やっとムカゴに出合う。でも「16時40分発のバスで帰ろう!」と収穫もそこそこにして、ウッデイ京北へ向かう二人。






畑に種を蒔き、
ぶどう畑を作り、
豊かな実りを得る。


           詩篇 【 107−37 】
ミヤマママコナ