桑谷山(桑谷山西尾根)//北山


桑谷山西尾根は快適な尾根が続く



2010.04.10 (土) 晴れ  哲、

行き:北大路バス停8:02(京都バス)− 能見口バス停
帰り:大悲山口バス停14:28 − 北大路バス停


コース:
能見口バス停〜長戸谷分岐〜作業道分岐(標高500m)〜(支尾根を登る)〜西尾根(標高700m)〜P804〜桑谷山西峰〜桑谷山東峰〜登山口〜・431林道始点〜大悲山口バス停







 

 「桑谷山の西尾根、前回、最後は標高650m付近から、植林地の急斜面を下ったが、他に道はないものか」と桑谷山西尾根へ探索に出かけるのだが、道子が仕事と言うことで哲郎一人で出かけることになる。

 今日は快晴の京都、山行きも楽しくなるだろうと、期待しながら北大路駅前バス停から、広河原行のバスに乗る。4列シートのバスは、ほぼ満員で「もう春やな〜」と思ってしまう。道端の雪もほとんど解け、通り過ぎる集落や周囲の山々は、すっかり春景色、暖かさを感じる。それでも花背峠で3℃と今朝は冷え込んでいるようだ。

いつもお世話になります バス停から能見川沿いを歩く

 能見口バス停で降り、橋を渡った所にある観光トイレを借りる。古いトイレだが手入れされ。今日は手洗いの水が出てくれ「ありがとう」。その前の道路の日の当たる所で準備する。長戸谷の入口へと歩き始めると、足元にまだ食べられそうなフキノトウを見つけ、それを摘みながら進む。下の能見川では朝早くから、釣り師が糸を垂れている。

 長戸谷の取付に着き、早速橋を渡って行く。すぐに左手の植林地の斜面、ここからも登れそうだが少し林道を進んで登って行くことにする。左手にはネットが続き、これが予想以上で堰堤付近まで続くので、この付近は西尾根の先端から南の林道へと下るルートには使えないようだ。

長戸谷の取付に着き、早速橋を渡って行く 左手のネットは堰堤付近まで続く

 山すそを見ながら歩いて行くが、取り付けそうな所はなく、とうとう前回植林地を下りてきたポイントを通過する。地形図にも切り立ったマークがあるので、この付近からは取り付けないようだ。先へ進むと前方右手に大きな倉庫のような建物が見えてきて、広い林道も終わり、この先は谷が二分し左右に作業道が続いている。

 本流沿いの右手は長戸谷コースなので、左手の谷沿いの作業道へと進入することにする。「なかなか いい道があるやん!」と谷沿いの作業道を登って行くが、橋を渡ったところで二分しいずれも数mで行き止まり、「何や 5分で行き止まりや!」と短い作業道だったので、ちょっとショックの哲郎。その右手の道は、小さな谷を越えると急な植林地が続いている。この植林地は標高750m付近の尾根まで登ることになるので、左手の道の先の様子を確認する。目の前に本流のナメ滝が見え、谷は左右にもあるので三分岐している。

倉庫のような建物が見えてきて、
谷が二分し左右に作業道が続いている
目の前に本流のナメ滝が見え、
谷は左右にもあるので三分岐している

 右の谷をのぞくと、先の方が立ち上がっていて、とても歩けそうになく、目の前の尾根も険しそうで。「歩きにくそうだ」と止める。本流の滝に近づいて行くと、目の前に鉄の角材を数本並べた橋があり「ここを渡れか」と試みるが、谷上2mもあるので、渡るのを止め滝の下まで行き対岸に渡る。

 しかし、そこには道はなくケモノ道のような所を、一番左の谷沿いに歩いて行くが、それも怪しくなるので。結局右から2本目と3本目の谷の間の支尾根を登ることにする。予定では一番左の谷の左側の支尾根を登り、標高650付近に出るはずであったが、全く違う展開となる。急な雑木の斜面を木をつかみながら登って行く。この支尾根にケモノ道はなく、「ケモノも通りにくい尾根なんだ」と思ってしまう。「こんな所で時間をかけていると 14時30分のバスに 乗り遅れてしまう」と必死に登る。

急な斜面を木をつかみながら登って行く 支尾根を登りながら下の谷を覗く

 標高600mを過ぎると、シカのフンが目に付くようになり、やっとケモノ道に出合う。それでも急な斜面は続き、ジグザグに登って行き、やっと西尾根に出合う。「あ〜やれやれ 40分もかかってしもた」とザックからアクエリアスを取り出し、ガブガブと飲む。ここは標高700m付近、北側前方にはコウンド谷だろうか、ぼんやりと奥まで続く谷が見える。

 しかし、山々が霞んで見え、嫌な予感がする。飲水休憩も終え西尾根を登り始めると雨が降り出し、「北山時雨か」と言っているうちに雪に変わる。「京都ではあんなに晴れていたのに!」と、急いで上着をレインウェアに変える。折角の西尾根の散策、「今日は、ついていないな〜」と思いつつ、バスの時刻が気になるので急ぎ足で歩いて行く。もう今日の探索は終わり次のチェックポイントP804へと、緩やかな広い尾根を東へと登って行く。

西尾根の北側前方にはコウンド谷だろうか P804へと、緩やかな広い尾根を東へ

 ちょっと南へ寄って一登りすると、P804の標識を見る。ここは西尾根の中間点なので、もう予定のバスには十分間に合うことがわかる。それでも雪の降る中なぜか急ぎ足で歩く哲郎。しばらくして急な登りが続き、標高850mからは再び広くて緩やかな尾根に変わる。足元に広がるイワウチワは、この寒さ、残念ながらツボミばかりである。相変わらず降り続く雪はミゾレに変わり降ったり止んだり、そのうちに足元にアスナロが見え出し山頂が近いことがわかる。

P804を過ぎると低木のスギが暫く続く 尾根が広がり右手奥に「長戸谷」への標識が

 しばらくアスナロや杉の枝を掻き分けながら登って行くと、尾根が広がり右手奥に「長戸谷」への標識を見る。ここから少し登って行くと目の前に三角点が見えて来て山頂に着く。山頂は風が強く昼食もとれないので、すぐに東峰へと歩き始める。左手のネット越しに強い風、周辺の山々は雲に覆われよく見えない。西峰から東峰への道は前回来た時よりも歩きよく、踏跡も黒っぽいので最近団体さんが歩いたようだ。そんなお陰で12時前には東峰に着くが風が強いのでその先にある展望ポイントでの昼食は諦め下山することにする。

桑谷山(西峰) ネットに沿って東峰へ

 しばらく急な坂道を下って行くと、足元にイワウチワが群生しているが、ここもツボミばかり「もっと下に行けば咲いているだろう」と思ったが、それ以後イワウチワを見ることは無い。・813の鉄塔まで来て送電線の先を眺めるのだが、まだまだ遠くの山々はかすんでいる。その送電線の下は木々が刈り取られ、黄色い帯が続いていて、なんだか淋しいような感じがする。その送電線の下で、ぼんやりとした片波屋まから城丹国境尾根を眺めながら昼食とする。

・813の鉄塔まで来て送電線の先を眺める
片波山から城丹国境尾根
次の鉄塔の手前から右に折れ
送電線下を潜り右の支尾根へ

 もう、すっかり雨も上がり時々日差しも出てくる中、下山を開始し急な尾根を快適に下って行く。急な尾根、ここを登る時にはしんどくて周囲を見るよゆうは無いが、下りでは時々立ち止まっては目の前に塞がっている大木を眺める。「あれ、あれ、あれ」という間に標高500mの登山口がある林道に降り立つ。すぐ先の川原に下り靴やストック洗いながら休息する。「ここから大悲山口バス停まで30分でいけるので13時30分にはつくだろう」と予定より30分早く下りたようだ。

目の前に塞がっている大木を眺める 標高500mの登山口がある林道に降り立つ
大悲山口バス停

 夏にはヒルでビクビクしながら歩く桑谷の林道、今日は心地よく歩くことができる。林道から車道に出合う頃、少しパラパラと雨が降ってくる。「ユックリでいいのに!」と言いつつ急ぎ足でバス停へ向かうが、足元にフキノトウを見つけ、朝収穫した袋に追加する。雨が途中できつくなってきたので、「急ぐこともない」と途中の小屋の軒を借り雨宿りする。「西の空が明るいので上がるだろう」と20分もボンヤリと過ごした後、雨も上がりバス停へ向かう。

 「雨宿りしたのに、バス到着まで、まだ40分もあるしどないしょう」。いつもだったらバス停横の食堂でビールを飲むところだが、今日は何故かユックリとバス停で時を過ごすことにする。そのうち「朝バスで一緒でしたね」と、たしか廃村八丁へ向かったグループがやって来る。「雪が降ってきたので途中で引き返しました」と言っている。それでも彼らは皆今日の山行きに満足したかのように、やって来たバスに乗る。「広河原の春はやって来たようだ」と春を感じる哲郎である。






彼は私の足を雌鹿のようにし、
私を高い所に立たせてくださる。


        サムエル記 U 【 22−34 】
道端に咲くショウジョバカマ