皆子山(足尾谷〜北尾根〜東尾根)//北山


「さあ、ここからどうしよう!」と進路を探す道子
左岸(右手)の植林地をよく見ると踏跡があり
これを進むことにする



2010.11.20 (土) 晴れ  哲、道





行き:出町柳バス停 7:45 − 新道足尾谷橋バス停
帰り:平バス停 15:59 − JR堅田駅



コース:
新道足尾谷橋バス停〜足尾谷取付〜林道終点〜北尾根取付〜P866〜東尾根出合〜皆子山頂〜(東尾根コース)〜P941〜P837〜お墓〜平バス停









 毎年、この時期になると皆子山への紅葉見物に出かける。前日、珍しく道子がネットで皆子山を検索している。どうやら崩れかけた「くノ字橋」を渡りたくないようだ。「このルート、分かりにくいと書いてある!」と道子、そこは林道終点からすぐの谷で、その谷の西の尾根を通って皆子山に通ずる。皆子山の北尾根はツボクリ谷分岐からの尾根と、この尾根と2本あるが、今日は、P866を経由するルートを探索することにする。

 出町柳バス停には、比良へ向かう人々とでいっぱいで、2台目の臨時便に座っての出発となる。新道足尾谷橋バス停で4名降り、一人は比良へと向かう。もう一人は皆子山へ向かうようだが、初めてのようで哲郎が一言説明すると、足の早い彼はすぐに消えて行く。

 足尾谷橋に着くと、前方に数台の車が待っていて「今日は、賑やかなようだ」。右に折れ、林道を歩き始めると、後ろから数人のグループが追い越して行く。足尾谷の紅葉はいつもより早く、もう終わりかけて周囲の山々も色鮮やかさはない。それでも、なだらかな林道をゆっくりと心地よく歩いて行く。発電所の魚道の水も穏やかで、今日は谷の水も少ないようだ。

発電所の魚道の水も穏やかで 橋付近で渡った道子

 林道終点に着き、ひっくり返っているという木橋を確認する。対岸の木橋の先端が大きく下流に移動しているが、橋を元へ移動せずに、元々あったロープを切断して、傾いた橋の上へロープが張られている。今日は水量が少ないので、二人とも渡れそうな所を探して渡渉する。橋手前の浅瀬から渡った哲郎、橋付近で渡った道子は、「少し 水が入った」と言っている。

谷沿いの大きな岩を超える すぐに左手からの小さな谷へ進む

 数の増えたバイカオウレンが群生する岩場を過ぎると、谷沿いの大きな岩を超えるのだが、ここにあった古いハシゴが撤去され、岩をよじ登ることになる、「ヤレヤレ」と乗り越えた二人は、すぐに左手からの小さな谷に出合う。この谷は「ワリ谷」と一部の地図に書いてあったが、別の地図ではもう一つ奥の谷にワリ谷と書いてある。よく分からないので、ここでは足尾谷支流としよう。この支流の西にある尾根が目的の皆子山北尾根である。

 支流分岐からこの尾根を見上げると、とても楽に登れないような勾配である。「無理なようだ!」と哲郎は少し谷を上がって行き、尾根への取付を探す。「どこも、だめだな〜」と言いつつ、ふと谷の左側を見ると、何やら道のようなものを見る。やって来た道子が様子を伺うと、どうやら作業道のようでしっかりとしている。「これを進もう」と歩き始めると、「火の用心」の看板を見て小さな滝に出合い道も消える。

ふと谷の左側を見ると作業道なので進む 「火の用心」の看板を見て

 「これから、どうしよう!」と様子を伺っていた哲郎は、ちょっと滑り手に持っていたデジカメを岩にぶつける。先日、伊吹山で救援ヘリの砂煙でイカレかけていたデジカメだが、これで「おだぶつ」のようだ。壊れかけたケースをテープで補強し、撮影できるのを確認し「やれやれ」である。左岸(右手)の植林地をよく見ると踏跡があり、これを進むことにする。

踏跡はすぐにしっかりとした作業道に変わり 尾根を小さくジグザグに登って行く

 踏跡はすぐにしっかりとした作業道に変わり、難なく歩くことができる。この道は尾根から少し外れているが、ジグザグに植林地を登って行くので、これに従って進むことにする。この道は標高600m手前で、目的の尾根に出て、尾根を小さくジグザグに登って行く。標高650m付近でシャクナゲが群生する細い尾根と変わり、標高700mを過ぎると、尾根は広くなる。

標高650m付近でシャクナゲが群生する 足元には低木のアセビが増えてきて

 すぐに左手に再び植林を見るようになり、植林地の端を歩いて行く。足元には低木のアセビが増えてきて、イワウチワを見るようになる。そのうちに植林地の中を歩くようになり、標高800m付近で尾根を離れ、左手の植林地を巻いて行くようになる。P866の東側まで来ると、作業道は突然下り始める。道子が少し進んで確認するが、やはり下って行くようなので、950と書かれた杭あたりから、右手の斜面を登りP866へ向かうことにする。(ここまでにも、尾根や植林地に数字の書かれた杭は続いてます。)

植林地の中を歩く 950と書かれた杭
右手の斜面を登りP866へ向かうことに P866の尾根に出る

 標高差50mの登りだが、急なのでジグザグに登って行くと、左手に皆子山特有の雑木が見えてきて、P866の尾根に出る。P866から下の尾根を見ると、アセビ等の低木の雑木が密集しているので、作業道がなければ、ここまで来るのは困難なような気がする哲郎。二人は周囲の山々を見ながら小休止とする。P866から南へ尾根を進んで行くと、今度は右手に植林地が広がり、その端を歩くことになり、これまた快適に歩くことができる。

今度は右手の植林地の端を歩く 前方が明るくなると東尾根に出る

 P930から東尾根にあるP950へ向かって行くと、踏跡がP950を巻くように続いているので、これを進んで行き、前方が明るくなると東尾根に出る。「なんて、楽な登山やった」と、ちょっと拍子抜けの探索も終わり、右にとり皆子山へ向かう。山頂付近のササは枯れ、三角点の周囲に広場を形成していて、以前とは全く違う山頂となっている。我々の到着と同時にツボクリ谷から7名やって来て、今日はたくさんの登山者と一緒に昼食をとることになる。

 10分で食べ終えた我々は、早々に下山を開始する。「紅葉の時期は、東尾根がいいだろう」と寺谷分岐から、左の尾根へと進む。すぐのP950を過ぎ、「皆子山北尾根」として探索して出て来た所を再確認した後、東尾根を下り始める。この東尾根コースはほとんど植林の中を歩くことになり、雑木の美しさは楽しめないが、平へは短時間で楽に下ることができる。また初心者にとっては読図の練習コースとしておすすめです。

今日はたくさんの登山者と一緒に昼食をとる シダの中を標高差30m登るとP941に着く

 両側が植林の細い植林を快適に下って行くと、最初のチエックポイントP941が前方に見えてくる。いったん下った鞍部から、シダの中を標高差30m登るとP941に着く。ここから南東への尾根をとり下って行くと、標高910m付近で尾根の分岐に出合う。右は寺谷の取付に下るので左の尾根をとる。

 次の標高857m付近の分岐は踏跡のある右(南)をとると、すぐにP837付近の広がった尾根に出合い東へとる。植林地の中を少し進むと、前方が明るくなり雑木の間から、平の集落が見えるポイントに出る。ここから右手に雑木を見ながら南へ下って行くと、標高770m付近で尾根が広がり、南側の斜面に紅葉を見る。「きれいや!」と尾根を東へ下って行く。

すぐにP837付近の広がった尾根に出合い東へ 「きれいや!」と尾根を東へ下って行く

 北側に続く植林の端を下って行くと、目の前に植林地が広がり、勾配も急になる。植林地を標高700mまで下った所で「ここ ちがうで!」と哲郎、踏跡はあるが以前と様子が違うと言うことで、道子を置いて数10m登って再確認する。ちょっと分かりづらいが、標高720m付近で尾根は二分し、東と北東へ分かれる。お墓へのルートは、ここから北東へ向かうのだ。少し下ると道が現われてきたので、道子に「こっちや!」と言って尾根を乗り換える。

作業道が続き右手の紅葉を見ながら お墓が見えてくる

 下るに連れ、はっきりとした作業道が続き、右手の紅葉を見ながら、しばらくの間、植林地を下って行く。道が左手の谷へ接する頃、広いしっかりとした作業道に出合う。この道を少し下ると、お墓の横を通ってお寺に出合う。民家の間を抜けて行くと、安曇川に出合い、橋を渡った所で安曇川に降り、いつものように用具を洗う。「まだ バス到着までは1時間ある」と杣の道に寄りビールを頂く。お店は一昔前のJ−POPが流れていて、「これくらいが、いい!」と哲郎。






山は上がり、。
谷は沈みました。
あなたが定めたその場所へと。


           詩篇 【104−8】
安曇川近くの民家のホトトギス